You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

Sort by 06 2011

Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

Perfect Black

「ブラック・スワン」見てきた。

 

エースだったプリマに成り代わり新ヒロインとなった主人公の栄光への足跡を辿るスポ根的映画かと思っていたら全然違っていたので驚いてしまった。これはもうすべてにおいて主演のナタリー・ポートマンのためだけに用意された私小説的映画空間ではなかったのかとワシには思えてなりませんでしたわ。

劇中で「君に足りないのはエロスだ、ダークな部分だ」と諭され、自分でも重々わかっていながらそれを演じることが出来ないもどかしさに身悶えるニナの姿はまさに現実世界でどんな役をやろうとも清純派の枠から一歩も出ることが出来なかったナタリー・ポートマンの女優人生そのものという、なんともセルフパロディというにはあまりにリアルな展開がこの映画を特殊なものに変えている要素だとワシは思うのである(それでいくとトウがたった故にプリマの座を奪われ、一気に墜ちていく旧ヒロイン/ウィノナ・ライダーの見せ方も同様。この二人なくしてこの映画は成立しないはず)

そのうえで映画を見進んでいくと、もうどこまでが虚構でどこまでが現実の彼女(ワシには劇中のニナとポートマンが中盤以降はまったくの同義状態になってしまっていた)の意志であるかというのが判断出来なくなってきて、自分の中に押さえ込まれていた裏の顔の部分(そしてそれは彼女の「憧れ」として劇中で表現されているのが旨く伝わってくる)要するにドラッグを決めたい、男とヤリまくってみたい、枠からはみ出してむちゃくちゃなことやってみたい等々と言ったいろんな物からの解放が面の顔である「清純で良い子」の自分と対決することによって達成されるという天晴れなラストへとつながっていくのが見事。

本来ストーリーだけを追いかければさして珍しくない流れであるにもかかわらず、このへんはキャスティングの妙としか言いようがないのだが、ホントくどいようだけどこの映画はポートマン抜きでは成り立たない彼女ありきの作品だったなと、まるで彼女の心理カウンセラーにでもなってずっと話を聞いていたかのようなそんな錯覚にすら陥るような2時間でした。

あと映画終わりでネットに書かれていたのを見たのだが、監督のダーレン・アロノフスキーは昨年亡くなられたアニメ演出家の今敏監督をリスペクトしているらしく、過去の作品においてもオマージュ(あえてパクリとは言わないけど、便利な言葉だなあ・・・)的演出を流用しており、本作も構成そのものが今氏の「パーフェクト・ブルー」と同じであるという指摘がなされていた。

※その件で一番わかりやすい参考ブログ

しかしそれを知った上でも上記のような見方をすれば、それは映画を構成する入れ物だけが類似していたと言うだけの話で、テイスト自体は別物だったなとワシには思えました。



12345678910111213141516171819202122232425262728293006 < >