You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

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Category: ◆テレビ・ストーカーSeason2=いろんなTV番組を見た話  

ごほっごほっ、人間長生きすると諄くなるのじゃ

日本シリーズが終わって今は完全に抜け殻状態のわたし( ̄。 ̄;)(ホークス日本一の余韻にまだまだ浸っているところなのと、スポーツニュースの時間がとにかく遅いから眠いのよ(>_<)) まあ今日が10月最後の日でちょうど良い区切りだし、もう少しだけはこのまま呆けさせてもらいましょう。そして11月突入の明日からはノーマルモードに復帰しようではないか。

と、そんなジジイ予備軍のわたしが語る最近のテレビとのお付き合い話。

実は今某局の番組放送モニターというヤツを引き受けており、ふだんは見ないような番組を先方指定で視聴しては感想を報告するという作業を繰り返しているのだが、なんだかんだでこれで通算四局目のおつとめとなっておるわけである。

よくこおいう感じで募集がかけられているヤツ

たいした金額にはならないけど(局によって報酬はまちまちだがだいたい数千円のレベル。また現金ではなくQUOカードや図書カードをギャラとして配布しているところもある)任期は一年あるし慢性的に不足している小遣いを補填するには悪くない副業だとも思っているのだ。こうしたブログで映画やドラマの感想を長々と書いている人間にとっては別段苦労のない簡単な仕事であるとも言えるだろう(ルールは簡単。局側が毎月指定してくる番組を三本ないし五本程度見てその感想を書くというもの。文字数は少ないところで400文字から多いところで800文字。ハッキリ言って枝葉の文章を入れていると直ぐに制限が埋まってしまうので(ーー;)ストレートな意見だけで纏めた方が話は早い←最近は加齢とともに簡潔な短文を書く方が難しいと思うようになってきとるんだけどね・・・)

残念ながら自分の場合過去に引き受けたすべての局がローカルばかりなので、それほど書き甲斐のある番組に当たったことはなかったけれども、一回くらいは全国放送の番組でこういうバイトにチャレンジさせてもらいたいとは思うな(やるならやっぱり某国営放送かねー・・・)

私の立場上底辺業界とはいえいちおう会社員をやっているため、なかなかおおっぴらにバイトをやるわけにもいかず、しかもどうせなら趣味の範疇内で何かやりたいと思っているからますます選択肢は狭くなってしまうのだけど(いっとき20時以降のシネコンのバイトに応募しようかなと考えたこともあるけど「知り合いに会ったらどーすんねん」と妻から却下されてしまった。映画見放題というのに惹かれていたのだが・・・)このモニター仕事というのは自宅でできるというのがたいへん好都合なのだ。

あとは若い頃働いていたビデオ屋さんに頭下げて深夜店員として復帰してみようかとか(前にそのことを元同店の同僚だったヤツに言ったら「そんな高齢のバイトおらんよ」って返されたなあ・・・ごもっともなことで(__*))そんな無謀なことも考えたがけっきょくは出来ず終い。

まあ当面は今のモニター仕事を全うして、それから次のことを考えようと思っているけど、なかなか高齢オタクに見合うひみつのバイトを探すというのは難しいモノですな。
Category: ◆玄関開けたらトワイライトゾーン=海外ドラマを見た話  

隙間を使ってアレもこれも見るのだよ

日本シリーズが始まって以降、連日ほぼかぶりつき状態でテレビを見ているために他の物を見る時間がほとんど無くてドラマや映画の録画ストックがいまエラいことになっておるのだが(ーー;) せめてドラマだけでもなんとかしようと深夜に少しずつ消化中である。今回はその整理兼備忘録(しかも今日はホークス勝って王手になったこともあり気分も良いので更新してみた。しかし平日の試合開始18時半というのは終わりが遅くなるんでもう少し早くしてくれた方がありがたい。なんせ最近0時過ぎるとすぐ眠くなっちゃうんでねー・・・(-_-)゜zzz…)

「よみがえり~レザレクション」1stSeason・・・DLifeで放送終了。シーズン2は来年春からの放送予定。

最初にあらすじを聞いたときは「死んだ人が突然亡くなった時の年齢・姿で戻ってくる」というオカルトまがいの設定に「ペットセメタリー」みたいな新手のゾンビ物か?と思っていたけど(ーー;)全然違うミステリー仕立てのハートフルドラマだった。こういう突拍子もない話を大まじめにやってしまうのが向こうのテレビのすごいところで、日本だと「SPEC」や「トリック」みたいに特殊な(撮ってる方も「キワモノ」として自覚のあるような)ドラマとしてしか電波に乗せるのは難しいと思うのだが、これは設定が奇抜であるということ以外は演出も役者の演技もごくごくノーマルなドラマのそれとなっているのである。

このドラマで一番グッときたのはすっかり好々爺が似合うようになったカートウッド・スミス(我らがピカレスク・ヒーロー「ロボコップ」のクラレンス)扮するヘンリーが30年も前に亡くなった8歳の息子が蘇ったことに戸惑いながらもそのことを受け入れようとする姿で、見ていると彼の心情が(長い時間をかけてやっと息子の死をやっと受け入れたのに、今になって説明のつかない現象で息子が戻ったことを単純に喜んでいいのかどうかといった)手に取るように伝わりついほろっと来てしまうところがあるのだ(そういう事が劇中では至る所で起こっているのだけど)

最終回のクリフハンガーも旨い引きになっていたのと、1stシーズンが8話しかなかったこともあって継続視聴意欲は満々の状態となっている。それとこれは今回吹き替えで見ていたのだがそのクラレンス、じゃなくてヘンリーの声を野島昭生、その妻ルーシー(フランシス・フィッシャー)を岡本茉利とベテラン声優さんがアテているのもこのドラマを見るきっかけとなっていたのである("おかもとまり"と書くとべつの人になってしまうけど(ーー;)ひさしぶりにこの声聞いたな。花の子ルンルンやヤッターマンのアイちゃんもすっかりいいお婆ちゃんの声になってたよ)

たぶんすぐ再放送があると思うのでDLife映る人にはぜひお勧めしたい。今節ではいちばん面白かったドラマ。

「サイバー諜報員~インテリジェンス」1stSeason・・・DLifeで放送終了。本国でキャンセルになったのでこれで完結。

「LOST」のソーヤーことイケメンマッチョ俳優のジョシュ・ホロウェイ初主演ドラマにして脇役も「CSI」のマーグ・ヘルゲンバーガー等けっこう良いキャストを揃えていたシリーズだったけど本国ではウケなかったのかあっさり打ち切りとなったドラマ。ぼくは「600万ドルの男」を現代風にした基本ストーリーとヒロインのライリー(ミーガン・オリー←「ワンス・アポン・ア・タイム」で赤ずきん役を演っている個人的邪眼では今最も目つきの悪い美人女優( ̄。 ̄;) 常に「文句あんの?」と言ってるような挑戦的な表情が魅力的)が気に入っていたし、もう少し見てみたいと思っていたから残念だ。

ただちょっとだけそれも仕方ないのかと思えたのは主役のジョシュ・ホロウェイにあまり演技の幅がないところで、芝居のパターンが「皮肉言ってどや顔→ニヒルに微笑」とそればっかりなのがなんだい、ソーヤーのキャラと全く一緒やないかいと思えてしまって捻りがなく(それを意識した演出であったのかもしれないけど)正直彼がピンの主役ではちょっとしんどいかなと言うのもあったのかもしれない。


「アンダー・ザ・ドーム」2ndSeason・・・DLifeで放送中

うわ、新シーズン2話目で早くも脱落の気配濃厚だ( ̄。 ̄;)レギュラーキャストを入れ替える方法がこのドラマの内容だとこれしかない(要するに殺してしまう)というのは理解できるけど、これはあまりにも露骨なメンバーチェンジの方法だし物語の展開上としてもそうとうに無理があるよな。そのうえ新キャラを投入して見え見えな相関関係変更を計ろうとしているのも初回からずっと見ている視聴者の立場からしたら楽しいものではないしね。これはもうあと三回くらい付き合って改善がなかったらバイバイだな~・・・

「ブレイキング・バッド」・・・スーパードラマTVで全5シーズン放送。

上で「レザレクションが今節一番」とは書いたけどドラマのクオリティで言うとこちらの方が完成度は高い。何年か前にフジテレビNEXTで放送されていた番組だが、オンエアを継続するでなく扱いは中途半端だったので海外ドラマ専門のスパドラに権利が流れてきたのはありがたい話だった(これで無事最後まで見られる)

細かいあらすじは紹介サイトを見てもらうとして、ごくふつうのオサーンが自分の意に反してどんどん己の影が大きくなり、やがてその影に本体が乗っ取られるかのようになっていく(善良な夫であり市民であると自覚していたものが実は根っこの部分に邪悪な物が潜んでいたかのような)課程がじつに面白いのだ(この話の暫定イメージにはトクサツファンなら「ザ・カゲスター」を連想されたし←あまり参考にはならんが・・・)

それでこのドラマの旨いのは主役であるウォルター(ブライアン・クランストン←この人はこないだの「GODZILLA」にも出ている)はもちろんパートナーであるジェシー(アーロン・ポール)も含めたふたりの日常(家族や仕事等の「よくある世間の話」的なもの)がリアルに描かれていながら、麻薬ディーラーが絡む場面になるとがらっと日常性が吹っ飛んでしまうその起伏の激しい極端な切替が見事なところにあると思うのである。

しかも最初に書いたように人間のダークサイドが少しずつ少しずつ表に出てこようと(或いは入れ替わろうと)している様相を傍で眺めていることの恐怖と好奇心というか、それ見ていると1エピソードごとにどんどん抜けられなくなってしまい( ̄。 ̄;)気がつけばなんとも気持ちの良い底なし沼に足を踏み入れた気分に陥っているわけである。こういうドラマはちょっとめずらしい。

そしてこれは全5シーズンできっちり片付くしエピソードの本数も全部で六二話なので、一気に見ようと思えば見ることの出来る傑作ドラマでもある。ちょっとでも気になった人は今すぐレンタル屋に走るかスパドラと契約を。

※ブログ仲間の中ではHiroさんが同ドラマを絶賛されています。

あとストックされている現在視聴中のドラマは以下のとおり(感想は省略)

「メンタリスト」5thSeason・・・スーパードラマTVで放送中
「Grimm/グリム」2ndSeason・・・スーパードラマTVで放送中
「ワンス・アポン・ア・タイム」2ndSeason・・・BSプレミアムで放送中
「ウォーキング・デッド」5thSeason・・・FOX他で放送中

なお「ワンス_」はDLifeでも1stシーズンの放送がスタート。

Category: ◆映画は液晶前の指定席で=TVやDVD等で見た映画の話  

合掌している人を見て名前を想い出される主人公

日本シリーズ初戦ホークスが負けてショックが大きいので(T^T)現実逃避にブログ更新(ちゅーか書きかけでほったらかしたっだものを仕上げたに過ぎないが・・・)

先月スカパーのチャンネル変更で久しぶりにチャンネルNECOと契約した。園子温監督の「地獄でなぜ悪い」と「希望の国」を目当てに入れてみたのだけども、皮肉なことに同チャンネルで九月一番面白かったのは「快獣ブースカ」と「ザ・ハングマン2」という懐かしドラマだったという(ーー;)(けっきょく園監督の二本は自分にはあまりハマらなかった。どうも昔からこの人とは相性が悪い)

そして契約してから放送があるのを知った映画で、これまた何気に見たらめちゃめちゃ面白かったのが若山富三郎主演の「子連れ狼」である。6本あるシリーズを先月今月と二ヶ月にわたって全作オンエアしてくれたのだが、一本目の「子を貸し腕貸しつかまつる」があまりにもよかったので続けて全部見てしまったのだ。

○一作目 子を貸し腕貸しつかまつる(72) 監督:三隅研次
○二作目 三途の川の乳母車(72) 監督:三隅研次
○三作目 死に風に向う乳母車(72) 監督:三隅研次
○四作目 親の心子の心(72) 監督:斎藤武市
○五作目 冥府魔道(73) 監督:三隅研次
○最終作 地獄へ行くぞ! 大五郎(74) 監督:黒田義之 

僕はテレビでやっていた萬屋錦之介バージョンの「子連れ狼」しか見たことがなかったから、こんなに激しいアクションがあるとは意外だったし、タランティーノが本作を「キル・ビル」でオマージュとして使ったのも知識としては持っていたがこうして実物を見るのは初めてだったのである(全米では「子を貸し_」に続編の「三途の川の乳母車」を1本の映画に編集し"Shogun Assassin"のタイトルで公開されたそうだ)

錦之介のテレビシリーズがわりと辛気くさい印象があったのでよけいそう思えたのだけど、考えてみれば本作は東宝配給であるがスタッフは殆ど大映の「座頭市」シリーズのメンバーで占められているため(若山の弟である勝新太郎の勝プロがそのころのスタッフを集めたそうだが)雰囲気や世界観はそれとよく似ている。

特に一本目の「子を貸し_」は主人公の拝一刀が公儀介錯人の座を裏柳生に奪われたうえに妻も殺され息子のダイゴロウじゃなくて( ̄。 ̄;)大五郎と逃亡且つ復讐の為に流浪人となり、雇われ刺客を生業とし各地で大暴れという、その後のシリーズのフォーマットを決めた映画でもあったため見応えも満載。

二本目以降は切る相手と場所が変わるだけでほぼ同じパターンに陥ってはいたが、殺陣の見せ方や各の対戦相手(?)はキャラも多種多様、また使う武器のバリエーションもバラエティに富んでいて飽きるようなことはなかった。中でもビックリしたのは「機動戦士ガンダム」の中で見た"ジェットストリームアタック"がこの映画(「三途の川_」冒頭で)の中で描かれていたことで、なんとこれがアレの元ネタだったのかと驚いてしまったのだった(たぶん知ってる人はだいぶ前からわかっていたのだろうなあ)

六本全部一気に見て思ったことだけどこのシリーズの面白さの根幹は何と言っても一般的なチャンバラを超えたギミック殺陣とでも言うのか、いろんな仕掛けを用いてまるで時代考証を無視したかのようなアクションを見せていることにあると思うのである。そしてこの時代の映画では珍しい人体損壊シーンを異常な流血量と共に豪快に表現しているところも然り(派手すぎて全然残酷に見えないところが凄いし(ーー;)乳母車がもう隠し武器の宝庫みたいになっているのも笑ってしまいそうになるくらい)首や腕がすぽぽぽーん!と飛んで血がぶしゃーーー!と大袈裟なまでに吹き出るのはここまでダイナミックだともはや痛快。

それからこれは「座頭市」にも通じる部分だけれども、それぞれの立場で動いている者達の行動原理が"主君に仕えること"であると言った武士としての拘りや美学を優先順位に置いているために、ありきたりの正義感とか勧善懲悪のようなものは映画としてあまり描かれず、たとえば三本目「死に風に向う乳母車」でも敵役である加藤剛が道行く母娘をレイプした同じ藩の侍をお家の恥とならぬよう"処理"(どう処理したかは書かないけど( ̄。 ̄;)わりと酷いことしてます)してしまうシーンあたりに見ることが出来て、そのあたりが実にハードで男臭いのである。ぼくはこのシリーズのそこが気に入っているのだ。

それと全編に共通したキーワードである「我々親子は"冥府魔道"に生きる運命」という拝一刀(若山富三郎)の台詞がとてもカッコよくて、どこかで"冥府魔道"という言葉を使えないものかと意味なく思ったりもしている(←いったいそんなもんどこで使うねん??と言う気もしますが・・・(;゜ロ゜))






Category: ◆映画は液晶前の指定席で=TVやDVD等で見た映画の話  

ステアせずにシェイクしたアールエイチプラスで

イマジカBS9月吸血鬼特集感想のつづき。プロ野球のクライマックスシリーズに気を取られてほったらかしにしているウチにこんなに間が空いてしまった・・・。昨日のホークス勝利でやっと落ち着いたので、今のうちに更新しておくとしよう(日本シリーズが始まったらまた滞るかもしれんが)

「鮮血の処女狩り」(70)
「血の伯爵夫人」(09)


bell_.jpgこの二本は500年ほど前にヨーロッパで悪名を轟かせた大量殺人鬼・エリザベート・バートリの物語である。彼女の名前はガキの頃読んだ池田理代子の「ベルサイユのばら外伝・黒衣の伯爵夫人」で知ったのだけど、拷問器具として用いた"鉄の処女"(ベルばら版では美少年が微笑んでいるマネキンのような形で登場するが、実際はこのように「巨人ゴーレム」(または有名な宇宙人のイラストにも似ている)みたいなデザインだったらしい)というあまりに凄いそのネーミングがずっとアタマに残ってしまったのだった。その後にも別のオカルト系本で紹介された記事では「頭に角が生えていて、侍女にそれを研がせていた(ーー;)」とか読んだ瞬間ホンマかいなと思える胡散臭さ全開の(まるで殺人鬼ではなく妖怪まがいの)記述があったりもしたが、基本的には実在したと思しき人物のはなし。

こうして新旧同じネタの映画を続けて見ると時代的なモノもあるのかもしれないけどアプローチが全然違うので、別の映画が並んでいるように思えて面白かった。「鮮血_」の方はどちらかといと史実に相当なアレンジ(設定がドラキュラ夫人になっているとか)を加えた「ほんとはこわい○○童話」みたいな寓話の作りになっていて、汚れ無き処女の血を浴びるとおばちゃんエリザベートが一瞬にしてぴちぴちエリザベートへと変わってしまうあたりの描写は殆ど魔法。このへんは恐怖映画と言うよりファンタジー映画のような見せ方になっている感覚だ(しかもこのおばちゃんもぴちぴちねーちゃんも同じ女優さん(イングリッド・ピット)が演じているというのがけっこうスゴい)

※本作はmomorexさんのブログでも詳しく紹介されています。

これに対して「血の_」の方はそういうオカルト・妖幻的な描写は一切無く、おそらく史実にかなり近いラインで映画化がされているのではないかと思われるが、映画の中身も大量殺人鬼であるというその部分だけにスポットを当てず(それなりにゴアシーンは入っているけれども)いろんな才能と溢れるほどの情念を抱えたひとりの女性の希有な一生を描いた伝記のような物語となっていた。

このあたりは監督・脚本・製作・音楽・主演と八面六臂の大活躍だったジュリー・デルピーが女性監督らしい独特な感性で独自色を強烈に出していたのではないかと思うのである(またエリザベートの持つマルチな才能というのが自分と重ね合わせやすかったところがあったのもかもしれない)

本作はそういう酷いことをしてるヒドい女の話ではありながら(ーー;)なぜだかどこかで憎みきれない、ちょっと不思議なシリアルキラーの一代記だったというのが今回の感想だけど、この内容なら「吸血鬼映画」の括りで放送されるのはちょっと違うかなと言う気もしたな。


「処女の生血」(74)

こちらはカルトホラー「悪魔のはらわた」のコンビ、アンディー・ウォーホール(監修)とポール・モリセイ(監督)による妙ちきりんなドラキュラ物。「はらわた」が倒錯趣味丸出しのフランケンシュタイン映画だったのと同様、こちらはヴァンパイア映画史上最弱と思われるドラキュラを描いた奇妙な吸血鬼映画である。

なぜか昔から吸血鬼映画には処女の血にこだわるという不文律があって、それがどこから来ているものなのか不勉強な私には知る由もないのだけど、この映画は殊更それを前面に出してまるでブランド物を有り難がることがどれほどくだらないことであるかをメタファーとして語っているかのような、そんな風にも見えてしまったのだった(いやいや、これは勘ぐりすぎかもしれないが( ̄。 ̄;)見ようによっては処女と信じて非処女の血を吸ってしまい、激しく嘔吐し苦しむドラキュラの姿にそれらの事象が投影されていたのかもしれないと←ふつうの感覚で考えたら相手が処女かどうかなんてつまらん問題だと思うのだけどね)

しかし最初にも書いたけどこの映画くらい弱々しいドラキュラはかつて見たことがなかったなー( ̄。 ̄;) 本作に限ってはなんか吸血鬼より人間の方がやること酷いんじゃないかと思えないことも無かったし、全体の不思議なトーン(マジメにやりたいのか喜劇なのかと言う線がじつに曖昧)も相まってすっごい変わった映画を見たという気分にもなれますな。 

あと見たのは以下の三本だが、ここからは短くまとめ。

「ドラキュラ」(92)・・・公開当時ウィノナ・ライダー目当てで(「ヘザース」と「ビートルジュース」で彼女にハマっていたのだ)映画館へ見に行ったがそのとき以来の再見。

豪華キャスト(モニカ・ベルッチなんかクレジットも後の方)ですごいお金のかかった映画だとは思ったが、正直これのどこがドラキュラなの?と思ったあの時の感想と今回も自分の中でそれほど変化は無かった。原作に忠実に映画化されたということなのだけど、ドラキュラ本人のビジュアルがモデルであるヴラド三世の肖像画をモチーフにしているせいで、ぼくにはゲイリー・オールドマンがBBクイーンズのボーカル(近藤房之助)に見えてしょうがなかったのだ(実際これを最初見たときは「おどるポンポコリンか!」というツッコミが口を突いて出そうになったくらいで(°°;) 映画に乗り切れなかったのはそのせいだけじゃないと思うけど、どうも「なにかが違う」という違和感が最後まで拭いきれない印象で終わってしまった感じ。


「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」(00)・・・最古の吸血鬼映画と言われるサイレントの名作「吸血鬼ノスフェラトゥ」(22)の舞台裏が"実はホンモノの吸血鬼使ってましてん"という設定の( ̄。 ̄;)メタ・フィクション風デタラメ映画。こちらも長いこと見てなかったけど実はけっこう好きな映画だったのである。

アイディアとウィレム・デフォーの見事なヴァンパイアぶり以外これというセールスポイントは無い作品だけど(^_^;)映画を完成させるためならたとえ犠牲者を出そうとも、人ではない怪物が混ざろうともどんどん利用しようとする監督(ジョン・マルコビッチ)の姿勢がこの映画の一番コワイところ。

「ヴァン・ヘルシング」(04)・・・なんか今見た方が面白く感じたなあ(ーー;)10年前の映画だからCGに少しチープ感があったりして古さというのも多少感じてしまうけど、こういうメジャーなモンスターが勢揃いするのは今で言えば「アベンジャーズ」にも似たオールスター感があってとても楽しい。今さら遅いけど藤子不二雄Aさんの「怪物くん」実写化はどうせやるならこのノリでやって欲しかった。


と、こうして二度にわたって吸血鬼映画の話を書いていたら偶然にもまもなく「ドラキュラZERO」という新作ヴァンパイア映画が公開予定。この流れに乗って早速見に行くつもりである。


Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

わたしは猿になりたい

「猿の惑星・新世紀<ライジング>」を見てきた。

ちょうど少し前に金曜ロードショーで「創世紀」がオンエアされていたのをちらっと見たけど、あれからもう三年も経ってたんだな(ーー;) なんだかとっても早い気がしますわ。前作は劇場で見たけど最初は「なんで今『猿の惑星』なの?」という、おそらくは安易なリメイクに違いないという決めつけがあったためかすごく軽い気持ち(悪く言うとナメた態度)で鑑賞に臨んだのだけど、これがまあエライ骨太且つ娯楽要素満載のよく出来た映画で、上映終了時には思わずスクリーンに向かって「すんません」(m_m)と言いたくなるような作品だったのだよ。

そしてその続編である本作は前作から10年後という体で物語がスタートしたのだが、なるほどなと思えたのはPART2ものではありながら人間側キャストがすべて一新された関係で映画としての新鮮味がまったく薄くなっていなかったこと。そして人と猿が数の上でも立場としても殆ど対等になっていて、この段階ではもう"可愛そうな獣対利口な人類"の図式は消滅しており、どちらかというと人種(民族)間対立の様相を呈してきたという表現部分に映画的進化を感じるのである。

簡単に言ってしまえば今回は完全な戦争映画をやっているわけだけど、本来戦争というのは「正義と正義がごっつんこ」な状態なワケでお互いが「正義は我にアリ」と思っている以上どっちが正しいなんてのは結局のところ傍観者サイドは誰にもわからない。そういうのをリアルにやろうとするとたとえばスピルバーグの「ミュンヘン」のように、どちらかのグループだけに対して感情移入していくのは難しくなるものだけど、この「新世紀」を見ているとどれほど人間側にいいヤツがいようと気分としては(少なくとも僕個人は)猿サイドに気持ちが流れてしまい、最後まで彼らの目線で物語を追いかけてしまったような気がするのだ。

それはなんでかなって後から考えたら「新世紀」の中では猿の方が人間らしく、人間の方が獣じみた行動を取っていたように見えたからだろうと思っていて、例えば猿側の反対分子となるコバの言動も根底にあるのは「シーザーへの恩」と「同族を自分が守らねば」という考えであり、結果的に裏切り行為へと発展してしまったのは無垢な反逆が大事になってしまっただけではなかったのかと。

だからコバがシーザーと揉めた後で息子のブルーアイズに「これからはおまえがシーザーを守ってやれ」と言ったのはおそらく本心からだっただろうし(尚且つリーダーの器でない物がそれを手にしてコントロール出来なくなった、最後は持て余した権力に酔っぱらったような形でああいう顛末になったと僕は思うのだ)彼の行為に計画性やシーザーに対する憎悪のような物はあまりなかったと僕は思っているのである。

そうした猿たちの会話や動きを見ていると何から何までが人間くさく、そしてアツイ。対して人間側の方は統率がバラバラでこの期に及んでもまだ自分たちが地球の支配者であると思っているし、こうなったのはすべて猿インフルエンザ→猿が元凶だという短絡思考の持ち主がわんさか。マルコム(ジェイソン・クラーク)のような思慮深いメンバーもいるが大概はカーヴァー(見た顔だと思ったら「フリンジ」のカーク・アセヴェドだった)のように粗野で近視眼的な生き方しかしておらず、ほぼ知恵のある野蛮人扱い( ̄。 ̄;)

映画中盤からはもう完全に猿たちの立場に立って映画を見ていたし、大袈裟に言うとシーザーの部下になって猿として生きるのも良いんじゃないかと(^_^;)そんな気分にもなっていたな(それでも終盤にシーザーがかつて住んでいた家で飼い主のウィル(ジェームズ・フランコ)と過ごした頃のビデオを見る場面は「ひょっとしたら人と猿は共生できるんじゃないか」と一瞬思わせてほろっと来たし(T_T)と、同時にいったん動き出した戦争がそんな簡単に終わる物ではないという空しさと悲しさも同居していて、ここはすごく良いシーンだったと思うのだ)

それから映像面の話で言うと廃墟と化した街並みのVFXがもう現実としか思えないほどリアルなのと、猿たちの動きや表情とかも同様にCGでここまで動かせるのはほんとに凄いと思ったな(ーー;) オリジナルの「猿の惑星征服」や「最後の猿の惑星」がコスト削減のために脇役猿のマスク原型が全て同じだった事を思えば、この進化した最新ビジュアルだけでも見に来た値打ちはあった(ディック・スミスのような第一人者が亡くなったばかりだけど映画の中の特殊メイクという技術も今後はどんどん無用の長物になってしまうのだろうかね←その反面シーザー役のアンディー・サーキスみたいなモーションアクターの需要はどんどん高まっていくのだろうなあ)

そんなわけで僕個人は「創生期」より今回の「新世紀」の方を僅かに気に入っているが、今から見に行こうと思っている人で前作未見の人はまずそちらを先に見ておきましょう(見てなくても話はわかるけどより楽しむために)

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