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You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりとゆるく綴るブログ

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Category: ◆映画は六畳間の指定席で=TVやDVD等で見た映画の話  

疾風の如く二人去って行く緑の仮面

ここ三ヶ月くらいあんまり家で映画を見ることが無くって(暑さで集中力が続かんかったのだろうね(~Q~;))気がついたら海外ドラマと特撮テレビばかり(あとたまに怪獣映画(^◇^;))という感じだったのだけど、そんな中少ないながらも何本かは見た映画があるので今回は纏めて感想を記しておく。

「ホルテンさんの初めての冒険」・・・U-NEXTで配信されていたのを見た、ひじょーに珍しいノルウェー製の映画。話自体は簡単に言うと「定年デビュー」(「高校デビュー」などと同義)もの。それまで判で押したようなルーティンの毎日を過ごしてきたホルテンさんが仕事を辞めた後、いったい自分はこれからどう生きていけば良いのかと自問自答していく姿をコミカル且つほのぼのと描いていく映画だと思ったけど、なにせお国柄というのか国民性というのか、そのあたりに馴染みがないのでここで表現されている事象が本当にこの国の気質なのかどうかまではわからなかった( ̄▽ ̄;)(映画通りだとしたらけっこう暢気で警戒心の薄い人が多いのかなという感じではあるが、たぶん相当なデフォルメも含まれているのだろう。凍結した路面を歩かずに真面目な顔して尻で滑っていくとか「これギャグなの?」と思ったけど)自分も50歳になった今、同じくルーティンワークで働く勤め人としては人ごとでは無い気分の映画でもある。定年で職場を去るときは劇中のホルテンさんのように解放感を一杯感じて辞めていきたいですわね。


「ピクセル」・・・スターチャンネルでのオンエアを見た。劇場で予告を見たときはもっと笑える映画だと思ってたのに、爆笑ポイントって殆どなかったような気がしたなあ。劇中に登場するゲームにしろ、ヒーローになるかつてのゲーム名人達の年齢にしろ、自分の世代どんぴしゃな筈なのにあんまり共感できるような要素もなかったし、喜劇としての弾け方が中途半端だったようにも思えた。

これだったら古い映画になるけどシューティングゲームのチャンピオンを宇宙戦士として召喚する「スターファイター」の方がまだ燃えたし、ゲームのステージを地上じゃ無くて空中でドローン飛ばしてやるとか(ちゃんとステージ(ゲーム面)をレーザーで表示するなどして、コントローラーは地上から操作←見た目はゲームセンターの本体そのままで)リアルに車使うんだったらパックマンじゃ無くてラリーXでやった方が良かったような気はするが、とにかく全編それほど笑えない映画(ーー;)(VFXはなかなかスゴかったけどねー)


「グリーン・ホーネット」・・・Huluで配信されていたのを見た。いやー、これは酷かったなー・・・( ̄。 ̄;) チャウ・シンチーがカトー役を断ったと聞いた時点でなんとなくこうなることは予想できてたから公開当時も観に行くことをしなかったのだけど、製作サイドはどういう意識でこの映画を作っていたのか本当に膝つき合わせて聞いてみたくなった。アクションをやりたいのかコメディをやりたいのか全く以てどこまでも意図が伝わらないのである。我が輩オリジナルの「グリーン・ホーネット」は再放送で見たクチだけど、もうハッキリ言ってドラマなんか全然眼中には無く毎回どれだけブルース・リーが活躍するかと言う点だけを楽しみにして見ていたのだ。残念ながらこの映画版にはその一番大事なカンフー要素が殆どなく、ただのクズにしか見えない主演のセス・ローゲンと併せてジェイ・チョウのカトーも完全に役不足。代役がジェット・リーならもっと見られた物になっただろうに(今後本作がミシェル・ゴンドリー監督の黒歴史にならないかと心配だ。割と好きな監督だったからよけいそう思ったなー)


「HK/変態仮面」・・・Netflexで配信されていたのを見た。私は原作を未読なのでどの程度映像化が成功/失敗していたのかはワカラナイのだけど、正直事前に予想していたよりかなり楽しい映画だったと思っているのである(オープニングのマーベルロゴのパロディがみょーにオカシイ)なんと言っても変態仮面を演じた鈴木亮平なくしてこの映画は成立しなかったのではないだろうか。こんな爽やかに変態的な台詞を淀みなく喋る役者さんはなかなかいないよね( ̄▽ ̄;)

敢えて書いてしまうと本編の七割はくらいはどうしようもないバカバカしさで溢れかえっているのだが(それが原作漫画の味と言われればそうなのかもしれない)彼が登場するとそこだけはヒーローの絵としてバッチリ決まっているのが面白く、そしてカッコイイのだ(あんな姿をしていながら(;゜ロ゜))これはもう是非続編の「アブノーマル・クライシス」も見ておかねばといかんでしょうなあ。あと意外と言ったら怒られるけどエンディングテーマの♪Emotions♪がめちゃめちゃ良くって、我が輩最近この曲ばっか聴いてるような気がするのである(左下動画参照)

で、ほかにも何本か見てるけどまだ鑑賞途中のヤツもあるんで続きはまた次回(今は「ホドロフスキーのDune」を視聴中。これはなかなか見応えあるドキュメンタリー)

 
Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

ここで河童の大怪獣映画を撮れば良いのに

IMG_1411.jpg高知旅行二日目のはなし、の前に前回書きそびれた「空想特撮映画特集」の感想追記。

入館したときから少し気にはなっていたのだけど、過去二回の催しでは上映の待ち時間に音楽をかけていて(主に当日上映作品のサントラや伊福部先生の名盤「SF交響ファンタジー」なんかを)それが鑑賞前の気分をぐっと盛り上げてくれていたのだ。

なのに今年はそれが一切無くホールの中は人も少ないせいで妙に静かだったのが高揚していた気持ちをやや削がれた感はあったような気がしている。

こういうイベントじゃ雰囲気作りというのも大事な要素だと思うし、そこは細かい気配りがあっても良かったかと思うのである(アンケート用紙にはまずそのことを書いておくべきだったよ・・・)

ちゅーことでここからが本題。二日目の28日は朝から四万十の方まで足を伸ばし海洋堂ホビー館四万十へ行ってきたのだった。ここを訪れるのは五年ぶり二度目となるが、以前はなかった施設が増築されてて展示物の量も増えていたし何よりこら自分のための企画展ちゃうの?とポスターを見て小躍りした「海洋堂造型怪獣総進撃」なんてのも期間限定で開催されていたのである(行くまでこんなんやってるのぜんぜん知らんかったし(__;))

前回海洋堂ホビー館四万十へ行ったときのはなし

とりあえず以下に現場写真を細かく貼り付けてみたけど、一枚あたりのサイズが小さくなりすぎてこれではよくわからんな・・・(ーー;))
kaiyo_201608281949583f4.jpg


他にも漫画を大量に常備した休憩所兼読書スペースもあり、あれなら長時間滞在することも可能。私たちはオープン時間(10時)に併せて現地入りしたのだけど既に駐車場には車が何台も駐まっており、中に入れるのを待っているお客さんが何組も待機中。さらに開場してからはどんどん車が入ってくるし、未だ人気は衰え知らずという感じではあった。

中を隈無く見学してからホビー館を出て、途中立ち寄ったのはホビー館から1.5キロ離れたところに建っている海洋堂カッパ館というところ。高知では昔から「えんこう」と呼ばれるカッパの伝説があるそうで、ここはそれをネタにした(と言ったら語弊があるけど( ̄▽ ̄;))カッパだらけの1テーマ美術館と言った体の施設なのである。中には1300体(すげー(゜Д゜;))とも言われるカッパの造形物・イラストが所狭しと展示され、小指程度の人形から一分の一スケール(?)の特大鉄製オブジェまでありとあらゆる「かっぱアート」が飾られている。ご丁寧にも建物の外にはチェーンソーで作られた木製のカッパ達がそこら中でホントに遊んでいるかのように点在し、ずっと見学していると中には一匹くらい本物おるんちゃうの?と錯覚を起こしそうになるくらいだった(^◇^;)

参考サイト 1
参考サイト 2

帰り際に思わずココ発信でカッパの大怪獣が出るような映画をどこかで作ってくれんかなーと夢想したりもしたが、プロがダメなら今日本全国でやっている「全国自主怪獣映画上映会」をこの地で開催してカッパ縛りの映画ばかりを集めてみたらどうだろうねー(イベント終了後は展示の一環として何本かはいつでも見られるようにして残しておくとか)ハリウッドがタートルなら日本はカッパで勝負だ!となれば面白いのだけど・・・

ホビー館と併せて見学に行けば冗談抜きで半日は遊べる施設だと我が輩は思いましたなあ。自分のように特にフィギュア買ったり集めたりしているわけではなく、カッパにさほど思い入れが無い輩でも( ̄。 ̄;)楽しめるゾーンになっていました。高知方面行く人は要チェックであります。


Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

実は大魔神も登場した高知

と、言っても自主映画の中での話だけど(アマチュア8ミリ特撮の「大魔神復活」と言う映画。これを作った方は高知ご出身でその前はラドン風怪獣が高知を襲う「大怪獣ゼラン」というのも撮られていて、こちらは30年以上前に高知新聞会館で開催された「アマチュア特撮映像の世界」で上映されたのを見ている)このように何かと特撮モノにうすく(?)縁のある高知県へこの27/28日と一泊二日の夫婦旅行に行ってきた。初日の昨日は午前中家内の希望で県立美術館のガラスアート展をお付き合いで見学し、午後からは我が輩の希望で同じ美術館大ホールにて開催中の「空想特撮映画特集」を見てきたのであった。

以前の記事でも書いたように同美術館でこの手のジャンル映画大特集は三年連続となる。本当なら午前中は「地球防衛軍」と「宇宙大戦争」という東宝特撮SF映画の古典も上映されていたので、そちらも併せた四本立てで楽しみたいと思っていたのだが、今回はあくまでも夫婦旅行であるとの前提があるため我が輩ひとりの我を通すわけにも行かず、そちらは泣く泣くスルーすることになってしまったのである(T^T)

そんなわけで昨日は午後からの二本立てを見てきたのでその簡単な感想と、本イベントに対する諸々の雑感等をセットにして綴ってみようかと思う。
kochi.jpg

※上左写真は高知県立美術館の案内。右はホールに展示されていたゴジラ・ポスター展の一部(今年ゴジラシリーズの上映はプログラムに入っていないのだけど(ーー;))


「宇宙大怪獣ドゴラ」・・・東宝特撮映画黄金時代の"単独主演怪獣モノ"としてはおそらく最後の一本になるのではないかと思うのだが、一枚看板の新怪獣登場を謳っている割にドゴラ自体は画面に姿を現して大暴れをすることもなく、触手の一部や細胞片をチラチラと見せてあとは天変地異のような描写を挟むだけという、あまり怪獣カイジューしてないところが個性的と言えば個性的。

むしろ路線とすれば「妖星ゴラス」のようなSFディザスタームービーと捉えた方が見ていて座りが良く、ダイヤ窃盗団と警察との追いかけごっこを中心にした軽いタッチのドラマ部分もコメディ要素が相当に含まれており、あまりにも豪快で意表を突いた( ̄▽ ̄;)ドゴラ撃退の解決策と相まって肩の凝らない娯楽映画に仕上がっているのが楽しい。また悪女側ヒロインの若林映子さんがなんといっても魅力十分。我が輩は「三大怪獣」のサルノ王女より、コッチの方が気に入っている。


「キングコングの逆襲」・・・本作は二年前に京都みなみ会館のオールナイトで見ているのだが、そのときは半分くらい寝ていたのであまり参考にはならないかと思っていたけど、全体の印象としたら今回もさほど変化は無かったかもしれない(^_^;)(特撮シーンについては今回もそのとき書いた記事と同じ感想)

メカニコングが北極でエレメントX掘削中アクシデントで活動停止した後、ドクター・フー(天本英世)が部下を集めて「どーして失敗したのか?」と突然反省会を始めるところはやはり笑ってしまったし(^◇^;)(←まだ映画始まって15分くらいなのに)本作で"コングの恋人"をつとめるスーザン役リンダ・ミラーのフトモモがやたらと気にもなり、現在の視点で見直すとまるで北朝鮮の工作員に見えてしまうような浜美枝の悪女ぶりもとにかく最高(考えてみるとこの日私が見た二本で悪女側ヒロインを演じているのは元ボンドガールのお二人という)

img004.jpgと、このように映画そのものは二本とも十分満足できたのだが、残念ながら今年のセレクトが少々渋めのラインナップだったせいか、昨年一昨年に比べてあきらかに動員が落ちていたのに少しガッカリしてしまった(最前列に座っていたので途中振り返って客席をチェックしてみたが、ざっと三~四割程度の埋まり具合。数で言うと5、60人程度か)

今年は初日の午後からしか参加できていないので昨日の午前中、或いは今日の午前・午後の客入り状況は不明ながら、あれだとどの時間帯も苦戦しているのでは無いかという予想は立ってしまう。

それなりのバリューあるプログラムを用意すれば去年くらいの動員なら直ぐ戻せると思うし(考えてみたら「シン・ゴジラ」公開中のこの時期にどうして一本だけでもゴジラを入れなかったのか、このタイムリー性の無さに今年苦戦したすべての原因があるような気がするなあ・・・)今後編成を再検討する必要は大いにあるだろう。

最後に提出したアンケート用紙にも目一杯( ̄▽ ̄;)希望を書いてきたので、なんとかそこいらの声を拾ってもらい主催者の方々は「もうトクサツカイジュー物じゃダメだ」などと思わないようにしていただきたい(せっかくの良い企画で来場者も少しずつ増えてきていたのだから、これで来年は止めるということにはならないでもらいたいのだ)

次回は「ガメラ」で二本、「大魔神」で二本とか、または以前みなみ会館で出来なかった企画「人類絶滅ナイト」の候補だった「世界大戦争」「ノストラダムスの大予言」新旧「日本沈没」とか、そのあたりを集めてみても面白いと思うのだけど。

とにかく翌年もこの企画上映が高知県立美術館で開催されることを信じて次の夏を楽しみに待ちたいところである(そして高知遠征話はこのあともまだ続く・・・)

※同じ日にこの上映会に参加された高知在住のお仲間特撮ブロガー・ウスラバさんの当日レポ。

ここからはウスラバさんへの私信になりますが、私の探し方が悪かったせいで今年もご挨拶をすることが出来ず申し訳ありませんでしたm(__)m 次回開催時には捲土重来を期して徳島より再々出撃いたしますので、その際は宜しくお願いいたします。


Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

誰もいなけりゃ泣くことも出来ない

ここ数年お盆がまったくのカレンダー通りの勤務になってしまい、いわゆる「夏休み」というものが一切無かったせいでこの時期特有のざわざわしたゆるい気分(年末年始にもよく似たアレ)を今年もまったく味わうことがなかったのだけれども、それでも帰省していた旧友と飲みに行ったり飯食いに行ったりみたいな事だけは最低限出来たのだった。そのときの話の中で「シン・ゴジラ」を見た人間が私を含めて4人居たのだが、満足派が私と他一名の計二名。そして否定派が残り二名という状況だったことが判明(もっともそのうちの一人はゴジラを着ぐるみ処理しなかったことに憤慨していただけで、映画自体は良かったと言っていたのだが。もう一人はゴジラが動かないのがつまらんとか、会議ばっかで退屈だといたくご不満だったようで)それにしても、たった4人のグループで意見が真っ二つに分かれたのはなかなか面白いなと思ったなあ(おそらく「シン・ゴジラ」に関しては日本全国でこうした反応が起こっているのだろう・・・)

そのシンゴジ余波でここ最近私が見ている物と言えば旧作ゴジラシリーズばかりになってしまい(ーー;)今月日専Chで放送中の「モスラ対ゴジラ」「三大怪獣地球最大の決戦」「ゴジラ対メカゴジラ」「ゴジラVSキングギドラ」とHuluで配信中の「ゴジラ・ファイナルフォーズ」「ゴジラ(84)」なんてのを中心に色々と見返していたわけである。日専Chでは本編放送前後に「ゴジラ・ファーストインパクト」という企画を設け、それぞれの作品に対して「ゴジラとの初めての出会い」という思い出をゲストに語ってもらおうというモノが放送されていた。人選がよくわからないところはあったものの( ̄▽ ̄;)各自がけっこう熱くゴジラの思い出を語ってくれたのは聞いていて楽しくなったし、その瞬間だけは彼らに"同胞意識"のようなものも抱いてしまった気がする(特に好きなメンバーというわけじゃ無かったんだけどね( ̄。 ̄;))

さて、せっかくなので(?)自分にとっての「ゴジラ・ファーストインパクト」は何だろうという話も書いておくと、やはりなんと言っても我が輩の映画館デビュー(生まれて初めて映画を映画館で見た)でもあった「ゴジラ対ヘドラ」(71年)になるだろう。当時はわたくし5歳、前後の私生活の記憶などナニも残っていないが(ーー;)この日見た「ヘドラ」はきょーーれつにアタマに残っていたのだった。もっともそのときはストーリーがあまり頭に入ってこず、ハッキリ覚えているのは「ヘドラが怖い」「猫がかわいそう」と言った断片的なものでありながら、幼児に対しての刷り込みとしてはこれ以上無いくらいのインパクトがあったと思うのである(アングラバーの階段に意思を持ったヘドロが進入する場面とか、麻雀に興じていたおっちゃんらがヘドロの海で溺死するシーンとか夢に出そうなくらい本気で怖かったし(゜Д゜;))もう、エラいモン見たなーという感じで。

20160822.jpg当時私よりもう少し上の世代の人たちはこの映画の中でゴジラが突然空を飛ぶという描写に愕然としたらしいが、その場面の記憶はなぜか欠落しており、のちに朝日ソノラマの「ファンタスティックコレクション/特撮映像の巨星 ゴジラ」(78年に出されたアダルト対象のムック本)という本を読むまでそのことがあったことすら忘れていたほどだった。

そして同時期に出版された「大特撮」の中でも本作はかなり酷評されていて、あらー、やっぱり大人が見たらつまんない映画なのかなと少しガッカリもしたのだが80年代後半に発売されたビデオをレンタルで再見した際、あ、なんだ、やっぱり面白いじゃ無いかと一気に自信(?)を取り戻したのであった。

これはおそらく我々の世代が持つ怪獣に対する認識が旧世代の人と少し違っていたからだと思うのだが、物心ついた頃から既に廻りでは様々なヒーロー番組や怪獣番組に囲まれて育っていたわけでゴジラに対しても「54ゴジラ」のような反戦・反核のテーマから生まれたものだという意識は欠片も持って居らず、単に「正義のカッコイイ怪獣」と言ったイメージしか抱いてなかったと思うのである。なのでこの映画の中でゴジラが飛んだりするのも私たちにとっては些細な問題でしかなく、だからこそ初見時に印象に残らなかったような気がするのだ(そりゃたまには飛ぶよね(-.-)y-~~くらいの至って軽いノリで)

そしてオトナになってからあらためてこの映画を見直すと、今度は子供向け映画の中で堂々と公害という社会問題をド正面から扱っていることに感心するのである。しかも「人間が公害とともに生み出したヘドラ」を人間の力でははどうすることも出来ず、それを倒すことが出来るのはけっきょく「人間が核と共に生み出したゴジラ」だったという、毒を以て毒を制すかのようなものすごい皮肉な構成になっているのがなんだかスゴいなと思ってしまったのだった。

今見ると映像面でもかなり斬新な事をやってて(アニメーションの導入やイメージカットをマルチスクリーンで映したり、ヘドロの海には腐った魚等の「本当のゴミ」(ーー;)を使ってみたり、はたまた普通に主人公がラリってサイケな幻覚見たりと言った)ここまで前衛的な怪獣映画はおそらく世界でも珍しいのではないかとも思うのである。

そんなわけで私にとっての"ゴジラ・ファーストインパクト"だった「ゴジラ対ヘドラ」はガキの頃から今に至るも常にその時その年齢によって感じ方の異なる一風変わったゴジラ映画でした。「シン・ゴジラ」で新しい感動を得た今こそ見返してもらいたい古の作品でもあります。

・・・なんてことを書いていたら「ゴジラ対ヘドラ」の監督である坂野義光さんが以前電子書籍で出版していた「ゴジラを飛ばした男」が改訂版として紙で出版されることになった。昨日届いたばっかでまだ全部は読んでないけど、この本と「特撮秘宝Vol.4」のヘドラ特集を読んで、それから本編(DVD)を見ると(HuluとAmazonプライムビデオでも配信中)私が言わんとしていたことが多少わかってもらえるかも?と思っているが( ̄▽ ̄;) 興味ある人は是非三点セットでご覧くださいませ。

 
Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

あの唇ですべてを許そうではないか

少々出遅れてしまったが先週8/2火曜日20時からの最終上映で「シン・ゴジラ」を見てきた。


IMG_1347.jpg普段から普通の人以上にカイジューだトクサツだと喧しい私が初日(7/29)に行けなかったのは残念としか言いようがないのだけど、結果的にはまあまあ良い席でゆっくり見ることが出来たので良かったなとは思っている(しかも当日は妻を伴って人生初の「夫婦50歳割引」を適用しての初鑑賞。これがシンゴジになったのはなんて自分らしいんだと(^_^;))

この日は夏休みとはいえ平日のレイトでサービスデーでもなんでもなかったが、それでもシネサン北島では二番目に広い部屋(約二七〇席)の半分以上が埋まっていて、ヒットの実感というのか「シン・ゴジラ」が我が輩のような特撮ファンだけではなく一般層にもアピールして観客動員を上げていることにとても嬉しくなってしまった(公開一週間で観客動員数が100万人を突破したとのこと)

さあそれでさんざんっぱら心配していた中身はどうなんだいと本編を見たのだけれども、最初に今の東宝マークに続いて昔の東宝マーク(おそらく昭和ゴジラの時のモノ)を出してみたり、「シン・ゴジラ」のタイトルロゴが「54ゴジラ」と同じでそのバックに初代ゴジラのずーん!ずーん!という足音が被せられたりしたのはある種サービスというか(^_^;)古参の怪獣ファンへの気を遣った対応なのかな?くらいのことしか感じられず、なんだよやっぱりマニア向けのオマージュパクリ大全になってしまうのかよと軽い落胆を覚える出だしだったのだが、映画始まって3分もすると「あ、違うなこれは」とその意識は直ぐに切り替わってしまったのだった。

当然ながらネタバレに繋がる細かいことを言うつもりはないし、言いたくもないので(その辺を知りたい人は明日にでも映画館へ行きましょう)ものすごい大枠なところで話をさせて貰うと、これは過去にあった内外31本のゴジラ映画どれにも属さないオンリーワンな現代ゴジラ映画であったと言うことである。人によっては元祖「54ゴジラ」に準じたテーマ性を(例えば今の日本が置かれている国際情勢や311/熊本の地震災害、そして放射能問題その他)旗頭に掲げている映画だと捉える向きがあるかもしれないのだが、私はそのすべてを後付けだと思っているし、どちらかと言えばもっと単純に「ゴジラが出ました!さーどーしましょー!」だけで走り抜けた良い意味でゲーム感覚あふれる映画だったとも思っているのである。

そしてその上で先に書いたような現実の事象から逸脱しないようなビジュアルをきっちりと用意して従来の怪獣映画が持っていた都市破壊のカタルシスではない、我々が311等で目にしたような残酷で悲壮な都市崩壊の様をリアルに再現して見せていく事に徹しているような気がしたのだった。そのことによって荒唐無稽でしかない"カイジュー"の存在がとんでもない"超・災害"としてより悲惨なモノと化しており(この災害扱いという点のみ、やや54ゴジラを彷彿とさせるが)そうした状況下で行われる所謂「東宝自衛隊」的な特殊新兵器を有さない自衛隊や米軍との戦いも過去のシリーズでは描かれたことの無い現実味のある描写だったはずなのである(エメリッヒ版ゴジラではそれに近いことをやっているが、アレはやっぱり大きなトカゲを捕獲する話だったので(^_^;)そこはちょっと違うかなと)

そうした「ホント(に近い)の帝都防衛」に徹した結果、難攻不落な怪物に対し為す術がなくなってしまった我々日本人の絶望感というのはとんでもない生々しさが渦巻いていたと思うのである。そこいらの雰囲気作り(と言うと軽い印象を与えてしまうが)を構築していくのに余計なドラマ的描写(日本映画の大好きなお涙頂戴や山崎邦正ばりに大声を叫ぶだけで観客の感情を揺さぶろうという姑息な演出等)をインサートすることなくほぼ映像だけであそこまで持って行ったのは見事だとしか言い様がなかったし、正直この映画をナメていた自分を怒らなければならないと(ーー;)思ってしまったほどだったのだ。

その反面人間側の対応がどうだったかと言えば映画の中で展開されるのは政府の中だけという徹底ぶりで、そこに市井の人々は被害に遭うか避難するかだけで細かい生活などは一切描かれておらず、私が上で書いた物語構造の単純さというのは本当に顕著に出ていたと思うのである。また、劇中交わされる会話のすべてが早口で(しかも殆どが状況説明)処理されているのも敢えて観客サイドに情報の垂れ流しを行い、TwitterのTLのような状態を生み出していたのかなと思えなくもなかった。そこから情報を取捨選択してして最後には「ああ、なるほど」という流れに持ってきたのは旨いやり方だと感じたし、あれだと科学考証が正しいかどうかなどと言うことはまったく気にもならず納得できたような気がするのだ(物凄い難しいわけワカラン専門用語を絶え間なく喋り続けていたが、見ているこちらは最後に「なんとなくわかる」ようになっている( ̄▽ ̄;)ここが旨い)

と、ここで少しトクサツ面だけで語らせて貰うと私は当初からゴジラをCGで処理するのか着ぐるみで登場させるのかというのは特に問題視してなかったのだけど、あのCGの見せ方であれば全編の8割方(後半の白昼場面では若干雑な箇所もあったのと、引きの絵の時にゴジラが殆ど突っ立ってる様にしか見えないカットもあったので、そこだけは惜しかった)は期待以上のクオリティだったと思えたし、これなら一昨年のギャレス版「GODZILLA」にもひけは取らない出来だと言えたのではないだろうか。

CpUEVPZXYAADfSS.jpgなかでも実景の中にゴジラが居る特撮怪獣ファンの大好きなカットなどは旧作の合成シーンと比べても絵空事感の薄さというのが突出しており、特に予告でも流れていた距離を取って行われる自衛隊の砲撃シーンなんてのはこれって記録映像ちゃうの?と言いたくなるほどのリアル感で、まじめな話来年の自衛隊員募集ビデオとして採用したらどうかと言いたくなるくらいのかっこよさだった(ポスターには「君も我々と一緒にゴジラと戦おう!」と書いて)※右画像参照

それからそのギャレス版「GODZILLA」の時に最大の魅力だった怪獣の巨大感というのはシンゴジの中ではさほど感じる事が無かったのだけど、逆に距離の近さというか直ぐ側をゴジラが通り抜けていく怖さというのはアレ以上だったと思うのである。私が感心したのは確か車からの主観映像だったかな?進行するゴジラを併走して追い越すかのように下から見上げたカットがあったと思うのだが(これも一回確認したいなあ)あそこのドキドキ感(いつ振り返ってやられるかも?的不安)というのは命がけで避難している人たちの心情がこちらにダイレクトに伝わってきた。こんな切迫した気分をゴジラ映画で味わうのはおそらく初めて。

それで思ったのは「日本沈没」(2006年版)で樋口監督(私の勝手な想像だけど今回樋口さんは特撮メインの本編サブみたいな役割だったのでは。あと庵野さんと他スタッフとの"調整役"的なこともやってたのかなと)がホントにやりたかったのはコレだったのか?という想像と、そこに同じく樋口さんが手がけた「MM9」をスケールアップさせたモノを足し込んだ映画を目指していたのかな?という事も夢想してしまったのだった(「怪獣対お役所」という構図は同じだし、映画全体がその二つの要素で満ちているようにも感じたな)あとは以前私がこのブログで書いたシンゴジに関する期待(※昨年4月の記事)に近い線で仕上がったのは観客として心から満足している。

キャストの方では実在する政治家とみょーに似ている閣僚メンバー達(甘利さん激似の中村育二と小池さんモドキの余貴美子。それと本物の政治家経験者である横光克彦が居たり)が可笑しかったのと、さらにその上を行くオカシサだった石原さとみの芝居に最初はどうしようかと困惑したが( ̄。 ̄;)あれだけ廻りが濃いメンツだらけではこれくらい極端なキャラじゃないとせっかくの綺麗どころヒロインが埋没してしまうと言う心配もあったのではないか。そう考えるとこうしていろんなところでなんだかんだと俎上に上がるのは制作サイド/演者本人も望むところだったような気もしているが(実際画面映えはしててべっぴんさんであるのは一目瞭然。我が輩は彼女のテラテラした分厚い淫靡な唇が画面に映った瞬間、もうそれだけですべてを許せる気分に陥っていたのだった( ̄。 ̄;))

と、いうことで私はこの映画に関しては決して掛け値なしの傑作とまで言わないけれども(今回は敢えて不満点をスポイルしたような記事を書いているつもりだが唯一残念だったのは音楽の使い方で、伊福部先生のスコアをかけるのは別に良いのだがTPOを無視しすぎたきらいはあったような気がしているのである。「シン・ゴジラ」サントラに収録されている♪ゴジラ上陸(「54ゴジラ」からの流用曲)は素晴らしく画面に合っていて最高だったけど、それ以外のマーチ系になるとそこまでのリアルな空気感が一瞬にして「いつものご陽気な東宝特撮映画」のそれになってしまい、なんだか勿体ない使い方だなと強く思ってしまったのだ。好きだからこそ余計にそう感じるのだが、あの辺の曲はエンドクレジットだけに纏めるべきだったよ)とことん意欲的な新しいスタイルのゴジラ映画だったとかなり好意的に受け止めている。

この映画を否定的な声の中にはなんだよけっきょくパトレイバー(なんだったっけ、「廃棄物13号」だったかな?)やんか、エヴァやんかと揶揄する意見もあるけれども、庵野「総監督」の作家としての個性がきょーれつに前面に出ていたという点に於いて"庵野秀明のゴジラ"としては完璧な出来だったと私は本気でそう感じたし、2本目はあり得ない一発勝負のゴジラ映画でもあったなと思っているのだ(続編をやれないことは無い終わり方だけど私はもう庵野さんがやるべきではないと思う←これは「やりきった」という意味で)

そこで今後もしゴジラがシリーズ化していくなら以降は個性の異なるいろんなジャンルの監督(と、その子飼スタッフ)を毎回チェンジして一種のアンソロジー的な連作として作って行ってくれたら嬉しいのだが、たとえばそこには園子温が来たって良いし私は好きじゃ無いけど宮藤官九郎とか是枝裕和、或いは吉田大八でも細田守でも良いだろう。

繰り返しになるがとにかく次作以降については安易な続編などをやらず作品ごとに違うゴジラを作り上げていって欲しいと私は期待しているのである。たぶん絶対無いと思うけどたとえばキワモノ扱いの福田雄一や井口昇と言ったところを呼んでゴジラと9人の巨乳サイボーグを戦わせる「ゴジラ対プレイガール009(仮)」とか(ーー;)、三池崇史を起用した荒唐無稽な時代劇「ゴジラ対猿飛佐助(仮)」みたいなのを言った者勝ちのノリでどんどん進めていってもらいたいなと妄想しているのだ。

ともかくこんな私の能書きなどは無視して( ̄▽ ̄;)未見の人には是非劇場に足を運んでいただきたい「シン・ゴジラ」。好き嫌いは別にして10人が見たら10通りの感じ方が出来る希有な映画になっていると思われます。私は劇場で見たゴジラ映画としては9歳の時に見た「メカゴジラの逆襲」以来の満足感を味わいました。

※蛇足中の蛇足だけど「シン・ゴジラ」の「シン」が何なのか(「新」/「真」/「神」/「心」?)というのはわたくし今回映画見て「伸」じゃないのかと思いましたわ(作家の馬場卓也先生もそれに近いことを言っておられたなあ・・・)

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