You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

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Category: ◆本を読むと眼から血が出ませんか?=映画本読書感想文  

けっして一人では読まないでください

いや、複数の方が読みづらいだろ( ̄。 ̄;) と、いうことでこの週末に入手した本が二冊。まずは「別冊映画秘宝謎の映画」

ツイッターの方でもつぶやいたのだが、このシンプルながらもワクワクするタイトルに惹かれてろくに中身もわからないまま注文をかけていたのである。

それが家に届いて表紙を見たら「わ、ジェシカ・ハーパーやん」(__;)と思わず意表を突かれ、ページをめくればカラーパートのすべてを使ったまさかの「サスペリア」大特集(それに続く「インフェルノ」の記事と併せたアルジェント映画の紹介が続く)基本的に「謎」という言葉を前面に出した編集方針なので取り上げられた各作品に対していわゆるキャプション的な解説は意図的にほとんどされていない。

そのうえ掲載されている映画タイトルが敢えて「エクソシスト2」「エクソシスト3」と言った一般的には低評価とされた続編物だったり、懐かしのグロSF「溶解人間」(これだけでなぜか八ページも枠が取られている)とか、一部の好事家が二〇世紀末に絶賛した「ネクロマンティック」みたいなまあまあ悪趣味な作品群が所狭しと詰め込まれていた(良い意味でバラエティに富んだタイトルと言うことだけど、しかもここいらは誌面の中だとまだメジャー作品扱いで、他にも「そんな映画初めて聞いたわ」みたいなのが目白押し)

ここ数年で出た映画本の中でもこれはかなり変わった趣旨のムックと言えるのではないだろうか(次の休日にゴブリンのサントラを聴きながらもう一回読み直さなければいかんな・・・俗に言う「ゴミビデオ系」「カルトムービー系」の特集本とはまったく色合いが違っていてホンマに楽しかった)


もう一冊は「日本ヘラルド映画の仕事-伝説の宣伝術と宣材デザイン-」

こちらはお仲間の一人・ロッカリアさんがブログで記事にされていたのを読んで自分も欲しくなってしまい(__;)少々値は張ったのだが(税込みで3456円)ちょっとムリして買ってみたのだった。

中身は日本ヘラルド映画が過去に配給した映画の宣材をポスター中心に掲載した物である。総ページ数約300のうち八割以上がカラーで構成されており、ちょっとした図鑑のような体になっているのが読みやすい。

自分の事で言うとやはり70~80年代の映画が一番ピンと来たというか、未見の映画でもこのポスターは見たことあるしハッキリ覚えているぞ!というヤツが何本もあった(「グレート・ハンティング」なんかそうだな)それとこの本は4年ほど前に出た「映画宣伝ミラクルワールド 東和ヘラルド松竹富士独立系配給会社黄金時代」とセットにして読むと当時の状況等がわかってより面白いと思うので、興味ある方は是非合わせ技一本の形にして読んでみていただきたい。

今回は二冊とも大当たりだったので(^_^;)我が輩たいへん満足しております。
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Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

さすらいは配信のあとで

sokus.jpg未だ止まらぬAmazonプライム東映特撮配信まつり。2/24からは左画像にある連中が参入を開始した。

前回前々回の配信開始に続き今回も完全に私の年代のトクサツファンにはどストライクなヤツだらけ。

確かこの頃(1977年)だったと思うのだけど「カゲスター」「キョーダイン」「キャプター」「ズバット」の各主題歌と副主題歌が収録されたヒーロー物のオムニバス盤LPレコードを親に買ってもらい、それこそもうレコードが擦り切れるんじゃないかと言うくらい毎日毎日聴いていた思い出があるのだ(そのレコード自体はもう手許にはないが、他に収録されていたのは特撮モノではなくゲッターロボとグレンダイザーだったような気がする)それくらい歌はどれもコレもカッコ良かったのだよ。

番組そのものは良い時間にやっていた「キョーダイン」(毎週金曜の19時)「ビビューン」(毎週火曜の19時)以外あんまり一生懸命見ていたわけではないが(「カゲスター」も19時台だったはずだがあまり記憶に残っていないし、徳島でネットされてなかった12チャンネル系の「ズバット」「キャプター」は早朝や夕方の妙な時間帯に別系列のチャンネルで放送されていたため殆ど見ることが出来なかった)歌のインパクトはどの番組もかなりモノだったと思うのである。個人的には本放送時のオンエア体験よりこのレコードによる刷り込みの方が印象深い。

そうしたきょ~れつな懐かしさと共に各番組をチェックしてみたのだが、いやー、やはり粗造乱造の変身番組大量生産時代だったこともあるのか、一部の作品がけっこう雑な作りになっているのに「あちゃー(ーー;)」となってしまった。

特に「ザ・カゲスター」がマジメにやりたいのかコメディ路線なのか掴み所のない感じのエピソードが続いて対処に困り( ̄。 ̄;)(カゲスターやベルスターのコスチューム、また搭乗するスーパーマシンのセンスはキッチュで面白いのだが) 前回配信された「アクマイザー3」のようにアニメ風味の仮面モノ的な楽しさや「コンドールマン」のような「レインボーマン」からの系譜を繋ぐ突き抜けた独特の正義観(川内康範先生原作ならではのある種"宗教ヒーローもの"と言うべきカラー)みたいな、コレ!っていう売りになる特徴があれば良いのだけど、そういうのがあまりなかったような気がするのね(ひょっとして近いのは「マシンマン」の路線だったのかな-・・・)

今回の中だとカゲスターが一番視聴ブランクがあったので、記憶として残っていた歌による好印象と現実の出来の悪さとが脳内で戦うことになってしまっところはあったかな(^_^;)(と、言いつつもまだ自分の中じゃ勝負がついてなかったりして・・・(^◇^;))

それ以外だとやはり「快傑ズバット」の面白さが群を抜いている(当時から思っていたことだが、この番組って早川がわざわざズバットに変身する意味がなんにもないのがスゴイよね( ̄▽ ̄;))少し前まで東映チャンネルのオンエアを追っかけて全話録画成功したばかりのこのタイミングで配信が始まったのはどーいうことやねん?と文句の一つも言いたくなったが(東映チャンネルには月額でプライムの5倍近い料金を払っていたのに。もっともこれは東映特撮ファンクラブ有料会員の人も同じ事を考えているのではと思ってるけど( ̄。 ̄;))

「キャプター」も初回の出雲大介が風魔忍軍から抜け忍となるくだりが少々わかりにくかったものの、キャプター7人の個体差が激しく特徴的で現行のスーパー戦隊(「キャプター」はこのシリーズに含まれていないが)よりよほどキャラ分けが出来ていたのは感心した。それと二人の花忍キャプター3(初代:松葉夕子/二代目:野川愛)がどちらもカワイイのもたいへんよろしい。

で、あとの「キョーダイン」と「ビビューン」は再放送も多かったので特に感慨深いものはなかったけど、じつは我が輩「5年3組魔法組」だけは今まで一度も見たことがなかったのである。満を持してという大げさだが、このたびは本放送以来40年を経ての初鑑賞ということになったわけである。

最初は特に思い入れもなければ想い出もない番組なので、一話だけ見たらもういいや、くらいの感じで見始めたのだけど、これが意外と良く出来たファンタジードラマで、どうして当時これを見なかったのかとあのときの自分を怒りたくなってしまったくらい。ちょっと捻くれた気の良い魔女ベルバラ(曽我町子さんが喜々として演じているのがよくわかる。たぶんこの役はご本人も気に入っておられたのではないだろうか)がくれた魔法のツールを使って毎回日常生活の中の「小冒険」(あんまりスケールの大きい突飛なストーリーにならないところが良いのだ)を繰り広げるという展開になるわけだけど、これを使う5年3組の仲良し5人組がみんな良いヤツらに見えて、たぶん77年で5年生だと僕もまったくの同級生になるのでもしコレを本放送時見ていたらぜったいこんなクラスに入って仲間になりたいと思ったはずだ。

そうした「昭和52年のリアル」と言った時代を切り取った空気感がこの番組の中では濃厚に漂っており、荒唐無稽な設定ではありながら自分にとってはどこかノスタルジー回帰の対象としても成立していることにたいへん驚いているのである(事実画面に登場する各家庭環境や学校での描写はすべてが既視感のあるモノばかり)

今のところ8話まで消化中だが、残り33話を現行番組のつもりで楽しく見ていこうと思っている。

※こうしたテレビシリーズ以外でも千葉真一の「海底大戦争」や梅宮辰夫の「遊星王子」と言った劇場トクサツ映画なんかも同時配信された模様。いったいプライムはどこを目指しているのでしょうなあ・・・。

しかし「キョーダイン」が来たのなら後番組だった「17」が来るのも時間の問題だし、「ロボコン」のあとの「ロボット110番」「ロボット8ちゃん」「バッテンロボ丸」、はたまた「ペットントン」あたりも近日配信の可能性は高そう。

ホントは東映以外の物ももっと増やしてくれれば良いのだが、贅沢は言いますまい(そこいらはプライムじゃなくても良いのでNetflexやHuluあたりの何処かが「シルバー仮面」や「アイアンキング」、或いは「猿の軍団」とか「鉄人タイガーセブン」なんかをやってくれぬものだろうか)


 
Category: ◆140文字では収まらない呟きがそこにある=ぶつ切り備忘録  

あなたの清順はどこから??

◆さらば神様・・・映画監督の鈴木清順さんが今月13日にお亡くなりになっていたそうである(享年93歳)私の年代の特撮ファンだと清順監督の代表作は「恐怖劇場アンバランス」の第一話だった「木乃伊の恋」になってしまうのだが(あとは演出じゃなく役者として参加していた「ポワトリン」の神様かな??( ̄▽ ̄;))それ以外だとやはり「ツィゴイネルワイゼン」以降の80年代からの作品の方が印象深くて、日活でアクション映画を撮っていた頃のものは殆ど見たことが無かったのである(「新・ルバン三世」で監修に名を連ねていたのも意外だったけど)

良い機会なので追悼を兼ねて未見だった名作「殺しの烙印」なんかを見てみたいと思っているところだ。それにしても93歳と言えば本当に大往生でした。謹んでご冥福をお祈りいたします、合掌(-人-) (そういえば20代の頃、何度見てもよくわからなかった「ツィゴイネルワイゼン」と「陽炎座」を麻薬のようにリピート再生していた時期もあったな。きっと若者のリビドーを目だけでは無く脳から刺激する「裏エロス」的な物が詰まっていたのだろう←ハダカや絡みと言った直接的表現は控えめだった印象があるのに、みょ~に淫靡な描写が多くてドキドキした)

◇その後のプライム特撮事情・・・アレ以降も順次Amazonプライムのトクサツ系コンテンツは増殖中で、追加されたラインナップは下記の通り。

・「イナズマンF」
・「アクマイザー3」
・「がんばれ!ロボコン」
・「コンドールマン」


これを見つけたときに思わず「おおっ、ロボコン入ってるやん(^^)」と声に出したら隣にいた妻から「ロボコンって特撮なんか?」とツッこまれ、ついついムキになって「特撮に決まっとるやろ!」と反論してしまった( ̄。 ̄;) (或いはポンキッキのような着ぐるみ寸劇と思われていたのかもしれないが)ちなみにアクマイザーイナズマンFのOP/EDは我が輩がお宝では無くオタカラ(OTA・カラオケの略)に行くと必ず選ぶ名曲群。そして今見たらウデスパーは単体の時の方がカッコイイことも再確認中(前はα・βに別れたときの方が良いと思ってたけど)そんなわけで次回追加配信にはそろそろコレ↓も入れていただきたい。

◆オープン戦観戦のついでに・・・来月アタマに福岡へ行くことが決まった。メインの用事は野球観戦だが、時間が合えば前から一度覗いてみたかった中洲大洋映画劇場へ行ってみるつもりである。夜行バスで行くため零泊二日の弾丸ツアーになるのだけど(ーー;)なるべく車中で睡眠取って、元気よく現地散策に臨みたいものだ。あと福岡の博多駅前には駅前パレス/駅前ロマンという成人映画館があるそうで、入る入らないは別にしても(^_^;)その佇まいだけは見学して帰りたいなと。
Category: ◆本を読むと眼から血が出ませんか?=映画本読書感想文  

見慣れたカラータイマーの灯りが、何故だがあざやかに映るわ

IMG_1725.jpg年末から年明けにかけていろいろな本を買った(右写真のみなさん)

物量的にはたいしたこと無いのだが、いちおう一通り読んだので簡単な読書感想文を書いておく。

じつはこれ以外にも読んだモノは何冊かあるのだけど、これがまあ「清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実」とか「1993年の女子プロレス」「完本 1976年のアントニオ猪木」「1964年のジャイアント馬場」と言った野球・プロレスのドキュメンタリー本ばかりで( ̄▽ ̄;)ここに書けるようなジャンルの書籍があまりなかったというのもある。

ちなみに次に読もうと思っているのが「1984年のUWF」とまたしてもプロレス系(柳沢建さんのシリーズが続くな(ーー;))映画系は今月末に発売予定の「別冊映画秘宝・謎の映画」まで買うモノは無さそうだ。

それと同じ洋泉社からそろそろ出るという「謎の円盤UFO完全資料集」の情報が流れてこないのが気になっているのだけど、ひょっとして延期になったのだろうか??(価格が4000円超えるという話だから買うかどうかはまだ未定だけどねー・・・(__;))

と、いうことで読んだ本をあらためて一冊ずつご紹介。


 「ウルトラマンの飛翔」 白石 雅彦 (著)・・・「ウルトラQの誕生」から続くシリーズ本。タイトル通り「ウルトラマン」という番組がどういう経緯で始まり、どのように国民的人気番組へとなっていったのか、時系列に沿って発生した出来事を振り返りながら様々な関係者を綿密に取材した渾身のドキュメンタリーとなっている。

また各エピソードごとの解説も準備稿の一部抜粋から当初の製作意図を推察したり、企画会議や撮影スケジュールの流れを紹介して現場の生々しさを疑似体験させてくれる要素もあり。著者の白石さんは続いて「ウルトラセブン」の同本を出版すると明言されているので、そちらの方も楽しみだ(しかしこのペースで最新作の「オーブ」までウルトラシリーズを追いかけるとすると、いったいすべての本が完成するまであと何年かかるのだろうか・・・)


 「実相寺昭雄 才気の伽藍 鬼才映画監督の生涯と作品」 樋口 尚文 (著)・・・昨年末に京都で開催された「鬼才・実相寺昭雄 映像の世界」を観に行った際に主催者の方からこおいう本が出ますよと言う話は聞いていたので気にはなっていたのだ。しかし実相寺監督の関連本というのは既に過去何冊も出版されており、なかでも2014年に刊行された「別冊映画秘宝・実相寺昭雄研究読本」が極めつけで、これがあればもう他の本は不要なのではと思っていたのである。

それがたまたま仕事帰りにコレを書店で見かけてしまい、ぱらぱらっと目を通しているうちにいつのまにやら本を手に取りレジへと歩いていたのであった( ̄。 ̄;)これは著者の樋口さんも書いておられるのだが実は評伝という形で実相寺監督を取り上げた媒体は殆どなかったので、おそらくはこの本がはじめてになるのかもしれない。そこに目新しさを感じて購入したのだけど、ホントに知らない話が山のようにあってほうほうと読んでいるとあっという間に時間が経ってしまった。


 「怪獣少年の〈復讐〉 ~70年代怪獣ブームの光と影」 切通 理作 (著)・・・こちらは特撮論客の雄・われらが切通理作が24年も前に出した名著「怪獣使いと少年ウルトラマンの作家たち」の続刊である。

前著の方は主に初期ウルトラシリーズのメインライター達(金城哲夫/佐々木守/上原正三/市川森一)にスポットを当てた構成になっていたのだが、今回は70年代という時代括りで劇場映画・テレビ番組・メディア展開・社会現象まで手広く検証した内容になっており、さらには話の中心が第2期ウルトラシリーズ(「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンA」「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」)だというのが当時のリアル視聴者であった我が輩(5歳から9歳の間)にピンポイントで迫ってきて、あああのときのアレはこういうことだったのかと今になって目から鱗がぽろぽろ落ちる状態になっているのだった。こちらも名著扱いして良い本だと思ったが、巻末の福井敏晴との対談は別に無くても良かった気はしたなあ・・・( ̄。 ̄;)


 「ゆめいらんかね やしきたかじん伝  角岡 伸彦 (著)・・・MBSラジオ「ヤングタウン」の頃からたかじんのファンだった我が輩は「砂の十字架」(劇場版ガンダムの主題歌。たかじん本人は生前この歌を嫌っていたのだけどね( ̄▽ ̄;))以降のレコードを殆ど聴いてきたし、徳島でコンサートが行われたときには会場で生歌(実はライブでは歌より漫談の方が尺は長いのだが)も聴いているくらい好きなタレントさんだったのである。

そのたかじんの人生を詳しく綴った物としてはかなりの良著だと思って読ませてもらったが、ここには百田尚樹の本みたいなスキャンダラスで暴露本的読み物ではない"人間・やしきたかじん"の短くも濃密な生涯が語られている。決して美辞麗句だけでは無くたかじんのダークサイドもしっかり書かれているし先の実相寺監督の本と同様「評伝」としての読み応えはかなりあると言えましょう(但し著者がたかじんの出自に妙に拘るのは少々感じが悪かったし理解に苦しんだが、それ以外は言うことなかったのではないだろうか)


magumapb8.jpeg 「サブカル・ポップマガジン・まぐまPB8~戦後特撮怪獣60年誌-「ウルトラマン」から「シン・ゴジラ」へ~」・・・この本はブログ仲間のお一人であるKeiさんこと新井啓介さんに教えていただいた雑誌。

表紙のイラストがなんだかとても気に入ってしまい(ーー;)これを見ただけでもう注文手続きを取っていたくらいなのだけど、中身の方もいろんな怪獣話が幕の内弁当のように並んでいて、同好のスキモノであれば読後は米粒一つ残さない状態になっているはずである。

※この本だけはAmazonで買えなかったので興味のある方は直接版元の蒼天社に注文してみてください(上記雑誌名のリンク先がソコになっています)

そして最後に私がもっとも好きだったたかじんの歌を貼り付けておきます。以前書いた「雨の日はバルゴンで」というしょーもないタイトルの記事はこの歌が元ネタでありました( ̄。 ̄;)

Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

冬の記憶は波のうさぎ

一月遅れの映画感想文はまだ続く。前回書いた「君の名は」を観た翌一月三日は「この世界の片隅に」を観てきたのであった。場所は徳島市内で唯一営業している映画館、ufotableシネマである(劇場そのものの話については本記事最後に追記)

ここでは年末から「君の名は」の上映も急遽決まっていたのでハシゴ鑑賞して一気に見るという事も出来たのだが、あまり長時間となると駐車場代が高く付くため(ーー;)分散して観ることにしたのだ。こちらの方も整理券が配られるほどの盛況ぶりで、我が輩この劇場は開館以来二回しか来たことが無かったのだけど、三度目にして初の満席状態を体験したのであった(映画のテーマが戦争だけにアニメとはいえ観客の年齢層は高く、私と同世代か少し上くらいの年代の方々が多かったようだ)

そして映画本編の方だが例によって鑑賞前にストーリー的な情報を一切アタマに入れていなかったため、絵柄の印象から来る勝手なイメージで「火垂るの墓」調のトラウマ級に悲しい話という想像をしながら見ていたわけだけど、なんというか漠然とした言い方になるがこれは良く出来た"戦争ファンタジー物"(語弊のある表現かもしれんな( ̄。 ̄;))だったんだなと言う感想を強く持ってしまったのだった。つまりこの映画はことさら戦争の悲惨さを訴えたりする反戦映画などでは無く、戦時下の日常生活を一人の女の子目線で捉えた絵日記のような物ではなかったのかと私には思えたのである。

いちばん自分の中で近い物だと「まんが日本昔ばなし」を見ている心地良さに似た感覚とでも言おうか、たぶん主人公のすずの声が市原悦子でも違和感はまったくなかったのではないかと思えたし(ーー;) 最初は映画冒頭で描かれる怪物(?)みたいなオッサンにすずがプチ誘拐されるシーンから「え?コレってホントにあったことなの?それともこの子の想像の中の物語なの??」と少々困惑もしてしまった。さらにそのあとの座敷童のくだりとか、なんか現実との境界線が曖昧なまま話が進んでいくのかなと心配していたのだけど(途中からそうじゃないというのはわかるのだが、台詞でも「あれは夢だったのかも」と語られていたくらいだったから、あの辺は見ていて戸惑うところもあり)その導入部含めて全編がそうした茫洋な感覚で覆われているような映画だという印象を強く持ってしまったのだ。

なので映画の中で描写されるそれ以降の出来事がどれだけヘビーで辛いことになっても、心底深刻なことと感じられないフィルターのような効果を生んでいたような気がしたのである(おそらく戦争体験者の方がこの映画を見たら「そりゃ違うよ」とつっこみを入れる人も居られるだろうとは思うのだが、先に書いたように私はこの作品をよくあるセンソーハンタイ的なプロパガンダ映画とは感じられなかったので、そうした見方はあまり意味が無いとも思うのである。また、そういう方面を求めるのであれば中沢啓治先生の「はだしのゲン」とか水木しげる先生の「総員玉砕せよ」なんかを読んだほうが良い←戦争体験者の追想含む物語という説得力の点で)

今回は(いや、いつもか?)ちょっと抽象的な感想に終始してしまったけど、私は本作を戦争映画としてカテゴライズするならばひじょーに珍しいタイプの映画ではなかったかと思っているし、劇場で見る価値は大いにあったとも思っている。そして重いテーマを背負わされながらもヒロイン・すずの"萌え"と言う魅力を武器にして(映画全体から醸し出される茫洋感はきっとここから出ていたはず)突き抜けたある意味アイドル映画以上にアイドル映画らしい映画だったのではという気もしているのだ(若いとは言え結婚している女子キャラにこういう言い方はどうかとも思うけれども)

あと最後に付け加えると映画終わりで原作漫画も読んだのだが、映画の中でわかりにくかったこと(すずと周作の最初の出会いがどのシーンなのかとか(絵を見りゃわかるという人もいたけど(ーー;)あれでは我が輩わからなんだですよ)想像妊娠のくだりであるとか、兄の要一が如何に「鬼イチャン」であるのかをもっと描写しないと後で彼に対する気持ちの説明が意味不明になってしまう等々)が全て語られていたのに驚いてしまった。あれは省かずにそのまま持ち込むべきでは無かったのかと思ったなあ・・・

と、以下は蛇足中の蛇足だが本作を上映した劇場・ufotableシネマについての話。もともとこのエリア(東新町商店街という名称で、今だとアニメファンにはマチアソビ等でお馴染みかも)では15年ほど前まで映画館が何軒も点在しており徳島で映画を見るならまずこの場所へ来なければ話にならない時期もあったわけだけど、ゼロ年代に突入してから次々と閉館の憂き目に遭い、いっときは映画館が一軒も無い時期が続いていたのである(その間徳島では郊外のシネコン一軒だけが営業をしており、数年間は「日本で唯一県庁所在地に映画館の無い街」として名を馳せた(?)のであった)運営会社であるufotableは「Fate/Zero」等を作っているアニメ制作会社であり、社長の近藤光氏が徳島出身であるという縁から地元興し的開業を行ったのが2012年のこと。 

※gigazineでのオープニングイベント紹介記事

オープン当初はアニメ専門の劇場という営業スタイルを取っていたのだが近年は海外作品の上映本数も増えてきており、少しずつミニシアターの風情を纏い始めたところでもある(とは言いながらも上記記事の通り館内の装飾はアニメだらけで慣れてない人ならビックリするかもしれない(^_^;))私の自宅からはけっこう遠いので、今後は可能なら近隣の駐車場割引とかを適用してくれると嬉しい(それしてくれるなら冗談抜きでもっと通いまっせ)

それから蛇足ついでの余談ながら「この世界の片隅に」は6年前にドラマ化が行われており、現在はhuluでの鑑賞が可能。キャストを見るとすず=北川景子、周作=小出恵介、リン=優香、径子=りょう、となっており微妙と言えば微妙なライン( ̄▽ ̄;)(りょうはけっこう良いキャスティングだと思ったが)
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