You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

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Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

冬の記憶は波のうさぎ

一月遅れの映画感想文はまだ続く。前回書いた「君の名は」を観た翌一月三日は「この世界の片隅に」を観てきたのであった。場所は徳島市内で唯一営業している映画館、ufotableシネマである(劇場そのものの話については本記事最後に追記)

ここでは年末から「君の名は」の上映も急遽決まっていたのでハシゴ鑑賞して一気に見るという事も出来たのだが、あまり長時間となると駐車場代が高く付くため(ーー;)分散して観ることにしたのだ。こちらの方も整理券が配られるほどの盛況ぶりで、我が輩この劇場は開館以来二回しか来たことが無かったのだけど、三度目にして初の満席状態を体験したのであった(映画のテーマが戦争だけにアニメとはいえ観客の年齢層は高く、私と同世代か少し上くらいの年代の方々が多かったようだ)

そして映画本編の方だが例によって鑑賞前にストーリー的な情報を一切アタマに入れていなかったため、絵柄の印象から来る勝手なイメージで「火垂るの墓」調のトラウマ級に悲しい話という想像をしながら見ていたわけだけど、なんというか漠然とした言い方になるがこれは良く出来た"戦争ファンタジー物"(語弊のある表現かもしれんな( ̄。 ̄;))だったんだなと言う感想を強く持ってしまったのだった。つまりこの映画はことさら戦争の悲惨さを訴えたりする反戦映画などでは無く、戦時下の日常生活を一人の女の子目線で捉えた絵日記のような物ではなかったのかと私には思えたのである。

いちばん自分の中で近い物だと「まんが日本昔ばなし」を見ている心地良さに似た感覚とでも言おうか、たぶん主人公のすずの声が市原悦子でも違和感はまったくなかったのではないかと思えたし(ーー;) 最初は映画冒頭で描かれる怪物(?)みたいなオッサンにすずがプチ誘拐されるシーンから「え?コレってホントにあったことなの?それともこの子の想像の中の物語なの??」と少々困惑もしてしまった。さらにそのあとの座敷童のくだりとか、なんか現実との境界線が曖昧なまま話が進んでいくのかなと心配していたのだけど(途中からそうじゃないというのはわかるのだが、台詞でも「あれは夢だったのかも」と語られていたくらいだったから、あの辺は見ていて戸惑うところもあり)その導入部含めて全編がそうした茫洋な感覚で覆われているような映画だという印象を強く持ってしまったのだ。

なので映画の中で描写されるそれ以降の出来事がどれだけヘビーで辛いことになっても、心底深刻なことと感じられないフィルターのような効果を生んでいたような気がしたのである(おそらく戦争体験者の方がこの映画を見たら「そりゃ違うよ」とつっこみを入れる人も居られるだろうとは思うのだが、先に書いたように私はこの作品をよくあるセンソーハンタイ的なプロパガンダ映画とは感じられなかったので、そうした見方はあまり意味が無いとも思うのである。また、そういう方面を求めるのであれば中沢啓治先生の「はだしのゲン」とか水木しげる先生の「総員玉砕せよ」なんかを読んだほうが良い←戦争体験者の追想含む物語という説得力の点で)

今回は(いや、いつもか?)ちょっと抽象的な感想に終始してしまったけど、私は本作を戦争映画としてカテゴライズするならばひじょーに珍しいタイプの映画ではなかったかと思っているし、劇場で見る価値は大いにあったとも思っている。そして重いテーマを背負わされながらもヒロイン・すずの"萌え"と言う魅力を武器にして(映画全体から醸し出される茫洋感はきっとここから出ていたはず)突き抜けたある意味アイドル映画以上にアイドル映画らしい映画だったのではという気もしているのだ(若いとは言え結婚している女子キャラにこういう言い方はどうかとも思うけれども)

あと最後に付け加えると映画終わりで原作漫画も読んだのだが、映画の中でわかりにくかったこと(すずと周作の最初の出会いがどのシーンなのかとか(絵を見りゃわかるという人もいたけど(ーー;)あれでは我が輩わからなんだですよ)想像妊娠のくだりであるとか、兄の要一が如何に「鬼イチャン」であるのかをもっと描写しないと後で彼に対する気持ちの説明が意味不明になってしまう等々)が全て語られていたのに驚いてしまった。あれは省かずにそのまま持ち込むべきでは無かったのかと思ったなあ・・・

と、以下は蛇足中の蛇足だが本作を上映した劇場・ufotableシネマについての話。もともとこのエリア(東新町商店街という名称で、今だとアニメファンにはマチアソビ等でお馴染みかも)では15年ほど前まで映画館が何軒も点在しており徳島で映画を見るならまずこの場所へ来なければ話にならない時期もあったわけだけど、ゼロ年代に突入してから次々と閉館の憂き目に遭い、いっときは映画館が一軒も無い時期が続いていたのである(その間徳島では郊外のシネコン一軒だけが営業をしており、数年間は「日本で唯一県庁所在地に映画館の無い街」として名を馳せた(?)のであった)運営会社であるufotableは「Fate/Zero」等を作っているアニメ制作会社であり、社長の近藤光氏が徳島出身であるという縁から地元興し的開業を行ったのが2012年のこと。 

※gigazineでのオープニングイベント紹介記事

オープン当初はアニメ専門の劇場という営業スタイルを取っていたのだが近年は海外作品の上映本数も増えてきており、少しずつミニシアターの風情を纏い始めたところでもある(とは言いながらも上記記事の通り館内の装飾はアニメだらけで慣れてない人ならビックリするかもしれない(^_^;))私の自宅からはけっこう遠いので、今後は可能なら近隣の駐車場割引とかを適用してくれると嬉しい(それしてくれるなら冗談抜きでもっと通いまっせ)

それから蛇足ついでの余談ながら「この世界の片隅に」は6年前にドラマ化が行われており、現在はhuluでの鑑賞が可能。キャストを見るとすず=北川景子、周作=小出恵介、リン=優香、径子=りょう、となっており微妙と言えば微妙なライン( ̄▽ ̄;)(りょうはけっこう良いキャスティングだと思ったが)
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