You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりとゆるく綴るブログ

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Category: ◆本を読むと眼から血が出ませんか?=映画本読書感想文  

どこのCMかは知らないけれど、歌はみんな知っている

本屋で「映画秘宝セレクション・タケダアワーの時代」と言う本を買ってきた。

購入からまだ二日しか経っておらず7割程度しか読み進んではいないが、ここ最近の映画テレビ本(特にイマイチ自分と趣味の合わないライターさんの本が続いた「映画秘宝セレクション」シリーズ)の中では個人的に大ヒットと言える内容だった。

この本は所謂「タケダアワー」(武田薬品の単独提供枠)と呼ばれたTBS系列日曜19時台の人気番組(「月光仮面」「ウルトラQ」「ウルトラマン」「柔道一直線」等)の関係者にインタビューを敢行した本だが、過去何十冊も出ているこの類いのマニア本とは違い今まであまり取材対象にならなかったスポンサーサイドの人であるとか広告代理店、あと営業畑の人なんかに話を聞いた構成になっているのが目新しい編集だったと思うのである。

特に私は「ウルトラQ」が製作途中で怪獣路線に舵を切ることになったきっかけを作った元TBSプロデューサー・栫井巍さんのお話がいちばん面白かったと思っているが、他にも「ほー」と驚いたり感心したりする話が山のように載っているし、そういった60~70年代テレビ黄金時代の雰囲気を味わうことが出来る本にもなっていると思うので興味ある方は是非読んでいただきたい。

IMG_2184.jpgまた今じゃ珍しいけど一昔前にはこうした一社単独提供の番組というのはけっこうあって、だいたいはそのテーマ曲とセットになって覚えていることが殆どだったのである。

いくつか紹介するとタケダアワーなら♪タケダタケダタケダ~♪、東芝日曜劇場なら♪みんなーみんなー東芝、東芝のマーク♪、松下の時代劇アワーであれば♪みんなーウチじゅー、なーんでもナッショナルー♪みたいな。

ほかでもドラマでは無くバラエティ枠のロート製薬♪ロートロートロート、ローオートーせーいやーく♪あたりをよく覚えているなー・・・←下に関連動画を貼り付けてみたけどブラザーミシンの提供番組でもなかったっけ??(確か「刑事くん」の枠で)

と、上では↑こんなことを書いてるけど、じつは我が輩タケダアワーだけはリアルタイムで見た記憶があまり無い。

他の会社のやつは完璧に覚えているのだけど、私が見出した「帰ってきたウルトラマン」以降のウルトラシリーズは複数スポンサーだったのでタケダの歌は流れなかったし(そもそも曜日が違う)なのにどうしてこの歌だけはアタマに残っていたのか、それが未だによくわからないのだ( ̄。 ̄;)

最後まで読んだらそのへんが書いてあるのかもしれないが、或いは別の番組でこの歌を聴いたことがあったのかもしれない。

Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえないが、絶望の産声なら案外聞こえるそうですよ

そしてこれはほんの数日前に見てきた「エイリアン:コヴェナント」のはなしである。

新シネサンの鑑賞環境が快適だったので敢えてイオンではなくこちらの劇場を選んで見てきたわけだけど、それ以前にポイントが溜まりに溜まっていたのを早く消化したいという目論見もあったのだった。

前作「プロメテウス」が事前期待値の高さに対してけっこうなガッカリ具合だったことを思うと、その続編を無料で見ようというプランは実に無難な戦法(まあガッカリとは言いつつ「プロメテウス」もそれなりに良かった所もあったわけだし、エイリアンシリーズのファンの一人としてもコレを外すわけにはいかないという半ば義務感みたいな物もあったわけで(^_^;)そこいらが劇場まで足を運ばせた最大の理由)

しかし徳島では公開から僅か5日程度しか経っていないのに客足は鈍かった。そりゃ連休明けの週初めで平日夜の最終上映だとこんな物かという気がしないでも無いのだけど、8スクリーンあるなかでも最大キャパ300席の部屋が目視カウントできるくらいの入りでは少々寂しい。

で、たぶん殆どの人がそうだったと思うのだが、我が輩「プロメテウス」の内容を殆ど覚えて居らず(ーー;)前夜自宅で復習的DVD鑑賞を行いそれからここへ来ていたワケだけれども、その行為そのものにはあまり意味が無かったかもしれないのだ・・・

なんというか前作で「人類の起源を作ったと思しきマッチョ宇宙人が(我が輩”スペースジョッキー星人”と勝手に呼んでますが(°°;))作っておきながら自らそれを滅ぼそうとする」という、よくわからない行動を取ろうとした所でデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)とエリザベス(ノオミ・ラパス)に阻まれ、今作ではそれに駄目押しがされたところで退場となってしまい、結局なんのために出てきたのかさっぱり理解できないまま出番(存在意義自体)が何も無くなってしまったように思えたのである(製作側がなんとなくイジるの面倒になってきたんで設定上一回リセットしようか、みたいな処理をしたようにも見えたな~(ーー;)←そら見る人が見たら彼らの存在ってすごい深い意味があったのかもしらんけど、私のような愚鈍野郎にはなんにもワカランかったですわ)

それで途中からは我々が知る姿形をした一作目のエイリアンがどういう経緯で誕生し、誰が造物主だったのかという説明的な展開に終始して最後はまるっきりその「一作目」の焼き直しになって終わるという(いろんな場面で一本目の再現が試みられていたが新ヒロインのダニー(キャサリン・ウォーターストン)が完全にリプリー風の出で立ち(ポスター見たときは「エイリアン2」かと思ったくらい)をしていたのもそうだし←この人ホントはもっと綺麗な女優さんなのに、それを微塵も感じさせなかったのは或る意味スゴいなと・・・)もう言いたくは無いけど敢えてこの状況を喩えるならば何年もかけて後ろ向きにマラソンを行いスタート地点まで戻って来た気分に近いのではないだろうか。そしてそこからもう一周同じコースを走り出すと同時にさほど聞きたくも無かったそれまでの裏話をくどくどと聞かされてしまったような、老人のブーメラントーク的辟易感をすっごく感じてしまったのだった。

わたしは5年前「プロメテウス」の感想を”とにかく無粋で夢が無い”という体で書いたのだけど、今回もそれに拍車をかけたかのような客に夢想/想像させる機会(スペースジョッキー星人の存在については逆に謎しか残ってないけど、これはこれで何処までも説明不足だらけ。どーでも良いことは委細語ってくれるのになんでこっちはほったらかしなのか)を全然与えてくんない映画だったなと思っているし、やっぱり「前日譚」だの「ビギニング」(「プロメテウス」以降のこのシリーズがそうだとは明言されてないのでその点は曖昧だけど、でも見てる方からしたら九分九厘そう思って鑑賞してるハズ)なんてのはどうしたって辻褄合わせにしかなんないんだってのを今回はきょ~れつに感じた次第である。

しかしそういったシリーズの流れとかはいったん置いといて、この映画を単品で見たならばモンスタームービーとしての楽しさ・魅力は多々あるので(R15になったゴア描写もなかなか本格的になっていて怖さと迫力はかなりのもの)前半は流し見しつつ(__;)後半の怪獣ショーを満喫するのが鑑賞スタイルとしてはよりベターな選択かもしれない。

それと我が輩このたびは2D字幕版で見たのだけど、本作はむしろ4DX等のアトラクション対応で見るのが正解なのでありましょう。



Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

鋼鉄の羽を毟る男、スパイダーマン!

タイトルは香山浩介(現・藤堂新二)さんの声で脳内再生するように。

これは比較的最近のはなし。徳島に台風が直撃した今月三連休の中日、シネマサンシャイン北島で「スパイダーマン:ホームカミング」を見てきた。

じつはシネサン北島は7月に全面リニューアルを行っており、わたしは改装後初めての劇場入りとなったのだった。今年春にイオンシネマが出来るまで徳島では映画興行を一強独占(ミニシアターがもう一館あるけどシネコンはココだけだったので)していた同劇場だが競合他社がいないと言うことは企業努力をあまりせずとも良いという判断でもあったのか、2001年の開業以来目立った改修は殆どされてなかったと思うのである。
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もうここ数年はシートのクッションもへたって背中/尻が痛くなる時間がどんどん早くなっていたし、繁忙期だろうと閑散期だろうと4つあるチケットカウンターが二つ以上空くことは一切無かった人員配置の不備であるとか(長蛇の列発生率が実に高かった)何よりトイレが何個も壊れていて使いづらいうえ見た目も貧乏くさく衛生面でもどうなのかというマイナスポイント等がやたらと目に付いていたのだ。

それがこのたびは見事なくらい全てが解消された状態になっており、なんやねん、出来るんだったらもっと早くやっとけやと思わず運営側に文句を言いたくなってしまったのだが、写真を見てもわかるようにエントランスそのものが一気に綺麗な物に変わっていたのであった(やはりどんな業態も競合なくして進歩は無いと言うことでしょうか)

以前の辛気くさい面影とかは全然無くなっており、チケット販売も券売機がメインとなりポイントカードもサービスデーの設定も席の選択もそれで全てが行えるようになっていたのである(係員もいるので操作方法がわからなくとも直ぐに確認できる)

これが4台置かれ別の場所にはネット/カード事前払い済みの人専用の発券機も2台設営。あれなら余程のことが無ければ混雑することもなさそうだ。また長年の懸案事項だったトイレも同様に全面改装されており、気持ちよく用を足すことが出来た。

シアターの方は8スクリーン体制で以前と変化は無いが、一カ所に4DXを導入(四国では三カ所目)シートについても全席入替が行われ座り心地は以前とは雲泥の差だったしひじょーに快適。これならまたこちらを主戦場(家と仕事場からはイオンよりこっちの方が近いのだよ)にしてもいいなと思っているところである。

さて、そんな快適空間の中で見た「スパイダーマン」新シリーズだが、原作コミック版(確か中学生くらいの頃だったかな?我が輩は小野耕世が監修した日本語版コミックを読んでいた記憶があるのだよ←たぶん当時弟が好きで買っていたのだと思うが)や映画版旧シリーズに比べるとずいぶん明るい作風になっていたのは少し意外だった。

ご陽気なMCUのカラーに合わせるための配慮かとも思ったのだが、元来ギークキャラで常に迷える子羊的少年だったピーターが普通に青春していたのはイマドキ対応ということなのだろうか(但しスパイダーマンが活動中にグダグダいらんこと喋り続けたり、昔からお馴染みのフレーズである「親愛なる隣人/スパイダーマン」という言葉がやたら出てきたりするのは各映画版の中で最も原作に近かったかもしれない)

もともと主演のトム・ホランドは初登場だった「キャプテン・アメリカ/シビルウォー」の時から浮かれたあんちゃんぶりでピーターを演じていたので、今度のスパイディがああいう感じになるのはある程度予想は出来たわけだけど、上にも書いたとおり基本は青春ヒーローものの体裁を保っていて、今作での彼には気の置けない親友や両想いのガールフレンドの存在がいたり(文武両面でライバルたちとも対等に渡り合ってたし)その上ピーター自身が秀才という設定をあてがわれ学校でも一目置かれているというのは過去のスパイダーマンでは見られないシチュエーションだったと思うのである(一番の違いはメイおばさんが若くてキレイな人(マリサ・トメイ)になっているという点ですが( ̄。 ̄;))

あと敵役が80年代にヒーロー映画の(しかもライバルであるDCコミック系の)主役だったマイケル・キートンだったのもかなり狙ったキャスティングだったと思っているが、彼は今後もまだ出てくるのでしょうかね~。全然憎めない悪役だったんで(__*)わたしはけっこう気に入っておるのだけど・・・

正直アクションの格好良さとかやエフェクトの完成度は「アメイジング」の方が上だったと思っているが、孤独で陰々滅々でカネ無く華無く運も無く、ひたすら延々と悩んでいるイメージだったスパイダーマンがこういう形でリセットされたのは観客サイドとしても実に気楽な気分で見られるし「アベンジャーズ」の繋ぎ映画としても十分楽しめる要素で溢れていたなと私にはそう感じられたのだった(今のところ同様の繋ぎ映画では「アントマン」と双璧の面白さ)

もっとも、結果的においしいところは全部スターク/アイアンマンがかっさらっていくところも間々あったわけだけど、それ込みで今度の新シリーズはかなり自分の好みの近く、満足度としてはかなり高かったと思っている。ちなみにこの新スパイダーマンは来年公開予定の「アベンジャーズ3・インフィニティウォー」に続けて登場するらしいので、果たして出番が何分あるのか(__;)それだけでも確かめねばイカンなと(「怪獣総進撃」のときのバランみたいにならなければよいのだが・・・)

Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

邦題と中身が合ってませんがな

暑い夏も終わってようやくマトモな脳活動が行えるようになったので(ーー;) 数は少ないがその間見ていた映画の話を少しずつ回顧していく。

これはなんと先々月に行ってきたという「怪盗グルーのミニオン大脱走」の遅い遅い感想文である。

確か野球観戦で丸亀に行ったとき時間潰しと避暑を兼ねてふらりとイオンシネマ宇多津に寄ったのだけど、特にアレを見たいコレを見たいという希望は無くこの日時間の合う三本(後の二つが何だったかはもう忘れた( ̄。 ̄;))の中から消去法で「グルー」を選んだのであった。

もともとこのシリーズは今まで一本も見たことが無く、ミニオンについてだけはなんとなく知っていたくらいで怪盗グルーがどういうキャラなのか、みたいなのは全然把握していなかったのである。本作がスピンオフ含めた通算5本目であると言うことだけは理解しつつ、とりあえずは映画に没頭。

なんとなく状況設定に既視感があるなと思いながら見ていたが(ちょっとだけ「スパイキッズ」の何本目かを思い出したなあ・・・)シンプルで簡潔なストーリーのおかげでひじょーに見易い作りになってましたわ。

なるほどこの取っつきやすさがファミリー層に受けた原因なのかと序盤はそう思っていたのだけれども、途中でミニオンたちが登場するとこちらの視線が一気にそちらに引っ張られてしまい、あっという間に眼が釘付けに( ̄。 ̄;)

微妙に姿形の違う二頭身の黄色いモンスターたちが大勢で意味不明の言語を発しながら連携して動いているのを見ていると、理屈抜きに楽しくて仕方がないのである(~_~;) ここに至りああこのシリーズはこいつらのキャラ力で持っていたのとか得心してしまった。そして自分なりにこの面白さはいったいなんなのだろうかと考えると、所謂「群体キャラの可笑しさ」というのがあるように思えてならないのだった。

今近いものを思い返してみてもたとえばアニメなら「となりのトトロ」と「千と千尋の神隠し」に出てきた"まっくろくろすけ"、特撮ものなら「侍戦隊シンケンジャー」の黒子、ここからは漫画になるが「うる星やつら」に登場する伝言ゲームのド下手なチビ忍者軍団や「宇宙家族カールビンソン」に出てくる特撮関係者の名前をもじった原生生物たちであるとか、そういう連中を彷彿させる楽しい魅力をミニオンたちからは感じるのだ。

そこにはゆるキャラ的なマスコットが大量にいることの絵的な面白さがあるのだと思うのだけれども、じゃあこれがかわいければ何でもいいのかと言うとおそらくそうではなく、どこかで少しずれたところがあるが故に目を惹くのではないかとも思うのである(この場合形容詞として一番しっくりくるのは「キモカワイイ」かな??)

じっさい此奴らが出てくると途中からグルーたちのことはどうでもよくなってしまい(__;)もっとミニオンたちの活躍場面を増やしてくれないかと思ってしまったくらい(そもそも「ミニオン大脱走」が全然話の中心になってなかったし・・・)そのせいか私はこの映画終わりで奴らの主演作である「ミニオンズ」を見たくて仕方のない状態に陥っておるのですよ(°°;)(コレは近いうち絶対見るつもりですが)

で、この映画そのものについては最初に書いたとおり一見のおっさんでも食い付きやすい物語とミニオンのインパクトもあって思いの外楽しめてしまい、ホント何の気なしに入った映画だったのに大いに満足してしまったのだった。それと今回は2D吹き替え版と言うことでグルーの声を笑福亭鶴瓶がアテていたのも初めて見たのだけれども、私が西日本の人間のせいかアニメに関西弁が飛び交うことにさほど違和感を感じず、むしろグルーの声にはベストマッチだったと言う気がしているのだ。

過去にも「シュレック」は浜田雅功が合ってると思ったし、「ファンタスティック・フォー」のアニメ「宇宙忍者ゴームズ」(日本放送時のタイトル)で悪役が名古屋弁を喋ったりするのも特に気にならなかったわけで←ただ単に我が輩の感性が鈍いのかもしれないが、実写だとしんどいところはあるけどアニメならアリかなと思えてしまうところはあるのだよ。

とりあえずプライムとHuluが一本目の「月泥棒」を配信しているので、まずはこれから見ていかなければなるまい。


Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

パンナムで行く怪獣島の旅

そんなわけでこの日の大トリとなった4本目「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」

怪獣の登場する場面は全て少年の夢の中だけで、現実世界には出現しないという、ゴジラシリーズ中でも異色作中の異色作と言える内容。全編がどちらかというと「ウルトラQ」の一篇のようなムードで統一されており(音楽がその「ウルトラQ」と同じ宮内國郎さんだったことも大きい)ある種良質なジュブナイルを見ているような気分にもさせて貰える映画だった。

その「オール」のあらすじについては以下の通り。

<Wikiより抜粋>

神奈川県川崎市に住む、いじめられっ子で引っ込み思案の小学生・三木一郎は、両親が共働きの鍵っ子だ。彼のもっぱらの楽しみは、同じアパートに住む「発明おじさん」こと南信平が作った玩具で遊ぶこと。

発明おじさんを真似てガラクタで作った玩具のコンピューターで夢の世界へ向かった一郎は、怪獣島に住むミニラと出逢う。そこで一郎はミニラが、自分をいじめているガキ大将と同名であるいじめっ子怪獣ガバラにいじめられていることを知り、自分によく似た境遇にいるミニラを激励する。

一郎がそんな夢に浸っている最中、逃亡中の2人組の銀行強盗犯がひょんなことから一郎を人質に取ろうと企てる。

<抜粋終了>

この映画は公開が昭和44年となっているが、劇中の風景や生活様式というのは70年代前半にガキだった我々のような世代にとっても懐かしいと感じられるモノばかりで、たとえばまだ排ガス規制前で体に悪い排気ガスを垂れ流していた車がびゅんびゅん走るその横を通って学校に通っていたりとか、両親が共働きで帰宅しても自分しか居ない「鍵っ子」だった事とか、同じアパートに住んでいる親戚でも何でも無い赤の他人なのに妙に仲の良いオトナの人が居たとか、昼間は玄関の鍵なんか殆ど閉めたこともなかった等々、自分の体験と照らし合わせても思い当たることが山のように描写されているのであった(もっと言えば近所の廃屋を自分だけの「秘密基地」としていたこととか、わけのわからんガラクタを拾ってきてはオモチャにしてみたりとホント「70年代のガキあるある」を果てしなく見せられていくのだ)

それで思い出すのはダニー・ケイ主演の「虹を掴む男」(2013年にベン・スティラーが「LIFE!」のタイトルでリメイク)と「かいじゅうたちのいるところ」(2010年)が、まんまとは言わないけれども私はこの「オール怪獣」によく似たフォーマットの映画だったという気がしているのである。

共通しているのは主人公が夢(或いは妄想)に逃避し、そこでの疑似体験によって心を洗われ現実世界に戻ってくると言うモノだが「オール怪獣」が特徴的なのは主役の少年が現実世界で本当の冒険(二人組の銀行強盗に誘拐され、それを一人で対峙して生還するという)を体験し、さらには夢の中で見たミニラの頑張りを心の拠り所にして逞しくなっていくというプロセスをとてつもなく素直に、そして何のてらいもなく描いていたことにある。

このことが割礼映画(言い方としたら「少年の成長物語」の方がキレイだけど)としてもより秀逸な物となっており先に挙げた同系統の二本よりも秀でていた部分だったと思うのだが、それ以上に私は上でも書いたようにある特定の世代の人にとってはリアルすぎる懐かしさを与えてくれる少年回帰ムービーでもあったのではないかと思えたのであった。

そうした自分の少年時代をオーバーラップさせると同時に、今この年でこの映画を見ていると親目線でも(と、言っても私は自分に子供が居ないので( ̄。 ̄;)叔父の立場としてしか見ていないが)感情移入してしまう箇所が多々有り、文字通り一皮むけた一郎くんが最後お母さんに甘えることもなく「ぼくだって一人で大丈夫だよ」と大人びたことを口にした場面なんかは劇中の母親役・中真知子さん(加山雄三の若大将シリーズでお馴染みの女優さん)が泣くのと同じタイミングでこっちもホロリと来てしまったくらいで(ああ~ええ話やなあ・・・(;ω;))

まあ忌憚なく書いてしまうと「特撮」映画としては見るとこ一つも無かったけど(^◇^;)「映画」として見たらばこれはすごい良い作品だったんじゃないのかと、今回大画面で再見してあらためてそう思い直した次第である。我が輩は本多猪四郎監督の作品は特撮ジャンルに限ると殆どを見ているけど、ゴジラシリーズで唯一全権監督(怪獣登場場面は旧作からの流用が殆どで、新撮だった新怪獣ガバラの登場場面も本多監督が演出をされたそうだ。円谷英二監督は「監修」名でクレジットされているが実際はノータッチだったとのこと)だった本作が実は一番本多さんの慈愛に満ちたお人柄が反映されていたのではないかと、そんな風にも感じましたですなあ。

・・・と、いうことで朝10時から夕方5時まで( ̄▽ ̄;) 一日四本のゴジラ体験はこうして幕を閉じたのであった。この高知美術館での特撮映画上映企画は4年連続となったわけだけど、私は個人的には今年がもっとも楽しかったなと思っているのである。やはり怪獣映画はまず子供に楽しんでもらい、その上でオトナも一緒になって没頭出来るというスタイルが望ましいのかもしれない(その中でときどき「シン・ゴジラ」や平成ガメラみたいなマニアックな物が入ってくればよりジャンルとしての幅も拡がるのではないか)

なので来年五年目はぜひ昭和ガメラシリーズを四本立てでやっていただきたいなと、わたくしアンケート用紙にはその旨を長々と書いて参りました(反映されるかどうかはわからんけどもね(ーー;))

あと、心配していた客入りは初日に限って言うと午前中が四分程度、午後からは六分程度と去年よりは動員が上がっていたようで少しホッとしている。二日目の入りはわからないけど、土曜日であの感じなら日曜日はもう少し増えていたのではないかと期待しているが、本当にこのシリーズだけは頑張って継続していただきたい物であります(可能なら冬もやってくれりゃいいんだけど)

お祭りムードが充満しているセレクトだったおかげで来場している人は家族連れが多く、ところどころで子供達の楽しそうな声が聞こえてきたのも嬉しかった。ただ少し文句を言わせてもらえば去年今年と告知が遅かったのと、館内の待ち時間が昨年に続いて今年もノーBGMだったこと。なんかやたら静かで落ち着かなかったし、あの時間は上映作品のサントラあたりをかけて気分を盛り上げるような舞台設定をすべきだったとモノスゴク思ってしまった(この件もアンケート用紙にはしかと( ̄。 ̄;)書いてきたが)あれだけはなんとかしてもらいたいよね。

もっともこんなマニアックな企画上映を毎年やってくれてるだけどもありがたいと思わなければいけないわけで、そこは感謝せねばならないところでもあるのだ。そんなわけで四国在住の特撮ファンは当面高知県立美術館には足向けて寝ないようにしましょう。

最後に今回の上映は「追悼・中島春雄さん」の意味合いもあったように思えてなりませんでした。遅まきながらではありますが、ここに謹んで氏のご冥福を心からお祈りしたいと思います、合掌(‐人‐)。

※私のお仲間であるトガジンさんがゴジラ映画全作のレビューをご本人のブログにて執筆中です。ふざけた感想文ばかりの私と違い、的確且つ誠実でお手本のような記事を書いておられますのでウチのブログ読んでなんやねんしょうもない、失敗したわ!(__*)とお怒り、或いはお嘆きの諸兄がいらっしゃったらお口直しにぜひご一読くださいませ。

◆参考◆トガジンさんのブログ「映像学科22番」



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