You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

Sort by 09 2017

Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

パンナムで行く怪獣島の旅

そんなわけでこの日の大トリとなった4本目「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」

怪獣の登場する場面は全て少年の夢の中だけで、現実世界には出現しないという、ゴジラシリーズ中でも異色作中の異色作と言える内容。全編がどちらかというと「ウルトラQ」の一篇のようなムードで統一されており(音楽がその「ウルトラQ」と同じ宮内國郎さんだったことも大きい)ある種良質なジュブナイルを見ているような気分にもさせて貰える映画だった。

その「オール」のあらすじについては以下の通り。

<Wikiより抜粋>

神奈川県川崎市に住む、いじめられっ子で引っ込み思案の小学生・三木一郎は、両親が共働きの鍵っ子だ。彼のもっぱらの楽しみは、同じアパートに住む「発明おじさん」こと南信平が作った玩具で遊ぶこと。

発明おじさんを真似てガラクタで作った玩具のコンピューターで夢の世界へ向かった一郎は、怪獣島に住むミニラと出逢う。そこで一郎はミニラが、自分をいじめているガキ大将と同名であるいじめっ子怪獣ガバラにいじめられていることを知り、自分によく似た境遇にいるミニラを激励する。

一郎がそんな夢に浸っている最中、逃亡中の2人組の銀行強盗犯がひょんなことから一郎を人質に取ろうと企てる。

<抜粋終了>

この映画は公開が昭和44年となっているが、劇中の風景や生活様式というのは70年代前半にガキだった我々のような世代にとっても懐かしいと感じられるモノばかりで、たとえばまだ排ガス規制前で体に悪い排気ガスを垂れ流していた車がびゅんびゅん走るその横を通って学校に通っていたりとか、両親が共働きで帰宅しても自分しか居ない「鍵っ子」だった事とか、同じアパートに住んでいる親戚でも何でも無い赤の他人なのに妙に仲の良いオトナの人が居たとか、昼間は玄関の鍵なんか殆ど閉めたこともなかった等々、自分の体験と照らし合わせても思い当たることが山のように描写されているのであった(もっと言えば近所の廃屋を自分だけの「秘密基地」としていたこととか、わけのわからんガラクタを拾ってきてはオモチャにしてみたりとホント「70年代のガキあるある」を果てしなく見せられていくのだ)

それで思い出すのはダニー・ケイ主演の「虹を掴む男」(2013年にベン・スティラーが「LIFE!」のタイトルでリメイク)と「かいじゅうたちのいるところ」(2010年)が、まんまとは言わないけれども私はこの「オール怪獣」によく似たフォーマットの映画だったという気がしているのである。

共通しているのは主人公が夢(或いは妄想)に逃避し、そこでの疑似体験によって心を洗われ現実世界に戻ってくると言うモノだが「オール怪獣」が特徴的なのは主役の少年が現実世界で本当の冒険(二人組の銀行強盗に誘拐され、それを一人で対峙して生還するという)を体験し、さらには夢の中で見たミニラの頑張りを心の拠り所にして逞しくなっていくというプロセスをとてつもなく素直に、そして何のてらいもなく描いていたことにある。

このことが割礼映画(言い方としたら「少年の成長物語」の方がキレイだけど)としてもより秀逸な物となっており先に挙げた同系統の二本よりも秀でていた部分だったと思うのだが、それ以上に私は上でも書いたようにある特定の世代の人にとってはリアルすぎる懐かしさを与えてくれる少年回帰ムービーでもあったのではないかと思えたのであった。

そうした自分の少年時代をオーバーラップさせると同時に、今この年でこの映画を見ていると親目線でも(と、言っても私は自分に子供が居ないので( ̄。 ̄;)叔父の立場としてしか見ていないが)感情移入してしまう箇所が多々有り、文字通り一皮むけた一郎くんが最後お母さんに甘えることもなく「ぼくだって一人で大丈夫だよ」と大人びたことを口にした場面なんかは劇中の母親役・中真知子さん(加山雄三の若大将シリーズでお馴染みの女優さん)が泣くのと同じタイミングでこっちもホロリと来てしまったくらいで(ああ~ええ話やなあ・・・(;ω;))

まあ忌憚なく書いてしまうと「特撮」映画としては見るとこ一つも無かったけど(^◇^;)「映画」として見たらばこれはすごい良い作品だったんじゃないのかと、今回大画面で再見してあらためてそう思い直した次第である。我が輩は本多猪四郎監督の作品は特撮ジャンルに限ると殆どを見ているけど、ゴジラシリーズで唯一全権監督(怪獣登場場面は旧作からの流用が殆どで、新撮だった新怪獣ガバラの登場場面も本多監督が演出をされたそうだ。円谷英二監督は「監修」名でクレジットされているが実際はノータッチだったとのこと)だった本作が実は一番本多さんの慈愛に満ちたお人柄が反映されていたのではないかと、そんな風にも感じましたですなあ。

・・・と、いうことで朝10時から夕方5時まで( ̄▽ ̄;) 一日四本のゴジラ体験はこうして幕を閉じたのであった。この高知美術館での特撮映画上映企画は4年連続となったわけだけど、私は個人的には今年がもっとも楽しかったなと思っているのである。やはり怪獣映画はまず子供に楽しんでもらい、その上でオトナも一緒になって没頭出来るというスタイルが望ましいのかもしれない(その中でときどき「シン・ゴジラ」や平成ガメラみたいなマニアックな物が入ってくればよりジャンルとしての幅も拡がるのではないか)

なので来年五年目はぜひ昭和ガメラシリーズを四本立てでやっていただきたいなと、わたくしアンケート用紙にはその旨を長々と書いて参りました(反映されるかどうかはわからんけどもね(ーー;))

あと、心配していた客入りは初日に限って言うと午前中が四分程度、午後からは六分程度と去年よりは動員が上がっていたようで少しホッとしている。二日目の入りはわからないけど、土曜日であの感じなら日曜日はもう少し増えていたのではないかと期待しているが、本当にこのシリーズだけは頑張って継続していただきたい物であります(可能なら冬もやってくれりゃいいんだけど)

お祭りムードが充満しているセレクトだったおかげで来場している人は家族連れが多く、ところどころで子供達の楽しそうな声が聞こえてきたのも嬉しかった。ただ少し文句を言わせてもらえば去年今年と告知が遅かったのと、館内の待ち時間が昨年に続いて今年もノーBGMだったこと。なんかやたら静かで落ち着かなかったし、あの時間は上映作品のサントラあたりをかけて気分を盛り上げるような舞台設定をすべきだったとモノスゴク思ってしまった(この件もアンケート用紙にはしかと( ̄。 ̄;)書いてきたが)あれだけはなんとかしてもらいたいよね。

もっともこんなマニアックな企画上映を毎年やってくれてるだけどもありがたいと思わなければいけないわけで、そこは感謝せねばならないところでもあるのだ。そんなわけで四国在住の特撮ファンは当面高知県立美術館には足向けて寝ないようにしましょう。

最後に今回の上映は「追悼・中島春雄さん」の意味合いもあったように思えてなりませんでした。遅まきながらではありますが、ここに謹んで氏のご冥福を心からお祈りしたいと思います、合掌(‐人‐)。

※私のお仲間であるトガジンさんがゴジラ映画全作のレビューをご本人のブログにて執筆中です。ふざけた感想文ばかりの私と違い、的確且つ誠実でお手本のような記事を書いておられますのでウチのブログ読んでなんやねんしょうもない、失敗したわ!(__*)とお怒り、或いはお嘆きの諸兄がいらっしゃったらお口直しにぜひご一読くださいませ。

◆参考◆トガジンさんのブログ「映像学科22番」



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