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Indies Cinema Paradise

カツモク22

文化の森21世紀館に於いて開催された「カツモクエイガ2」を見に行く。前回の「カツモク1」では複数監督によるバトルロイヤル方式の上映となっていたが、今回は地元期待の新鋭・川原康臣監督の作品のみで構成されているイベントとなっていた。

17時スタートの上映に合わせて20分前に会場に潜入。ロビーはけっこう賑わっていたが席に着くとワシが一番乗りだったようだ。ややあって入場者も集まりだし、風雪注意報も出ていて寒かった割にはそこそこの人数がやってきていた。そして定刻通りに映画はスタート。以下はその感想である。

カツモク21


「オープニング」・・・前回(カツモク1)同様期待感のぐっと膨らむスタート映像。こういうのはぜったいあった方が良いと僕は思うのだが、なんというかワクワク感が大きくなると言うか、お祭り気分がぐっと盛り上がってくると言うか、このあとの上映に期待を寄せる空気作りにこれほど効果的な物はないなと思うのだ。

「10ねんのち」・・・さて気分が高揚した直後の一本目だったが、正直ちょっとキツかったかなと。とにかくなにがどうなっているのか事態が最後までまったくわからなくて(あえてそうしている部分もあったのかもしれないが)最初はホームドラマっぽい出だしで来たのがヒロイン登場から突如として抽象的な展開に終始してそのまま終わってしまった感じだったけど、あとから川原さんのブログでの解説を読んで「デッドボールかも」と書かれていたのはなるほどなと妙に納得してしまった。

個人的にはストーリーラインのない映画がきらいなわけではないし、むしろ好きな部類だと自負しているのだが、それからすると最初のシークエンスは一切無しでいきなり彼女との遭遇シーンのくだりからスタートした方が良かったような気がする(僕自身はあの転換で「あ、この映画はそっちへ行くのか?」と少し困惑した)それと川原さんが舞台挨拶の中で仰っていた「前後一時間程度の説明が必要」という部分も、多少織り込んだ方が見易かったんじゃないのかなとも思った(後から紹介ページを見たらあー、そういうことかってなるけど、予備知識無しで入るとちょっと置いてきぼりにされた感じはするかも)

ダムでの二人の応酬シーンは独特の緊張感があって良かったけど、やっぱり最後は奇譚としても少しパンチ不足の感あり。奇譚で行くならスタートから(というか終始それで)もっと無茶苦茶でも良いんじゃないのかな。あと今作はモノクロで撮られているのだが、ちょっと勿体ないなと思ったのは過去の作品で感じていた川原さんの風景の入れ方(薄い水彩絵の具で描いたような色調がとっても好きだった)がひじょうにセンス良くて気に入っていたので、カラーじゃなかったのはその点残念に思えた。

「イートスリープクリープ」・・・感想を書くのがとっても難しい映画だったと思っている。ウソ偽りなく失礼覚悟で書いてしまえば冗長に感じたし途中で数分寝てしまったところもあった。しかしながらこの日見た三本の中では一番印象に残った映画だったのも事実で、とにかく主演二人の間合いが時間をかけて抜群になってくるのが後々効いてきたというか(それに多少時間かかった分だけ中盤は集中度が削げていたのかも)途中で「眠い」と思ったのは何だったんだというくらい結末に対して心底「良かったな」と思えてしまったのだ。「食べられないなら食べなければいい。眠れないなら眠らなければいい」って台詞は不思議な説得力があってなんか良いなあと。

それからやっぱり舞台が徳島である(だということがわかる)というのはいいなと再認識・・・

「ネコハコベフジワラさん」・・・最初から最後まで穏やかな気持ちで鑑賞できた。ちょっと不思議なファンタジーでありつつ小さいラブストーリーになっているようにも感じられて、オッサンの観客としてはどこかでノスタルジーに近い感覚も抱いていたような気がしている。主役のふたりが走っている背後で猫たち浮遊しているカットはこの数年見た映画の中では出色の場面だった(奇妙でほんわかしているというか)今回の中ではこの映画が一番「好きな」作品になったかなと(見終わって一番頭に残ったのは「イースト」)

「クロージング」・・・「ネコハコベ」でも使われていた猫が飛んでいる映像が最後にも流れていたけど、あれをMayFlyさんのシンボルマーク(上映前に必ず流れるアレ。海の東映マーク!山のParamount!ET乗せた自転車のアンブリン!みたいな)にしたらいいのになと、余計なお世話的な事もアタマに浮かんでしまった・・・これで終わりかと思うと若干の寂しさもあったなあ。

全体の総括的補足事項としては、すべての作品に於いて役者さんの味がヨイという点で統一されている。どこで見つけてくるのかはわからないけど「10ねんのち」の直さん役の彼女(舞台挨拶で見たときは劇中より綺麗な人だと思ってしまった)とか「ネコハコベ」の可愛いヒロインの彼女もそうなのだが、やはり「イースト」のけんいちとまど子のお二人が最高。そんな味のあるキャラの皆さんすべての人たちに今後の作品での再登場を願いたいものである。

それから超蛇足的なはなしでは、川原さんのブログ経由でわかったのだが「イースト」のまど子役・熊谷まどかさんは「はっこう」の監督さんだったとのこと。むかし高松まで見に行ってすごいのおと感心したのを憶えていたのでこのネタはけっこう驚いた。

ともかく、なんだかんだで本当に楽しい3時間だったと、ワシはひじょうに満足している。

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