1stblood~"The Day of the Jackal"

前回のエントリーのように若い人たちの創作活動を見ていると羨ましいなと思いながら、ふと自分らがやっていたときはどうだったっけ?と思い出を反芻する時間が増えたりもする。良い機会なので本館ブログでほったらかしだった自主映画に関わっていた頃の話を新エントリーとし「IndiesCinemaParadise」というカテゴリ名で追加していこうかと思う。第一回はそちらからの加筆した転載。

-1982年-

思い起こせばアレは16の春、ワシが入学した高校には映画部という倶楽部活動が存在していた。母子家庭で育ち、毎晩母が仕事で不在時に祖母とテレビの映画劇場や時代劇を見て大きくなったワシは当然ながら映画の裏側(どうやって撮っているのだろう、とか)みたいなものに興味をずっと持っていて、この年の頃には自主映画なんてヤツにも相当な好奇心を抱いていたのである。ココはひとつ思い切って入ってみるかとワシなりに入部のタイミングを伺っていた。

一人で入部に行くのがイヤだったワシは同級生を半ば強引に誘い一緒に入部、生まれて初めて映画作りというものに参加することになったのだった。しかし悲しいかな誘惑の多い思春期16歳。ワシは部活より覚えたての麻雀の方が面白くなり、そちらに方に精力を注ぐようになってしまっていた。

ワシに強引に口説かれて無理矢理入部させられた同級生は意外とマジメに部活へ参加し続け、ワシが部活に来ないことで立腹した先輩方に「あいつはどーした?」と聞かれると「中国語の勉強に行っています」と返答していたとかで(__;)

秋になり改心(?)したワシは先輩方に形だけ(実はこの時点ではそんなに反省していたわけではなく(^_^;))頭を下げて部活に復帰。当時我が校では秋の文化祭で映画部が新作を上映するのが慣例になっていたのだが(と、いうか今思えばそれが活動のすべてみたいな物だった)その年の上映予定作品もワシが戻った頃には撮影も殆ど終わっていて、あとは数回のロケと編集・音入れ作業を残すのみとなっていた。

あらためて現場に参加するとやはりみんなでワイワイとやりながら撮影を進めていくのはとっても楽しい作業で、なんだ、こんなんならちゃんと最初から来ておけばヨカッタと後悔してはみたものの後の祭り(__;)この年途中参加になってしまったことが今以て残念な出来事だったと、自分のチャラい行動を現場に来てから心底自戒したのである。

ちなみにワシが現場復帰して苦労したのは裏方と言うよりは台詞のある出番をあてがわれた所だった。要するに自主映画なぞというものはスタッフとキャストの垣根などナイに等しい世界なので、さっきまでレフ板持って照明を当てていたヤツが「あ、次出番ね」と言ってカメラの前に立つことなど日常茶飯事。しかし芝居なんて生まれてこの方やったことない連中ばかりなので、けっこうこの辺ムリがあるのだ(結局メンバーでイチバン下手なのは実はワシだった・・・)その辺含めてロケに行ったりアフレコやったりという行程自体が楽しいと思える物だったのである。

映画の内容は所謂今で言うクライムサスペンス(^_^;)というヤツで、徳島というローカルな街にワールドワイドなテロリストが地元成金者の殺害を請け負ってやって来るというプロットだった。身も蓋もなく書けばフォーサイスのパロディだったわけだけど、学生映画にしてはけっこうよくできた話だったと今でもワシは思っている。

この時の監督はワシの2年先輩でクラブのリーダーだった人だけど、驚くほど絵作りのセンスがよく、まったくコンテを切らないのに(彼の頭の中には完璧に撮りたい映像がイメージされていたのだ)編集したときの絵の繋がりたるやそれは見事なもので、最初にラッシュでそれを見たときは「おー、こうやって映画は作られるのか」とかなり感心したほどだった。その後自分も含めて何人もの人間が別の映画を作ったが、彼の技量を勝る者は誰一人として存在しなかったわけで、やはり映画監督はセンスがなければ務まらないというのをこの時ワシは学んだのであった。

結局上映日の数日前ギリギリに映画は完成。学園祭のプログラムにもしっかり上映告知が印刷され、後は客の入りを待つばかり。いったいどれくらい来てくれるのだろう?果たしてウケルのかスベるのか?と言った心配事ばかりが先走る中文化祭はスタート。結果から書いてしまえば入場者はフルハウスとなり、急遽2度目の上映を追加したほど反響は上々。

上映中、客の前に姿を見せたくなくて裏の控え室で隠れていたリーダーと一緒に中を覗いていたワシは、館内の拍手を聞きながらなんとも言いようのない感動に浸っていたのである。あー映画を作る事ってホントに素晴らしいと(T^T)結果この時の喜びがベースとなり、ワシはこの日と同じ気持ちを味わいたいがためにズルズルと自主映画の道をダダ滑りしていくのであった。



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