正しい映画を作りたければエラくなれ

と、いかりや長介の言霊を使って現場の末端スタッフ達にそう言ってやりたくなった「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」のはなし。

 

これは凄まじくとんでもない酷い映画だった(__;) もう何と言いますかその酷さは自分の想像の軽く5倍はあろうかというほどで、もはや怒りや落胆と言った体のモノを全て通り越してぐるっと一周した結果理解不能な謎の高揚感に包まれていたかのような、まるで悪いクスリでも打たれて2時間バッドトリップしていた状態だったと言えるかもしれない。

それはたとえて言うと味が不味すぎるラーメン屋で我慢して食べているウチに舌がバカになり、店を出る頃にはなんだか知らないが腹膨らんじゃったよ的奇っ怪な満足感に覆われていた状態に似ている(ま、リアルでそんな経験は無いけどね(ーー;))

ともかく細かいストーリーのバカ部分を書いていけばいつまで経っても終わりそうにないくらい「何をやりたいのかまったくわからない」構成になっていたのにまず呆れた。この映画を見ていると警察機構に中学生以上の知能を持った人間は一人も居ないんじゃないのかと思えてくるし(発端となる誘拐事件の括りが雑・人事権の乱用がアホすぎ・すみれ退職話の前振り意味ナシ・拳銃持った犯人の眼前でボー立ちの刑事/伊藤淳史・そして停職を宣告された瞬間から単独でアテもなく走り続けあっさり犯人を見つけるほぼエスパーなみの青島等々)ギャグ場面が凍えそうなほど寒くてクスリとも笑えなかったのもどうなんだと。

結局「踊る」の劇場版って今まで全部がそうだったけど、オープニングタイトル終わるまでが最大の見せ場兼唯一面白くてわくわくする所だったというのが僕の中での共通項(その感覚は「スターウォーズ」のエピソード1にも近い)つまりかつて好きで熱心に見ていたシリーズがブローアップされて帰ってきたものの、中身スカスカでどーしょうもないという状態だね(このオープニングのパートだけは毎回楽しみにしていた。"Rhythm And Police"のテーマに乗って過去の名場面がコラージュされていく所はホントにカッコ良い)

僕はテレビシリーズの「踊る」を相当熱心に見ていた者の一人だが(三本のテレビスペシャル含めてドラマ版は全てが面白かったと思っている)映画になってからの「踊る」は時間が経てば経つほど全てのキャストが己のキャラクターの良い所を自分で貪り食い続けて、このファイナルに至っては各人が(オリジナルキャストが演じているにも拘わらず)セルフパロディに陥っているような錯覚すら覚えてしまった(例えば織田裕二が「青島の役をやっている自分」をさらに真似して出演してるようなイメージ)

いちばんアカンなあと感じたのはスリーアミーゴスの間合いが完全に下手なコントになってしまっていた所で、あれは役者任せのアドリブを放置していた故におっさんたちのウダ話がリアルで面白くなっていたものを、特に出番が必要じゃないのにムリして投入するからあんな事(ツマンナイ台本通り喋ってます的な)になったんだろうと思うのだ。それ含めてレギュラーキャストの殆どから受ける「やっつけ仕事感」というかな、そういう物を個人的には終始感じてしまってひたすら寂しい気分だった(ユースケからは特にそれが出てたような気がする)

元々「踊る」はサラリーマンの人情劇を刑事ドラマの枠に置き換えたユニークな見せ方をしていたのが面白いと思えた作品であった。組織同士の上下関係や役職等に対する人々の敏感な反応をリアル描きつつ(この部分は我々一般会社員でも共感できる所。それと本庁を「本店」と呼称してみたり逮捕を「確保」と実際の用語に近い言葉を用いたりとか、娯楽活劇ではありながらもそのあたりの現実的な設定は統一感が取れていたのだ)熱すぎず寒すぎず独特の人間関係を形成した人たちの織りなすアクション有りコメディ有り男泣き有りのひじょうに良くできたエンタテイメントだったと僕は思っていたのである。

なので今更ではあるけれど映画版へ移行したときに、事件の風呂敷を拡げずにもう少しテレビドラマの範疇(それこそスペシャル版と同じ作りで良かったのだ)に纏めるべきだったなと、今回のファイナルを見ながらそれをホントに痛切に感じてしまったのだった(遅いけどね-・・・)

で、なんとか良かったところはもう無いかと(ーー;)鑑賞後脳内リサーチをかけると、15年前からのフリだった室井が警察トップになるという事項が達成されたこと、これが「FINAL」と銘打たれた映画の中で唯一完結編らしきパートではあったかなとそこだけは満足している。

そんなわけで最初にも書いたが番組のファンだった者からすると怒りや落胆や面白くないといった感情とは違う、独特のうら寂しい想いがいろいろと湧いてくるであろうそんな最終作の鑑賞報告。もう次回作はやめとけよ(__;)
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2 Comments

たかのツメ  

なるほどぉ

個人的には 潜水艦事件をODの劇場版として製作して欲しかったなぁ~って思います。
まっ
和久さん亡きODはもぬけの殻ですので…

2012/10/11 (Thu) 21:28 | REPLY |   

しろくろShow  

あー、そういえば・・・

こんばんは、はじめまして。
コメントありがとうございました<(_ _)>

ありましたねー動画1カットも存在しない「潜水艦事件」(^_^;)今の今まですっかり忘れてました・・・・

ちょうど映画見た後でこちらでは(四国の徳島ですが関西テレビが映ります)「踊る」のテレビシリーズが再放送されてまして、そういやHDで見たこと無かったなあと思いながら全話録画して深夜見返しました。

やっぱり良いドラマでしたね(と、過去形になるのが悲しい・・・)

2012/10/11 (Thu) 21:46 | REPLY |   

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