東寺の前で響き続ける咆哮

少し前のエントリーで書いたとおり、11/24に開催された京都みなみ会館「京都怪獣映画祭ナイト2」に参加してきた。当日の私の細かい行動についてはこちらを参照のこと(興味ない人は時間のムダなので閲覧自重されたし(ーー;))
IMG_0264.jpg

以下に昨年同様時系列で見たこと聞いたことを書き綴っておくとする。

○22時25分 開場・・・ぱっと見前年と比較して客入りは増えていたのではないかという印象。何処に座るかじっくり余裕持って席を選べた昨年と違い、入場後はあっという間に良い席が埋まっていったような感じ。僕は例によって後方端の席(上写真参照)に陣取り、いびきをかいたとしても迷惑のないポジションに居たつもりである。ホントなら一番後ろが良かったのだが(コレは後ろから二番目の列だった)今年は関係者席に設定されていて、そこだけがちょっと残念だった。

○23時00分 「妖怪大戦争」(1968年)上映
 
長いこと見てなかったけどたぶん過去に10回は見ている映画のはずで、最後がもう20年くらい前になるだろうか。それもあって記憶に残っていたのは海外からやってくる舶来妖怪「ダイモン」が主役というのと、そのダイモンを演じていたのが「大魔神」のスーツアクターでもあった橋本力さんだったこと(よく見たら眼が同じなので直ぐわかる)日本妖怪連合の代表・油すましが何故か関西弁(ホントは九州の妖怪なのだが、声の担当が白木みのるなのでそうなったのではないかという話)だったことくらい。今回の久々鑑賞でだいぶストーリーを思い出したが、そのこと以上に驚いたのは、なんてちゃんとした作りの映画だったんだろうかという部分であった。

これは昨年の同所で「大魔神」を再見したときにも思ったことなのだが、怪獣だ妖怪だという奇抜なジャンルの作品と言うことを抜きにして、まず時代劇としての作りがしっかりしているのである。それは台詞廻りにしろ役者の芝居にしろセットにしろ、市川雷蔵の「眠狂四郎」や勝新太郎の「座頭市」シリーズ等と遜色のない時代劇的土台の安定感とでも言えばよいのか、その上で目線をやや下げた子供向きの作品として仕上げられていることに感心させられてしまったのだ。

映像面での工夫や処理も技術的にはローテクでありながら照明の使い方(主にダイモンが神田隆に乗り移る場面等で)やオーバーラップの使い方(百鬼夜行が見事なまでに幻想的な仕上がりになっているのと、着ぐるみの数が全然少なく感じず、画面上では100体近くの妖怪が動いているように見えたあたりもすごいなと)などがきっちり「映画の絵」としてキマッていて、これはもう当時の大映スタッフの技術とセンスが素晴らしかったとしか言いようがないと思うのである。

お話的には思っていたよりダイモンが強くなく(ガキの頃のイメージだと無敵の印象があったけど案外すぐ弱点を露呈したり)これだけ代官所の中で酷いことが起こっている割に悲壮感が全くなかったりとか(^_^;)ユルユルではあるのだけど、一本目から楽しくて良いモノを見たなあという気にはさせてもらえた。

○0時20分 トークショー・・・女優/川崎あかね+映像作家/原口智生(司会:怪談作家/木原浩勝
IMG_0267.jpg
 
この直前に見たばかりの「妖怪大戦争」ではヒロインだった川崎あかねさんが登場。本作出演時は二十歳でこれがデビュー作だったそうだが、今やすっかり品の良いおばあちゃんになられていた。発言量はそれほどなかったが関西の方らしくトークの間合いも抜群で、NGを連発した際黒田義之監督に「フィルムは新聞紙じゃないぞ!」と怒られて泣いたという話が一番印象に残った(この日の司会だった木原さんのネタに後で使われてたけどね(^_^;))

原口さんは正直過去の監督作品で良かったものがあんまりなくて(「デスカッパ」とかですな(ーー;))失礼ながらそれほど興味はなかったのだけど、やはり根っこは我々と同じいち特撮ファンからスタートしている方なので(おじいさんが確か東宝の技師だったと思うが)勝手な同胞意識が働いてかトークを聞いているとあー、やっぱりいい人なんだなと思えてくるのも不思議なところ(~_~;) そしてトークショー終了後はサイン会等もあったが、体力使いたくなかったのと物販に行く気が(ついでに言えば予算もなくて)なかったのでそのまま自席で待機することにしていた。

○2時10分「モスラ対ゴジラ」上映
 
今回のラインナップではこれだけが京都とも関西とも関係のない話になっているのだけど、やはりお祭り企画にゴジラは外せないのだろう(よー考えたら大阪が舞台の「ゴジラの逆襲」や平成版なら京都に現れる「ゴジラVSメカゴジラ」という手もあったなあ)僕自身は「モスゴジ」を映画館で見るのは三回目。最初が80年「のび太の恐竜」との併映だった超・短縮版(この日の繋ぎトークで木原さんが仰っていた「短縮版には最後TALIZMANの唄が延々とかかっている」という話を聞いて僕もそれ思い出してしまった(^0^;))二度目が83年の「ゴジラ復活フェスティバル」で上映されたノーカット版でそれ以来となる。

元々本作は数あるゴジラ映画の中でも群を抜いてビデオで見た回数も多く(付け加えるならビデオ化以前にドラマ版のレコード(若い人は信じられないだろうが、ビデオが無い時代の昔はそんなモンがあったのだよ)もさんざん聞き込んでいたりもしていた関係で)殆ど台詞暗唱してるくらい好きな作品だったので今回の選定に不満はないが、だからこそ退屈するんじゃないかと来る前は一抹の不安を抱いていたのであった。

しかし音の持つ力というのはやっぱりすごいわ。モノラルの筈の非・ワイド音声なのにあれだけの大音量で聞くと伝わり方が全然違う。ザ・ピーナッツのハーモニーがほんとに美しいというのを何十年かぶりで感じたし、今作では特にパターンの少ない伊福部節も新鮮に聞こえちゃってまったく眠くならなかったしねー。

それで思うのは特撮の絵の組み方の旨さというか贅沢さというのか、例えば実景をパンしてカメラを振ると遙か向こうにゴジラがちらっと見えたりする合成画面の奥行きの深さだったり、これは合成ではなく広いセットのかなり向こうにいるゴジラをホテルの窓越しに捉えたショットだったり、はたまた村人が振り返った瞬間山向こうからゴジラの顔がぬうーと出現したりする合成場面の異常にリアルな空気感、ここいらはテレビの矮小な画面ではなかなか伝わらないもんだなと今さらながらに再認識した次第である。

ただまあこればっかりは仕方ないんだけど、今見たらインファント島の皆さんが田舎のハワイアンセンター(ーー;)でやってる余興部隊に見えてしまうのは笑ってやり過ごしてあげましょう。

○3時45分 「ウルトラセブン第14/15話・ウルトラ警備隊西へ」上映(16mm版)
 
「ウルトラセブン」が劇場の大画面ででかかるというのは1968年の東映まんがまつり「ホルスの大冒険」との併映以来だそうで、それはそれですごい出来事に立ち会った(?)という感動はある。このエピソードがセブンの中で特別好きかと問われると個人的にはそれほどではないのだが(ペダン星人の安っぽい豹変の仕方がそれまでのシリアスな侵略嫌疑という、今で言う尖閣問題にも似た今日的テーマを吹き飛ばしてしまった印象があって乗り切れない話だったと言う印象が強い)シリーズ中唯一の関西編ということもあり、神戸港やポートタワー等自分も何度か行ったことのある場所がこれだけ大きな画面で映るというのはそうとう臨場感があった。

それでコレも先の作品と同様音に対して自分の脳反応が違っていたのに気がつくのである。特に本編で何度かかかる挿入歌「ULTRASEVEN」が、今まで冗談抜きに1000回は聴いている曲でありながら「こんなに格好良かったっけ?」と思わずには居られず、つくづく人間の感覚というのはよくわからんものだと。画面サイズをでっかくして大音量でそれを見ればここまで感じ方が変わるんだなと思ってしまった。

○5時00分「ガメラ3 邪神覚醒」上映
 
この時間までがっつり起きていた自分を褒めてやりたいと思いながら、正直限界が近づいていたのもこのあたり(__;) しかしコレを見るために京都駅も直前現地踏査してきたわけで、クライマックスである京都決戦シーンのそこだけは意地でも目を見開いておかねばとこの夜最後の力を振り絞ってみた。

実は平成ガメラは「3」だけを劇場で見ておらず(公開後ビデオで鑑賞済み)僕からすれば今回が良い機会となったわけである。タイミング良く少し前にCSの日本映画専門チャンネルでも「3」の放送があり、そちらも録画して京都のシーンだけ事前チェックしてきたので予習もバッチリ。おかげで実際の京都駅構内では怪獣が二匹対峙するとほぼ身動きできない広さしかないというのが判明(ーー;)

そのへんは本編上映前に流れた特別映像のインタビューで「3」の美術監督だった三池敏夫氏も仰っていたが、実物よりはかなり広めの縮尺でセットを組んだそうである。しかし現物を見た数時間後にそこが木っ端微塵になる映像を見せられて(あらためて見るとほんとに精巧な作り)さらにその後同じ場所へとまた戻っていくというのが何とも言えない不思議な感覚があって面白かった。

唯一残念なのは映画としての「3」は作り手のやりたいことがあっち行ったりコッチ行ったりで纏まりの悪い不親切な作品になっているという点で、自分の中では鑑賞後のスッキリ度合いがそうとう薄味になっているが(話投げっぱなしなのも気に入らんし)そこを除けば映像作品としてはかなり濃い出来だったとも言えるのではないだろうか(他でもイリスの形状が男根風で、前田愛にスリスリした瞬間怒髪天を突くなんてのはメタファーとかじゃなくて「まんま」ではないかと思ったけど、改めてあんなんイイのかねと言いたくなったなあ)

7時00分 終了

前売り購入特典のオモチャを受け取り(下写真参照。「モスゴジ」でインファント島に登場する”怪骨”とのこと。そんな名前があることを今日まで知らず・・・もうひとつは二十四連装ロケット砲)外へ出るとすっかり朝になっていて明るさに眼がついて行かない(>_<)このまま僕は徒歩でリアル京都駅に戻り、怪獣達に破壊されていないのを確認すると(ーー;)8時のバスで家路に向かったのである。家帰ってからのヘロヘロ具合を考えると、今年は最後までよく頑張ったと思いますわ。(さらに言うと怪獣映画は大スクリーンで見てこそナンボやと思い知った夜でもあった)

最後に各関係者の皆様、今年もこのような楽しいプログラムを組んでいただきありがとうございました<(_ _)>
そして参加した他の皆さん、本当に長時間お疲れ様でした<(_ _)>

で、来年ですか?そんなもんもしあれば老体にむち打って行くに決まってますがな(^_^;)
IMG_0272.jpg
関連記事

10 Comments

晴雨堂ミカエル  

ついでに・・。

 DX東寺に行きませんでしたか?

2012/11/27 (Tue) 22:24 | REPLY |   

楽珍劇場  

お疲れ様でした~

凄い、完走したんですね!
ワタシは『モスラ対ゴジラ』で絶対寝てしまうだろうなあ・・・
こういったイベントでは、会場が一体になるような空気が心地良いんですよね。

2012/11/27 (Tue) 23:30 | EDIT | REPLY |   

しろくろShow  

それはまさしく予想外

>晴雨堂ミカエル さん

こんばんはー、コメントありがとうございます_(._.)_

どこだ?と思ってすぐググってみました。一発でヒットしたのですがおー、これはこれはと・・・(ーー;)

あんな雅でありがたいゾーンに別の観音様がたくさんおられたとは知りませんでしたよ(^_^;) 今度行ったらは参拝に廻ってみます。

2012/11/28 (Wed) 21:26 | REPLY |   

しろくろShow  

コツをつかめばなんとかなります(~_~;)

>楽珍劇場 さん

こんばんは、コメント感謝でございますm(__)m

僕は去年に続いての参加だったのである程度体力温存の仕方なんかもわかった上で(ホンマかいな(ーー;))現場には臨んでおりました。

たぶん寝たのは「ガメラ3」上映中のの15分程度だったと思います。

当日は一本終わる度に館内に拍手が鳴って、それが実に心地よい気分でした。

四国でも一回くらいはこんなんやってほしいですよね。

2012/11/28 (Wed) 21:34 | REPLY |   

フクロムシ  

わんばんこ~

どうも~トラバありがとうございマッス
会場ではなんども接近遭遇していると思うのですがまったく気づかず失礼しました
私もたぶんセブンまでは保たないと思ってたんですがなんと最後まで意識が飛ぶこともなく観賞できて自分でも驚きでした
その分帰ってきたら爆沈してしまいましたが…(^^;
また来年、今度はぜひごいっしょしましょう

2012/11/28 (Wed) 22:47 | REPLY |   

晴雨堂ミカエル  

閑静な住宅街にありますよ。

 影山理菜嬢がやってきたとき、早朝公演の行列に並びましたら、通学の女子校生から冷たい嘲笑を浴びました。

 今の私は全く気にしませんが。

2012/11/29 (Thu) 12:27 | REPLY |   

しろくろShow  

>フクロムシ さん

どうもご丁寧にこちらにまでコメントありがとうございます<m(__)m>

来年は徳島怪獣軍団として徒党を組んだ上で(?)京都入りしたいものですね。是非ともお伴させてください。

おみやげの「怪骨」は既に我が家でも飾られています(カミさんがコレ見て「なんか和むなー」と言ってました(^_^;))

2012/11/29 (Thu) 19:44 | REPLY |   

しろくろShow  

>晴雨堂ミカエル さん

こんばんはですー(^^)

再度情報チェックしたら「素人祭り」なるものが・・・ホームページのセンスが道後ミュージックよりよかったので全部見ちゃいましたけど(^_^;)写真付きの道案内は親切でした。

徳島のこういう文化はSY松竹の焼失と共に無くなって久しいですから、新鮮に感じましたです。

2012/11/29 (Thu) 19:49 | REPLY |   

HORIDASHIDOGU  

 「モスラ対ゴジラ」は、生まれて初めてビデオで観た作品で、佐原健二が田島義文の頭を拳銃で撃ち抜くシーンが、顔中血だらけの佐原の姿と共に印象に残っています。伊福部昭の音楽の中、背後から防衛隊の攻撃されながらも悠々と前進してゆくゴジラの姿がカッコ良かったです。
 「ガメラ3」は、初めて観たとき、ド迫力な映像に打ちのめされたのを覚えています。自分の印象だと、公開当時から徐々に評価が下がっているのかなぁという感覚があります(逆に「2」は段々と評価されてきてるような・・・。個人的には「2」が一番好きです)。
 なにはともあれ、オールナイト独特の雰囲気はとても好きです。詳細なリポート、楽しかったです。ありがとうございました。

2012/11/30 (Fri) 19:20 | REPLY |   

しろくろShow  

ナゴヤ名所破壊案内でもありました

>HORIDASHIDOGU さん

コメントありがとうございました<(_ _)>

佐原/田島の掛け合いは生臭くてリアルな会話だったのが昭和ゴジラシリーズでは珍しかったですね。

「なんならモスラの卵を担保に金貸すよ」と笑う佐原健二の芝居はとことんイヤな奴オーラを出してて最高でした。

それで実は私もレンタルビデオ創世記(83年頃だったかな)に借りた二本目か三本目の映画だったと思います(初めてレンタルしたのは「大魔神」だったのですが)そういう意味では思い出深いゴジラ映画です。

それから平成ガメラですが個人的好みで言うと僕は「ギャオス」>「イリス」>「レギオン」の順番になりますが、たぶん映画としての完成度で言うと「レギオン」>「ギャオス」>「イリス」なんだろうと客観的には理解してます(^_^;)

2012/11/30 (Fri) 22:02 | REPLY |   

Leave a comment