虎よ、虎よ!

レイトで「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」を見て来た。

 

何処で聞いてそう思っていたのかはわからないけど、僕はこの話をほんとにあった出来事の映画化だと思っていたので、スタートから45分くらいまで「退屈なのはきっと事実だったからだ、セミドキュメントだからに違いない」と信じて疑わなかった。と、いきなり「出だしツマラン」などと嫌事を言い切ってしまったけど(だって話がぜんぜん進まないんだもの(__;))それくらい映画前半は睡魔と戦うのに苦労したのである。

しかもどうやらこれは語り部のいる「千夜一夜物語」のような完全なる御伽噺であるというのがその後少しずつ判明し((ーー;)理解するの遅すぎ??)不思議なものでフィクションとわかってから以降は物語が急展開したこともあって集中力が蘇ってきたのだが、中盤からはなかなか見応えのある映像と予想外のストーリーが続いて最後まで飽きるようなことはなかった。

なんでそういう勘違いが解消されなかったのかと言えば、漂流するまでに至る主人公の人生がドラマとは思えないリアリティを持っており、おそらくその部分については実際にあった事じゃないのかと想像しているが船が転覆してボートの上でトラと対峙してからでも安易に心を通わすような描写は一切なく、獣は獣人は人という現実味のある見せ方をしていたのが功を奏した(?)のだろうと思うのだ。

中盤以降は上↑でも書いたように御伽噺的な流れへと映画は動いていき、ある意味劇中劇で語られた物語はハッピーエンドで終わるのだけれども、その話の中には"こういうイヤな現実"があってそれを許容したくなかった主人公が作り出した心の逃げ場所だったのかもしれないという可能性が提示される。それを見た瞬間、直前まで感じていた「この内容じゃそんなアホなと言わんばかりの『バロン』風ほら吹き噺ではないか」という安直な感想(ちなみに映画本編のこのあたりは抜群に面白いので念のため。決して腐しているわけではないス(__;))は一瞬で吹き飛んでしまったのだった。

比較的現実的な始まり方をして突然ファンタジーになり、最後の最後で現実のつらさを直視しなければ行けない所へと戻ってくるこの映画は「トラとの漂流生活」という映画の売りとは別のところに魅力のある、ひじょうに人間くさい作品(すごく良い所と冗長で退屈なところが同居していたり、海上でのシーンでCG/セットなのが丸わかりの安いカットもあれば声が出そうなくらい美しいシーンが突然現れたりと一本の映画の中でやたら振幅が激しいのも含めて)だったなと僕は思うのである。個人的には好みに合う映画だったし、ビジュアル面では間違いなく映画館向きの作品だった。未見の人は是非劇場で。
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2 Comments

晴雨堂ミカエル  

私も勘違いしたクチです。

 世界的ベストセラーの小説か児童文学の実写映画化らしいですね。

 私も最初は実話の映画化だと勘違いしました。

2013/03/06 (Wed) 19:58 | REPLY |   

しろくろShow  

やはり宣伝の影響でしょうか

> 晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

なんとなく予告やテレビスポットなんかだとそういうニュアンスで煽られていたような気もしますね。。。。(それにまんまと乗っかってしまったわけですが(^_^;))



2013/03/07 (Thu) 21:55 | REPLY |   

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