君にも見える特撮の星
昨年夏に東京都現代美術館で展示が行われた際には来場者が30万人近くに及び、各メディアでも話題になった「あの」企画展が全国巡回となり、その最初がどういうわけか松山になったのは同じ四国に身を置く者(私は四国一田舎の徳島在住)としては驚かずにいられない話だった。こんなサブカル系文化過疎地でこのような大・イベントが先行して開催されるとは、嬉しいやら申し訳ないやらで(^_^;)
本来なら初日から見学に行きたかったが都合でままならず、ようやくこの日の午後に現地入りしたのだが来場者は多からず少なからず(ーー;)
ごった返しているのを想像していたのでやや拍子抜けの感はあったものの、見やすい状況にあるのはありがたい話。早速入り口に向かってみた。
展示の構成はおおきく二つに分かれており、まずは過去にあった特撮テレビ・映画で使われた小道具が並ぶ部屋が続く。最初のゾーンでは昭和36年版「モスラ」の特大ポスターに驚き、次のコーナーでは居並ぶ円谷作品の超兵器たち(ウルトラホーク/マットアロー/ボーンフリー号/バッカス三世等々)の中でも最大サイズ(全長3メートル弱)を誇ったMJ号に目が釘付け(ーー;)
展示物は複製したものもあれば撮影に使われたホンモノもあったのだが、このMJ号は現存するミニチュアを造型師の原口智生氏が復元した物であるとか。
※参考記事1 参考記事2
他にも実際に「メカゴジラの逆襲」で使われたメカゴジラ2の着ぐるみであるとか、撮影現場に自分もいるかの如くリアルに再現された「特撮倉庫」であるとか書き出すとキリがないほどどれを見ても「おー」と声の上がるものばかり。これだけの物量があればたぶんディープな特撮ファンじゃない人でもかなり楽しめることだろう。
聞いた話では今回の巡回展示は東京で使われた物をほぼ100パーセント運んできているとのことで(昨年11月の京都での上映会で原口氏の口からその話が語られたのを僕も聞いた)なるほど中身が濃いのもこれで頷けるなと、まだ見学は折り返しにも来てなかったのに僕は今日ここへ来たことを既に満足していたのであった(^_^;)
それでちょうど会場真ん中アタリに短編映画「巨人兵東京に現る」の上映ルームがあり、僕は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」との同時上映で見ていたので2度目の鑑賞ではあったがなぜかそのときよりも面白いと思えてしまったのだ。
そちらはこの「特撮博」で上映しているものとは若干バージョンが違っていたそうだが、シネコンで見たときは画質も悪くてアラの方ばかりが気になってしまったのだけど、ココで見たヤツは画もクリアだし画面の大きさも映画館ほど大きくなかったのがちょうど良かったのか、前回見たとき気になったマイナス部分を殆ど感じることはなかったのである(見ている場所の空気(熱気?)の差と言うヤツだろうか)
そしてその部屋を出るとそこから後半の展示は「巨人兵」のメイキング上映(これがまた中身が濃くて面白いのだ。ビルの倒壊シーンをいろんなパターンを駆使して撮影に臨んでいたのがよくわかったし、合成素材の巧みな使い方なども唸るような内容)や撮影に使われた絵コンテ・造形物等数々のコーナーが続き、最後に撮影の許可されているミニチュアジオラマゾーンへと辿り着いた。
この場に立っていると自分が怪獣か或いは今風だと「進撃の巨人」にでもなったような気分が味わえて実に楽しい(^^) そこを出た後はもう物販会場になっていて展示は終了なのだが、時刻はすでに15時になっており、気がつけばがっつり三時間も館内に彷徨っていたことになる。ふだん美術館や諸々の記念館でどれだけ興味のある企画展示を見学しても2時間超えることなどまず無い短気な僕だが、今回はそれだけ濃密な内容だったと言うことだろう。
別に県や主催者の回し者でも何でもないが、多少なりとも特撮映画(に、特化しなくとも「映画」の好きな人なら楽しめるはず)に興味のある人であるならば、行かないと一生後悔するぞ!と言い切ってしまいたい。未見の人で行ける距離にある人はぜひ、いや「必ず」足運んでみてくださいませ(ーー;)
※参照記事3:ブログ仲間の楽珍劇場さんが偶然にも同日に見学に行かれていたそうです。
※愛媛での展示は6/23まで。ちなみにこの後の巡回展示は11月に新潟で開催予定とのこと。
見学終わりの夜に現地で飲んだ酒は美味かったなあ・・・(>_<) そして松山話はもう少し続く。
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