You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

Category: ◆映画は液晶前の指定席で=TVやDVD等で見た映画の話  

"Body Snatcher from Hell"~この英題かっこええのお

本ブログではおなじみの日本映画専門チャンネルでやっている月イチレギュラー企画の一つに「THE BEST」というコーナーがある。これは毎月テーマを一つ決めて視聴者からの投票と四名のパネラーによるディスカッションでその日放送する作品を決めようという試みなのだが、番組の構成上何が選ばれるかは初回放送時までわかっておらず、EPGや雑誌の番組表にも「当日決定」としか記載はされていない。

IMG_0576.jpg七月は「恐怖」がテーマと言うことで投票結果は左写真の通りになったのだが、これだけを見た限りでは普通すぎて面白くも何ともなかった。

しかしながらこの投票結果というのはあくまでも作品選定のボーナスポイントのためだけのものであって、バネラーが推薦する映画がこの中になければたとえ一位になっても放送されることはないのだ。

今までは投票結果とパネラー推しの映画がまったく被らない事は無かったのだけど、今回は見事に4名全員が投票選外の作品を推薦したため、視聴者の投票はまったく「意味のないもの」になってしまったのである(このシステムもどうかと思うがなあ・・・)

結果的にはどれになっても興味のあるものばかりだったので自分としてはありがたい展開ではあったが、この場で最終選定されたのは以下の4本。

「インプリント~ぼっけえ、きょうてい」・・・作家・岩井志麻子選出。自分の原作で尚且つ出演もしている作品を持ってくるとはさすがだ。しかしテレビで見る岩井氏は顔怖いな(__;)

「蛇の道」・・・特殊翻訳家・映画評論家・柳下毅一郎選出。実は好きなライターなのである。ただ今回はちょっと黒沢清押しの無理強い感が強すぎたかも。

「吸血鬼ゴケミドロ」・・・映画監督・白石晃士選出。「ほんとにあった呪いのビデオ」シリーズで有名な監督さん。なかなか喋りも達者。

「この子の七つのお祝いに」・・・映画パーソナリティ・コトブキツカサ選定。トークはウザいけど知識は豊富な元芸人。場をかき回す役割としては最適。

で、この候補作が揃った段階で僕は「ゴケミドロやれ!」と一気に心が燃え上がり、アタマの中では全員額のぱっくり割れた脳内チアリーダーたちが"G!!・O!・K!・E!”と踊り出してしまう始末であった。

ただまあチャンネルの性質(会社の契約上の都合というか)から言って松竹映画を放送するのは滅多にない局だし、きっと「蛇の道」か「ぼっけえ_」に落ち着くのではないかと思っていた。ところが、意外なことに僅差で「ゴケミドロ」が選ばれて、番組終了後そのまま映画がオンエアされることになってしまったのである。いやいや、時間遅いけどこれは寝ている場合ではないなと(^_^;)かじりつきでそのまま最後まで見てしまった(「ぼっけえ_」も興味はかなりあったが・・・)

以前チャンネルNECOで放送があったときに見て以来だから何年ぶりだろうか?そのときはSD画質だったのでHDでのゴケミドロは今回が初視聴となる。冒頭の旅客機飛行場面で(タランティーノに「キル・ビルVol.1」でオマージュとして使われた場面として近年有名)フィルムの傷が若干気にはなったが、今まで見たなかではやはり最高画質。

昨年参加したホラーベスト10で2位に投票したほど好きな映画ではあるが、なにぶん長いこと見てなかったんで細部を忘れていることも多々。まずビックリしたのはこの映画ってタイトルクレジットが直ぐに出ず、一通り登場人物の紹介終わってから「吸血鬼ゴケミドロ」というサイケな文字が現れた事(たぶん始まってから10分くらいは経っている)

対象年齢は子供だと思っていたら武器製造会社の社長が議員を抱き込むために自分の妻を愛人として提供しているとか、当時としてはかなり残酷な描写を各所に挿入していることとか、オチの救いのなさなどを含め改めて見ているとコレ絶対大人向きの映画だよなと言う気がするのだ。

僕もよく見ていた大阪朝日放送の「○○休みこども映画大会」で何度もこれが放送されたのはたぶん「ゴケミドロ」というタイトルだけで怪獣(怪物)映画と決めつけた局側の安易な作品チョイスから来ていたのかもしれませんな(おかげで僕のようにトラウマ抱えた子供達が近畿二府四県+四国1で大量発生したのは想像に難くない)

そしてこの映画が今以て魅力的だと感じるのはまず濃度の濃いキャストの怪演にある。お話しとしては飛行機が不時着した後の極限状態から脱出するまでをメインに描いているが、どいつもこいつも行動が実に生々しくエゴ丸出しなところが面白いのだ。特に悪役として配置されている金子信雄北村英三が一度も改心することなく悪いヤツのまま退場していくのも良いし(一瞬でも「この人良い人かも」って思わせないのが役者の力量としたら凄いなって思える)反対に品行方正超真面目を絵に描いたような主役の吉田輝雄(根拠はないが劇中では常に真っ白で隙間のないピッタリのブリーフ穿いてます、みたいな印象)が真の緊急時に於いては正論だけの男なんてクソの役にも立たないという扱い方をされているのも実に面白かった。

アダムスキー型円盤から不定形状態のゴケミドロが姿を現す場面も途中にはあるけれども、映画の殆どはこうしたパニック描写に充てられているためか主人公が脱出してからの急展開はこの映画が侵略SFであることを突然思い出させてくれるようになっている(ここで冒頭の予兆(鳥の自殺等)や謎の光体との接触という前振りがかなり効いてくるのである)

それで今見たらどうかなーと若干心配だったラストへの繋ぎは、やはり怖かったので安心したのだが(コトバとしちゃヘンだけど(ーー;))これは先見性のある国産SF映画の傑作としてもっと評価されるべき映画だと改めて思ってしまったなあ・・・

最後にどうでもいい小ネタとしてはトーク中に白石監督から披露されたゴケミドロ役の高英男(超・高名なシャンソン歌手)に男色の噂があったという話があがっていた。個人的になるほど!と思えたのは、そういうヒトが眉間に女性器にしか見えないモノを付けたまま主に男性へと襲いかかっていたのはいろんな意味合いがあったのかと、この映画に対して穿った見方がまた一つ増えたワケである(あー、ホントにどうでもいい話だ・・・(__;))

 
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Comments
Editゴケミドロは私もトラウマです。
 初めて観たのが40年以上前。夜中の便所、行けなくなりました。当時は高知の山村に住んでましたので、便所は母屋の外で水洗でなく、電灯が無いので懐中電灯もって行く必要がありました。
 便器から裂けた額の高英男がぬっと出てきたら、怖いですよ。

 子供にとっては衝撃でしたね。バットエンドでしたから。

 学生時代に、読売テレビが深夜にやっていた「シネマだいすき」でノーカットが放送されたのでビデオ録画しました。
 改めて観るとベトナム戦争が背景にある台詞や人物設定が多々ある作品ですね。
Editなんか安心しました
>晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

今回意外な形で念願叶いHD版の「ゴケミドロ」を見ることが出来ました。正直今見たらどうかな、ガッカリせんかな~と一抹の不安は抱いていたのですが全然杞憂に終わりましたね。

やっぱり最後はコワっ(ーー;)て思えましたからすごい嬉しかったです。

そういえば確かに外国人女性の生存者(これはキャシー・ホーラン(「ウルトラセブン」や「怪奇大作戦」に出てた外タレ)でしたね)がベトナム戦争で夫を亡くしたって設定でした。

それから「戦争・紛争が無くなったら困る人もいる」という台詞はリアルな世相を表現しつつ今日的だなあと思いました。

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