夏休み非指定課題図書中年読書感想文

今夏は新作GODZILLA絡みの影響もあってか、やたらとソレ系の書籍が出版されていたので自分もそれなりに何冊か買ってみた。先行して手に入れたのは7/13の記事で紹介した2冊だが、今回はそれ以降に買ったものの話。

tokuhon.jpg左写真に写っているものがそうなのだけど、これ下段にあるヤツは全部復刻・再販の物ばかりで初回出版時は高額だったため購入を断念していたのだが(本多監督の「ゴジラとわが映画人生」だけは初版ハードカバー版を買っていた)こうして文庫/新書化されて廉価になってくれたのはたいへんありがたいことだと思っているのである。そんなわけで一冊ずつ簡単に感想を記録しておく。

「文藝別冊KAWADE夢ムック/伊福部昭: ゴジラの守護神・日本作曲界の巨匠」・・・生前伊福部昭の残したインタビュー記事が大量に掲載されており、それだけでも読み応えはあったが基本的に編集方針はあくまでも作曲家/音楽家=伊福部昭を取り上げた物になっているため従来の特撮系ムック本とは違った視点の異なる話が随所に読めて新鮮だった(「映画音楽を仕事として続けていたのは何と言っても生活のため、喰わんが為ですよ」と言った特撮ファンからするとやや耳障りの悪い話も入っていたりして(^_^;))

「ゴジラとわが映画人生」・・・本多猪四郎監督の自伝的インタビュー本。所持してるし既読済みの本だったけど、なんとなしに寝ながら読めるサイズになっていたこともあってついつい買ってしまったのだ(やっぱりハードカバーは重いわ(ーー;))新書版用のあとがきとして本多監督の息子さんが父・本多猪四郎を語るパートが追加収録されていたのはちょっと感動。あらためて本多監督のインタビューを読み込んでいくと何と言っても戦争体験を敢えて穏やかに語っておられるのが逆に生々しい戦場の異常さ加減を現して、その情景がイメージとしてこちらにどんどん伝わってくるのである。戦線に合計で8年も赴任して、戦後広島の爆心地近くを通って帰国した事が後々の人生に大いに影響を与え影を落とした(亡くなる直前まで戦場の夢を見て目が覚めるということが何度もあったとか)と言う言葉には読めば読むほど戦争というリアルを感じさせずにはいられない話でもあった(これを読んで「ゴジラ(54)」を見返すとなるほどこの映画の強烈な説得力はここから来ていたのかと)

「怪獣人生~元祖ゴジラ俳優・中島春雄」・・・ 今で言うスーツアクターの開祖でもある中島春雄さんのインタビュー本。それほど目新しい話はあまりなかったけど、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」等で一緒に着ぐるみに入っていた手塚勝巳が「こんなもん動けるか!」とスタッフに文句を言ってたとか、彼とはよく喧嘩もしたとか(^_^;)舞台裏でもゴジラ対アンギラスをやっていたというエピソードが僕は気に入っている。今回買った本の中ではこれが一番さらっと読めたかな。

「別冊映画秘宝・初代ゴジラ研究読本」・・・このたび出たゴジラ関連書籍の中では圧倒的にチャンピオンクラスのムック本だったと言えるだろう。インタビューした関係者の数(なにせ古い映画のことなので故人となっておられる方もたくさんいらっしゃるし、このインタビューの直後に亡くなられた方も何人かいらっしゃったくらいで)掲載された写真の量と質(今まで発表されていなかったような舞台裏の写真やオフショット等)といい、とてつもない情報がこの一冊には詰まっている。僕はこれ全部読むのに三日はかかったですよ( ̄。 ̄;) もうこのムックと香山滋の原作小説があれば現状では初代ゴジラについての本は何もいらないんじゃないかと思ってしまいますな。

「ワイズ出版映画文庫/特技監督 中野昭慶」・・・総ページ数500のウチ約8割は中野監督が自らの映画人生を語るという講演会の発言ログ全集みたいな濃密な中身(文庫版用に書き下ろされた中野監督のエッセイも追加収録)東宝の後輩である川北紘一監督のように元々特撮が好きで特撮をやりたくてこの世界に来たわけではなく、殆どなし崩し的に特撮の現場に駆り出されたという話がなかなかに面白い(^_^;) そのへんの拘りがない分どんな予算のない映画でも力を抜かずフラットに一生懸命やってきたというのはある意味素晴らしい仕事のやり方だと感心した。正直彼の担当作品では爆破シーンばかりの演出がやたら目立ってて、それほど良い特技監督とは今まで思ってなかったのだけど、これ読んでその頃の現場の裏話(円谷時代のような制作費が一切使えないカネの無い時代だったこともあり)とか聞いてしまうと見方変わってしまうね。

※中野監督繋がりで小ネタを一つ。8/16に開催された京都みなみ会館"京都怪奇映画祭ナイト"で企画販売された「マタンゴ」の"きのこもち"の全貌が判明した。この記事の通り中野昭慶監督(「マタンゴ」ではチーフ助監督を務めた)監修の元で当時のレシピ通りに再現されたとか。

なんでも上映前は「劇中でキノコを食べるシーンに合わせて一緒にこれを食べましょう」と言うことになっていたとかで、実際そのシーンが来ると館内では包装を破く音が響いていたそうである(「アナ雪」で♪Let it Go♪を一緒に唄うというのに対抗したかのようなアイディア)

matango.jpegと、いうわけでこの写真→はみなみ会館の公式ツイッターからの転用。

きのこもちを手にモデルさんを務めておられるのはみなみ会館のアイドルにして看板娘の吉田館長。

水野久美ばりの妖艶さはないがこのように「お~いしいわよ~」と微笑まれると 当日この場にいたなら間違いなく三個は買っていたでしょうなあ(__;)

この「くせになる孤島の味」というフレーズも見事だ・・・みなみ会館さん(あるいはキャストさん)ほんと真剣にネット通販考えてくれんかねー・・・

そしてみなみ会館では今月27/28日にその中野昭慶特技監督作品である「惑星大戦争」を上映予定(3月からスタートした「大怪獣大特撮全集」の一環)

東映の「宇宙からのメッセージ」と2本立てなので参加可能な方は是非とも大画面で轟天とリアベ号の競演を見に行っていただきたい(その日私は福岡に野球を見に行っているので京都には行けないが←年末の怪獣ナイト4は何があってもスケジュールを確保するつもりだけど)



【追記】8/16に怪奇映画祭ナイトへ行かれた方、および関係者の方のブログ紹介

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14 Comments

つかりこ  

「くせになる孤島の味」きのこもち

↑おもしろいですねー!
映画のシーンに合わせて一緒に飲食したり、
映画に出てくるモノをロビーで販売!
映画館に人を集めるのに役立ちますよね。
ファンならほしいものがたくさんありますもんね。

2014/09/07 (Sun) 03:25 | REPLY |   

しろくろShow  

映画そのものよりこれを食べたかったなと

>つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

このキャッチコピーは最高に良くできていると感心してしまいました・・・(ーー;)

いつもならこの会場での物販はフィギュア/ポスター等が殆どなのですが、こういうのはもっとあっても良いんじゃないかと思いましたね。

2014/09/07 (Sun) 18:03 | REPLY |   

楽珍劇場  

館長さん、可愛い

コンニチワ。
『マタンゴ』の「キノコを食べるシーンに合わせて~」は、『ロッキー・ホラー・ショー』を彷彿とさせますね!
作品と観客が一体となるライブ感覚が素敵です。


「別冊映画秘宝・初代ゴジラ研究読本」はワタシも購入しましたが、
その濃さ故にまだ手を付けておりません!(笑)

おそらく初代ゴジラに関する書籍としては(現状で)、
コレと「ゴジラ1954(事業之日本社刊)」があればパーフェクトでしょう。
「~1954」にはShowさんも挙げてらっしゃる香山滋『怪獣ゴジラ(復刻版)』も付いてますし。

2014/09/07 (Sun) 18:57 | EDIT | REPLY |   

しろくろShow  

むかし持ってた物だと

>楽珍劇場 さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

今までいろんな映画館に行きましたけど、この方のようにキュートな女性が館長をやっているような小屋は見たことなかったですね(年季の入ったオバチャンもぎりの人には何人も会ったですけど(ーー;))今度のイベントのトークショーでは是非演台に上がって司会進行もやっていただきたいものです。

そして「ゴジラ読本」は本当に濃度が高かったです。この調子で以降の作品も出版してくれたら嬉しいですけど、洋泉社の刊行予定に「本多猪四郎研究(仮)」みたいなのがあったので、まずはこちらからですね。

事業之日本社のヤツってめっちゃ高かった本でしたっけ?たぶん値段見て撤退したような記憶があります(^_^;) 以前読んだ物ですと徳間が出してたスーパービジュアルマガジンで「ゴジラ(54)」だけの本があったと思うんですが、あれも良かったですねー・・・

2014/09/07 (Sun) 21:21 | REPLY |   

ちょい若おやじ  

御存知でしたらすみません><

御存知でしたらすみません><
また、完全にゴジラ研究関連の書籍とは言い難いので、あくまで参考図書扱いになると思いますが・・・。
私が読んだことのある関連本としては、以下の1冊だけですので、しろくろShowさんの参考になるかはわかりませんが、紹介させていただきます。

現在、日本大学の社会学の教授である好井裕明氏が筑波大学教授時代に執筆した、
『ゴジラ・モスラ・原水爆―特撮映画の社会学』(2007年、せりか書房)
という書籍を読んだことがあります。
1954年の『ゴジラ』から現在に至るまでの特撮映画における「原水爆」の描かれ方の変容を、好井氏の趣味を爆発させながら、社会学者としての視点から述べられています。

映画の技術や「裏の裏」みたいな研究本ではないのですが、割と私のように当時を生きていない世代には、観客としての視点も多く描かれており読みやすいものでした。
参考までに、簡潔ではありますが私のブログにも本書の感想文を載せていますので、しろくろShowさんのお役に立つかはわかりませんが、参考までにURLを付けさせていただきます!
http://tyoiwakaoyaji.blog.fc2.com/blog-entry-11.html

2014/09/09 (Tue) 21:47 | EDIT | REPLY |   

ポール・ブリッツ  

「惑星大戦争」と「宇宙からのメッセージ」の二本立てですか……(^_^;)

小学生のころのわたしなら喜んで行ったでしょうが、今は……ガマン大会かもしれない(^_^;)

2014/09/09 (Tue) 23:34 | EDIT | REPLY |   

しろくろShow  

これは未読でした

>ちょい若おやじ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

この本はまだ読んだことがなかったです。さっそく調べてみましたがAmazonでも2500円近くしたので、ちょっと買うのは二の足踏んでしまいました( ̄。 ̄;)

でもちょい若おやじさんのレビューを拝見すると面白そうだなと思ったので、古本屋と図書館を巡って見つけたら必ず読んでみるつもりです。

この「怪獣映画を通して世の中・世界のことを色々と語ろう」というのは古くは宝島から出版された「怪獣学入門」(「ゴジラは何故皇居を避けるのか?」「怪獣が南方から来るのは何故か?」等々)や文藝春秋が出してた「ゴジラとヤマトと僕らの民主主義」あたりを読んで目から鱗と言いますか、こういう見方のあるのかと当時は随分勉強(と、言うほどの物ではないかもしれませんが(^_^;))になりましたね。

またこういう理論武装が若い頃は好きだったので(最近はあんまり難しいこと考えないで単純に怪獣映画は怪獣がカッコ良ければそれでいいんだと思うようになってきましたが)かなりのこの手の本は読んだんですけど、いっときほどのリサーチはしてなかったので今回教えて頂いた本は全く知りませんでした。

見つけたら手に取るようにしますね。ご紹介いただきましてありがとうございましたm(__)m

2014/09/10 (Wed) 22:01 | REPLY |   

しろくろShow  

テレビで見比べたときは

>ポール・ブリッツ さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

むかしは「メッセージ」>「惑大」という感覚だったのですが少し前に衛星で見直したときはなぜか「惑大」の方を面白いと思ってしまいました( ̄。 ̄;)

ヒロインの浅野ゆう子が自分の記憶より可愛かったからかもしれませんが・・・

2014/09/10 (Wed) 22:05 | REPLY |   

晴雨堂ミカエル  

館長を主役に「きのこもち」のCMを作ったら・・。

 あどけない顔がきのこもちを食べると真っ赤な口紅と青紫のアイシャドーでメイクした妖艶顔になり、やがてマタンゴに変化していく。

 変化の過程はパイラ星人が青空ひかりの変身を解いていく感じにしたら面白いかもしれません。

2014/09/10 (Wed) 23:10 | REPLY |   

しろくろShow  

あー、それはアリですねえ・・

> 晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

なるほど、すごいざっくりしたオーバーラップで三段変身、みたいな感じですね(^_^;)想像したらけっこうイケそうな気がしますね(サンテレビやKBS京都のローカル深夜CMでありそうなヤツかも)

2014/09/11 (Thu) 21:05 | REPLY |   

HORIDASHIDOGU  

こんばんは。

「初代ゴジラ研究読本」は、なかなか読み応えがありました。近年になって一段と、森岩雄がピックアップされてきた気がします。以前はそれほど大きく取り上げられることは、あまりなかったような(いや、あったかもしれないけど)。子供の頃に刷り込まれた、田中友幸の立ち位置が、よく分からなくなってきました。

「マタンゴ」は、子供のころ、写真を見ただけでイヤになって、結局映画を観たのは、2003年の天本英世追悼上映の時でした(天本さん、マタンゴスーツで顔わからないけど・・・)。キノコは麻薬のメタファーなのかなぁと思いながら目を細くして観ていましたが、ラストのインパクトにはまいりました(子供のころ観ていたら、トラウマだったろうなぁ)。

2014/09/15 (Mon) 21:48 | REPLY |   

しろくろShow  

最初はソノラマのマンガ少年増刊か何かで

>HORIDASHIDOGU さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

森さんの話は確か故・竹内博(PN.酒井敏夫)さんの文章で以前何度か読んだ記憶がありますよ(もう35年くらい前ですかね)絵コンテのことを「ピクトリアル・スケッチ」というのはそのときに憶えたような気がします。

そして「マタンゴ」は私も"大人になってから見た派"だったのですが子供の頃これを見て真剣にキノコを食べられなくなった人もいたので(^_^;) そういう意味ではお互い(?)助かったかのかもしれませんね~・・・

2014/09/16 (Tue) 21:44 | REPLY |   

京都時代劇愛好会  

こんにちは、京都時代劇愛好会のblogをしている者です。

先ほど、blogで当方のblogを紹介していただいた事を知りました。ありがとうございます。
当方は、減りゆく時代劇に対し素人でも復興に何か出来ないかと始めた同好会のblogです。
ですが、みなみ会館の特撮ナイトとか紹介したりして少し内容がぶれちゃいるんですけどね。

キャスト主催の特撮映画は全て参加してますので、又 覗いてやって下さい。
よろしくお願いします。

2014/11/19 (Wed) 21:30 | REPLY |   

しろくろShow  

気がつくのが遅くなり申し訳ありません

>京都時代劇愛好会 さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>
また返信が遅くなりたいへん失礼いたしました。

10/16に当方の仮ミラーサイトにいただいたコメントをこちらに転載させていただきました。

年末のみなみ会館へはおそらく行くことになると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

2014/11/19 (Wed) 21:33 | REPLY |   

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