オマエの血ィ吸うたろかぁ

今月イマジカBSでやっていた特集放送はひさしぶりに見応えあってなかなか楽しかった。テーマとして取り上げられていたのは「吸血鬼映画」である。そのラインナップは以下のとおり。

「魔人ドラキュラ」(31)
「吸血鬼ドラキュラ」(58)
「鮮血の処女狩り」(70)
「処女の生血」(74)
「ドラキュラ」(92)
「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」(00)
「ヴァン・ヘルシング」(04)
「ぼくのエリ 200歳の少女」(08)
「血の伯爵夫人」(09)
「トワイライト~初恋~」(08)
「ニュームーン/トワイライト・サーガ」(09)
「エクリプス/トワイライト・サーガ」(10)
「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1」(11)
「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」(12)

贅沢は言えないができればもう少し80年代の作品とかC・リーのドラキュラをあと何本か入れてくれれば嬉しかったけど、これだけ各年代の吸血鬼映画が一堂に会するのは珍しかったのではないだろうか。今回は「トワイライト」シリーズ以外はすべて見させてもらったので簡単に感想を書きつつ、ヴァンパイア映画の思い出なども一緒に綴ってみようかと思っている。

なお自分がトワイライトシリーズを見ないのはたんなる食わず嫌いなところもあるのだけど、勝手な決めつけでむかしの少女漫画「ときめきトゥナイト」みたいなモンではないかという"おっさんが見るにはどうなんだろう"的な抑制が無自覚に働いたに過ぎず。たぶん見たら全然違う映画なのかもしれないけど(^_^;)ちょっとこのたびは逃げてしまった。

いちおそれ以外は全部見たので何本かピックアップして簡単に感想を書き殴ってみるとしよう。

「魔人ドラキュラ」
 
もう何年ぶりになるかなー、最初にVHSで出たときにレンタルしたと思うけどたぶん20年以上前だね(ーー;) そのときに確かロン・チェイニーの狼男やボリス・カーロフのフランケンシュタインとか1930年代の名作ユニバーサルホラーをまとめた見たような記憶がある。

U3.jpgほんとは自分の世代的にここまで古いモンスター映画に思い入れはなかったのだけど、中学生の頃に朝日ソノラマの「宇宙船」という雑誌がホラー映画特集を組んでいて(他ではハマープロ、AIPの作品など)そのときにこの辺の作品群が紹介されていたのを読んで一気に興味を深めてしまったところがあったのだ。

今回はものすごいインターバルを置いての再見となったわけだが、まず画質がすごく綺麗になっていたことに驚いた。さすがデジタルHDの力は吸血鬼の魔力より偉大なりということで見進むと、自分の記憶にあった舞台調の作りやドラキュラ役ベラ・ルゴシの芝居がオーバーアクトに見えるところなんかは憶えていたとおり。特にドラキュラ城のセットは時代を考えるとすごい大がかりな作りになっているのに驚かされる。ここは今見ても素直に凄いと思えた。

それからこの映画のドラキュラは怪人・怪物というよりは喋りの達者な詐欺師のような風情になっていて、最後の方は"人間対吸血鬼"の構図ではないまるで彼に騙された「ドラキュラ被害者の会」の皆さんが抗議に城までやってくるような、そんな情景にも見えてしまうのである( ̄。 ̄;) 

正直この手の映画に興味のない人が今見たら20分くらいで寝てしまうかもしれない退屈さはあるが、内容ではなくあくまでも吸血鬼映画というジャンル物オリジンの一つとして味わうのが本作のベストな楽しみ方ではないだろうか(あと別の見方とすればティム・バートン監督の「エド・ウッド」(ルゴシが実名で登場←演じていたのはマーティン・ランドー)を見て、ルゴシ個人に対する思い入れ度をアップさせてからこの映画に臨むというパターンもあり)

「吸血鬼ドラキュラ」
 
こちらのほうも中学時代に買った幻のホラー映画マガジン「HORRORWORLD」(たった二号で廃刊してしまったなあ(ーー;))という本で、主にハマープロのホラー映画が特集されていたのだけど、まだクリストファー・リーのドラキュラはテレビで何本か見ていた関係で(「ドラキュラ72」とか「ドラキュラ血の味」「ドラキュラ血のエクソシズム」あたりを水曜ロードショーで見たハズだ)馴染みもあったし、そこに書いてあることはずんずんと脳に染みいるように頭に入ってきたのである(いつしかハマーのホラーは自分の中で必修科目のようになってしまっていた)

HW.jpgこの本を読んでわかったのは自分が子供の頃テレビで見た初めての吸血鬼映画が「ドラゴンVS7人の吸血鬼」( ̄。 ̄;)(タイトルだけ聞いたらしょーもないC級映画のノリだけど、実はけっこう面白かった)というもので、これもハマープロの作品だったこと(香港のショウブラザースとの合作)そしてこれにはC・リーは出ておらず別の俳優(ジョン・フォーブス・ロバートソン)がドラキュラを演じているが、ヘルシング役はいつものピーター・カッシングだったこととか、読みながらなるほどそうだったのかと勉強(?)になることだらけ。

それでこのC・リーとカッシングの黄金コンビによる一作目はその後なかなか鑑賞するチャンスもなかったのだけど、数年してテレビの深夜放送でオンエアがあったのを見たのが最初だった(これは高校生の頃。めっちゃ見たかったはずなのになぜかそのときの印象があまり無い)

そのときにいちおう録画もしたがテープがベータだったので(ーー;)デッキ故障とともに再生も出来なくなり、そのままお別れとなっていたのだ。なので今回の放送はそれ以来の再会となる。

おそらくこれもHDでの放送は今回が初めてだったかもしれないな(それともブルーレイ出てたっけ?)「魔人」から27年経っているとはいえもはや本作も50年以上前のクラシック映画。今見たら古くさく感じるかなと思ったけど全然そんなことは無かった。やはりルゴシ御大には悪いけど役者の力量がまったく違う( ̄。 ̄;)

クリストファー・リーのドラキュラを見たら他のものが全部亜流に思えてしまうほど彼はビジュアル的な魅力に満ちていたのである(それは例えば193センチという素晴らしい体躯にマントを羽織って立ったときの凛々しさ、思わずトラコーマかと見紛うほど真っ赤に充血した眼を見開いて美女の喉笛に牙を立てる迫力満点の場面であったり、そのバイオレンスな圧倒的存在感がスゴいのだ)

断末魔で灰になってしまうショックシーン含めて、後発ながらこのドラキュラ像こそが今に続く吸血鬼映画のスタンダードなのだとあらためて思い知った気分。

と、たった二本分書いただけでちょっと長くなったので(ーー;)いったんここで終了。残りは次のエントリーで。
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6 Comments

シャオティエン  

吸血鬼

「ハリウッド・ゴシック」(国書刊行会)という本で知ったのですが、「魔人ドラキュラ」には別キャストによる「スペイン語版」があります。この本を読むと、どうも本家よりも出来が良い様です。是非とも観たいものだと思ってたら、これがNHK-BS でオンエアされたのですね。これは録画するしかない、と本家は録画せず「スペイン語版」のみを録画した・・・遠い昔の話です。テープはまだある筈ですが、ビデオデッキが震災後使用不能ですので現在は観れません。

2014/10/02 (Thu) 19:37 | REPLY |   

つかりこ  

同感です

'58のクリストファー・リーを観たら、
他のドラキュラが偽物に見えてしまいます。
完全なハマリ役ですよねー。

僕的には吸血鬼のどこが魅力かって言うと、
にんにくに弱いところです。
なんだか、ひょっとしたらいい人かもしれないと思わせるでしょ?

2014/10/03 (Fri) 13:38 | REPLY |   

しろくろShow  

今では珍しいですね

>シャオティエン さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

その話聞いたことあります。確かセットはそのままで役者だけを入れ替えた内容だったとか。話聞いてると1930年代ってまだまだ舞台と映画の垣根が薄かったのかなって思えました。

NHKならまたやってくれそうな気もするので(^_^;)そのときは必ず見たいと思います。

2014/10/03 (Fri) 22:32 | REPLY |   

しろくろShow  

そうそう、怪物なのに人間くさいというか

>つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

そうですね、確かにモンスターのくせにこんなに弱点多いヤツも珍しいですし( ̄。 ̄;)時折見せるユーモラスな言動も言い方は可笑しいですがどこか「可愛げ」というものを感じさせますねー。

それから近々公開予定の新作吸血鬼映画「ドラキュラZERO」のドラキュラ像がどうなっているのか、今はそちらの方も気になるところです。

2014/10/03 (Fri) 22:40 | REPLY |   

ジョルジュ  

すごいラインナップですね

いつも楽しく拝読しています。

このラインナップすごいですけど、『ノスフェラトゥ』が入ってないのが残念ですね(・・;)

ベラ・ルゴシの『魔人ドラキュラ』はDVDで300円だったので買ってしまいましたが、まだ見れてません。淀川さんは勧めていましたけど、迫力のあるドラキュラ映画が好きな人には期待できそうにないですね。

2014/10/05 (Sun) 08:51 | EDIT | REPLY |   

しろくろShow  

あっても良かった気はしますね

> ジョルジュ さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

確かに「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」をやるんだったら「ノスフェラトゥ」を続けて放送した方が流れは良かったと思いますね(そのほうが「シャドウ_」をより楽しく見られたのに)

あと個人的には85年版の「フライトナイト」とかコメディの「ドラキュラ都へ行く」とか、その辺も入れて欲しかったんですけど(^_^;)次回の特集に期待しています(或いはすべてクリストファー・リーのドラキュラ映画ばかりでも良いなあ・・・)

2014/10/05 (Sun) 19:06 | REPLY |   

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