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ステアせずにシェイクしたアールエイチプラスで

イマジカBS9月吸血鬼特集感想のつづき。プロ野球のクライマックスシリーズに気を取られてほったらかしにしているウチにこんなに間が空いてしまった・・・。昨日のホークス勝利でやっと落ち着いたので、今のうちに更新しておくとしよう(日本シリーズが始まったらまた滞るかもしれんが)

「鮮血の処女狩り」(70)
「血の伯爵夫人」(09)


bell_.jpgこの二本は500年ほど前にヨーロッパで悪名を轟かせた大量殺人鬼・エリザベート・バートリの物語である。彼女の名前はガキの頃読んだ池田理代子の「ベルサイユのばら外伝・黒衣の伯爵夫人」で知ったのだけど、拷問器具として用いた"鉄の処女"(ベルばら版では美少年が微笑んでいるマネキンのような形で登場するが、実際はこのように「巨人ゴーレム」(または有名な宇宙人のイラストにも似ている)みたいなデザインだったらしい)というあまりに凄いそのネーミングがずっとアタマに残ってしまったのだった。その後にも別のオカルト系本で紹介された記事では「頭に角が生えていて、侍女にそれを研がせていた(ーー;)」とか読んだ瞬間ホンマかいなと思える胡散臭さ全開の(まるで殺人鬼ではなく妖怪まがいの)記述があったりもしたが、基本的には実在したと思しき人物のはなし。

こうして新旧同じネタの映画を続けて見ると時代的なモノもあるのかもしれないけどアプローチが全然違うので、別の映画が並んでいるように思えて面白かった。「鮮血_」の方はどちらかといと史実に相当なアレンジ(設定がドラキュラ夫人になっているとか)を加えた「ほんとはこわい○○童話」みたいな寓話の作りになっていて、汚れ無き処女の血を浴びるとおばちゃんエリザベートが一瞬にしてぴちぴちエリザベートへと変わってしまうあたりの描写は殆ど魔法。このへんは恐怖映画と言うよりファンタジー映画のような見せ方になっている感覚だ(しかもこのおばちゃんもぴちぴちねーちゃんも同じ女優さん(イングリッド・ピット)が演じているというのがけっこうスゴい)

※本作はmomorexさんのブログでも詳しく紹介されています。

これに対して「血の_」の方はそういうオカルト・妖幻的な描写は一切無く、おそらく史実にかなり近いラインで映画化がされているのではないかと思われるが、映画の中身も大量殺人鬼であるというその部分だけにスポットを当てず(それなりにゴアシーンは入っているけれども)いろんな才能と溢れるほどの情念を抱えたひとりの女性の希有な一生を描いた伝記のような物語となっていた。

このあたりは監督・脚本・製作・音楽・主演と八面六臂の大活躍だったジュリー・デルピーが女性監督らしい独特な感性で独自色を強烈に出していたのではないかと思うのである(またエリザベートの持つマルチな才能というのが自分と重ね合わせやすかったところがあったのもかもしれない)

本作はそういう酷いことをしてるヒドい女の話ではありながら(ーー;)なぜだかどこかで憎みきれない、ちょっと不思議なシリアルキラーの一代記だったというのが今回の感想だけど、この内容なら「吸血鬼映画」の括りで放送されるのはちょっと違うかなと言う気もしたな。


「処女の生血」(74)

こちらはカルトホラー「悪魔のはらわた」のコンビ、アンディー・ウォーホール(監修)とポール・モリセイ(監督)による妙ちきりんなドラキュラ物。「はらわた」が倒錯趣味丸出しのフランケンシュタイン映画だったのと同様、こちらはヴァンパイア映画史上最弱と思われるドラキュラを描いた奇妙な吸血鬼映画である。

なぜか昔から吸血鬼映画には処女の血にこだわるという不文律があって、それがどこから来ているものなのか不勉強な私には知る由もないのだけど、この映画は殊更それを前面に出してまるでブランド物を有り難がることがどれほどくだらないことであるかをメタファーとして語っているかのような、そんな風にも見えてしまったのだった(いやいや、これは勘ぐりすぎかもしれないが( ̄。 ̄;)見ようによっては処女と信じて非処女の血を吸ってしまい、激しく嘔吐し苦しむドラキュラの姿にそれらの事象が投影されていたのかもしれないと←ふつうの感覚で考えたら相手が処女かどうかなんてつまらん問題だと思うのだけどね)

しかし最初にも書いたけどこの映画くらい弱々しいドラキュラはかつて見たことがなかったなー( ̄。 ̄;) 本作に限ってはなんか吸血鬼より人間の方がやること酷いんじゃないかと思えないことも無かったし、全体の不思議なトーン(マジメにやりたいのか喜劇なのかと言う線がじつに曖昧)も相まってすっごい変わった映画を見たという気分にもなれますな。 

あと見たのは以下の三本だが、ここからは短くまとめ。

「ドラキュラ」(92)・・・公開当時ウィノナ・ライダー目当てで(「ヘザース」と「ビートルジュース」で彼女にハマっていたのだ)映画館へ見に行ったがそのとき以来の再見。

豪華キャスト(モニカ・ベルッチなんかクレジットも後の方)ですごいお金のかかった映画だとは思ったが、正直これのどこがドラキュラなの?と思ったあの時の感想と今回も自分の中でそれほど変化は無かった。原作に忠実に映画化されたということなのだけど、ドラキュラ本人のビジュアルがモデルであるヴラド三世の肖像画をモチーフにしているせいで、ぼくにはゲイリー・オールドマンがBBクイーンズのボーカル(近藤房之助)に見えてしょうがなかったのだ(実際これを最初見たときは「おどるポンポコリンか!」というツッコミが口を突いて出そうになったくらいで(°°;) 映画に乗り切れなかったのはそのせいだけじゃないと思うけど、どうも「なにかが違う」という違和感が最後まで拭いきれない印象で終わってしまった感じ。


「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」(00)・・・最古の吸血鬼映画と言われるサイレントの名作「吸血鬼ノスフェラトゥ」(22)の舞台裏が"実はホンモノの吸血鬼使ってましてん"という設定の( ̄。 ̄;)メタ・フィクション風デタラメ映画。こちらも長いこと見てなかったけど実はけっこう好きな映画だったのである。

アイディアとウィレム・デフォーの見事なヴァンパイアぶり以外これというセールスポイントは無い作品だけど(^_^;)映画を完成させるためならたとえ犠牲者を出そうとも、人ではない怪物が混ざろうともどんどん利用しようとする監督(ジョン・マルコビッチ)の姿勢がこの映画の一番コワイところ。

「ヴァン・ヘルシング」(04)・・・なんか今見た方が面白く感じたなあ(ーー;)10年前の映画だからCGに少しチープ感があったりして古さというのも多少感じてしまうけど、こういうメジャーなモンスターが勢揃いするのは今で言えば「アベンジャーズ」にも似たオールスター感があってとても楽しい。今さら遅いけど藤子不二雄Aさんの「怪物くん」実写化はどうせやるならこのノリでやって欲しかった。


と、こうして二度にわたって吸血鬼映画の話を書いていたら偶然にもまもなく「ドラキュラZERO」という新作ヴァンパイア映画が公開予定。この流れに乗って早速見に行くつもりである。

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こんなタイトルですけど、これもイマジカ吸血鬼特集で放送されていた作品。内容はハンガリーに実在した“血の伯爵夫人”ことエリーザベト・バートリの連続殺人事件をベースに、初老の伯爵夫人が若い男との恋に目がくらんで犯行を重ねていく様子を描く。“吸血鬼”の表現についてはこじつけにしか見えなかったけど... ■ 鮮血の処女狩り - Countess Dracula - ■ 197...

 

Comments
Editこんばんはー
これだけ吸血鬼ものが並ぶと、そうそうたる、というか、豪華絢爛、というか、すごい迫力ですね^^
この中で一番楽しいのはやはり『ヴァン・ヘルシング』でしょうか(今をときめくヒュー・ジャックマンが出てますし)。
どうもあの3人の美女吸血鬼が好きで、前ーに見た時も楽しかったですが、今回も楽しませてもらいました。

『ドラキュラZERO』行かれるんですね。
予告編だけ観ていると、結構歴史大作的な感じですよね。またお話聞かせて下さい。

**記事内でのご紹介有り難うございます<(_ _)>
Editいちばん適当に見たのに
>momorex さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

TBと記事参照のご報告に向かおうとしたら先にコメントを頂いてしまいました(ーー;) たいへん恐縮です。

そーなんです、「ヘルシング」は自分の中ではまだ最近の映画だし(^_^;)思い入れとか何にもないんでいちばん気楽に見たつもりなんですが、すごい楽しかったんですよ。なにげにケイト・ベッキンセールも良かったですしねー(インターバル置くと印象が変わることもあるかもしれません)

「ドラキュラZERO」もそんなに期待しているわけではありませんが、久しぶりの本格ドラキュラ映画みたいですし行っておく値打ちはあるかもと思っているところです。
Edit『ヴァン・ヘルシング』なら観たことあります。
吸血鬼シリーズすごいですねえ。
私はこのジャンルには詳しくないのですが、素直に、本当にたくさんの映画が作られている、という印象を受けます。
『血の伯爵夫人』の予告を見ましたが、最後のほうで手首を切って血を貯めるシーンを見て、「あ、この映画が史実に基づいて書こうとしている、という意味がわかるぞ!」と思いました。
一瞬のシーンだったので、想像の範囲にはなりますが。
中世ヨーロッパにおける「医学」としての「瀉血」を彷彿しました。
かつては、床屋さんがこの瀉血治療の役目を負っていたそうです。
実際に瀉血をすると確かに「ふらっとしてスッキリ」するのかもしれませんが、それを当時は「悪い物が抜けた」と捉えていたみたいです。
そのあたりの史実を踏まえて、偶然血を浴びたエリザベートが「瀉血」文化を背景に処女たちに血を出させるよう強制した、といった感じでしょうか???

「ベルばら」は全巻読んだことがありますが、こちらの外伝は知りませんでした。

処女信仰という言葉で片づけていいわけないのでしょうが、この「処女」に対する一種の憧れみたいなものが表象されているんですかね???
吸血鬼、興味深いです!
Edit
こんばんは。

B級のにおいプンプンするのがいいですね(笑)。

この中で観たのはコッポラの作品とヘルシングだけかな。

コッポラのはモニカ・ベルッチ目当てで観たような記憶が・・・。彼女のハリウッド・デビュー作だったと記憶していますが、彼女のことも作品自体のこともすっかり忘れています(^_^;)。

ヘルシングはベッキンセール目当てで観たような気がします。これは彼女のことは覚えていますが、作品のことは・・・。
Editどの時代でも常に作られているのがすごいわけですが
>ちょい若おやじ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

吸血鬼映画というのは何時の時代になっても廃れることがなくて、そこが凄いと思うわけですが、映画に限らずテレビドラマなどでも「ヴァンパイア・ダイアリーズ」や「トゥループラッド」みたいなのが現在も放送されてますし(少し前にあったデビッド・ボレナーズの「Angel」なんか僕は好きでしたねー)映画でも毎年のようにいろんな吸血鬼ものが公開されているわけで、やはりゾンビとヴァンパイアは鉄板ジャンルと言うことなのでしょうね。

日本でも東宝の「血を吸う」シリーズなんてのもありますし、今度特集放送するならそのへんも入れ込んでもらいたいモノです。
Edit作品の幅が広くて楽しいです
>バニーマン さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

この手の映画に魅力的な女優さんは不可欠ですが、コッポラのヤツは僕も殆ど記憶残ってなかったですね(ーー;) 

今回紹介した中では「鮮血の処女狩り」のイングリッド・ビッドが個人的には好みでした。

女性吸血鬼だと歌手のアリーヤがやっていた「クィーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」ってのもありましたね。
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