この美しいものを、守りたいだけ

背中の手術をした日に医者からは「酒と運動と今日の風呂以外は何をしても良い」と言われ、それならばと病院を出たその足で近所のシネコンへ「ドラキュラZERO」を見に行ってきた。

この夏新旧問わずいろんな吸血鬼映画を見ていたが所謂「ドラキュラ物」の最新作としてこの映画はずっと気になっていたのだ。古典である「魔人ドラキュラ」からは80年以上経っていて、映像面の進歩なんか文字通り隔世の感があるけれども(ーー;)もう今や怪奇映画でやれないことはないんじゃないかと思うほど画面作りは素晴らしかった(ドラキュラがコウモリの大群に変身して飛ぶというビジュアルもそうだけど、中世の景色がホンモノにしか見えないあたりのすごさというか←ホンモノを知ってるわけじゃないけどさ(^_^;))

従来のようなドラキュラ=悪/悪魔という定義ではない一風変わったダークヒーローのような扱いになっていたのは目新しかったが、考えてみると"愛する家族、そして領主として領民を守るため"という大義名分の元、自らが悪魔の力を手に入れて戦うというのは永井豪原作版の「デビルマン」と良く似ている。

さらにこの映画が設定として旨いなと思えたのはヴァンパイヤにサイヤされてから三日間血を吸わなければまた人間に戻ることが出来るというところで(つまり三日で相手国を殲滅して元に戻ろうとしたわけだ。捨て身とはいえスゴイ作戦( ̄。 ̄;))その間いかにして血への渇望を抑えるかという描写が面白かったのと、これまた「デビルマン」調だなと思ったのは悪魔の力を手に入れるには"素質"が必要であるという点。

この映画で言うと主人公のヴラドがかつて「串刺し公」として恐れられ、表面上それはお国のため仕方なくやったことであるとされていたが、実は彼の内部にはそういう闇の部分があり、だからこそ悪魔の力を手に入れることが出来たのだと映画的な説得力が本来ならここでグイと足されるはずなのに、残念ながらそこはちょっとだけ弱いのだ(もっとも上映時間が92分しかないので、そういった伏線の回収が全て出来ないのは仕方ないのだけどね)

結局ヴラドの命がけの戦いは勝ったのか負けたのかよくわからない(判定勝ち?みたいなもんか)形で終わったが、そこまでして頑張ったにも関わらず領民に正体がバレたとたん、身を挺して守り抜いた彼らの口から「悪魔」と罵られ恐れられ刃を向けられても決して『外道!貴様らこそ悪魔だ!俺は身体は悪魔になった…だが人間の心を失わなかった!(中略)これが!これが!俺が身を捨てて守ろうとした人間の正体か!』(「デビルマン」より)と、ブチ切れてその人達を皆殺しにするようなこともなく(__*)それでも耐えに耐えて最後まで彼らを守ろうとしたヴラドの姿には"善の心"を感じて、映画を見ている方からするとかなり救われた気分になれたのである(このへん少し日本風浪花節精神を感じて好きな場面)

※こんな事にならんでよかったよね、ワラキア公国のみなさん(;゜ロ゜)
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ラストは最近の映画の慣例で続編を臭わすような終わり方になっていたが、その舞台転換はなかなか意表を突いていて面白かった。

また、歴代ドラキュラ映画ではおそらくもっともイケメンではないかと思われるルーク・エヴァンズ(と書いてるけど実は映画館に来てポスターじっくり見るまで我が輩この役ずっとオーランド・ブルームだと勘違いしていたのだ(^◇^;)(ちょっと似てると思わんですか??)がどこまでもカッコ良く、そこに多少のヒーロー像を垣間見てしまうのだろうと言う気がしたけど、トータル的にこれは見ておいて損はない映画だと思えたな。

で、なんと映画終わりで麻酔が切れたのかエンドクレジットの当たりで少し背中が疼いてきて、こりゃいかんと(×_×)(いっしゅんオレにもコウモリの羽が生えてくるのかと思った( ̄。 ̄;))すぐ帰宅したが手術明け(縫合一時間後)で見るにはなかなか刺激的な映画でもあったなと・・・
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6 Comments

mia☆mia  

こんばんわ

TBありがとうございました☆
ワタシも、オーランドと勘違いしてました!
2人とも、中世、三銃士っぽい格好してるイメージありますもんね!

なるほど。
ダークヒーローですね。
デビルマンは、原作が好きでした。
デビルマンのラストは悲しいものですが、この映画の主人公はどうやら幸せを手に入れられそうな結末を迎えられてよかったです♪

2014/11/26 (Wed) 19:24 | REPLY |   

しろくろShow  

どーしてイケメンはヒゲが似合うのでしょう・・・

>mia☆mia さん

こんばんは、コメントありがとうございます(・_・)(._.)

私のようなおっさんがああいうヒゲを生やしてもちっともカッコ良くないのに、オトコマエは何してもキマると言うことなのでしょうか・・・(ーー;)

そうなんですよ、僕は当日までまったく気がついてませんで(^_^;)でも似てると思うんですけどねー・・・

そういえばオーリーはわかりませんが、このルーク・エヴァンスはゲイであることをカミングアウトしていましたね。彼のセクシーさはそういう独特のセクシャリティから来ているのかもと思ってしまいました。

あ、ラストシーンは私もなんかホッとしましたよ(^◇^;)

2014/11/26 (Wed) 20:49 | REPLY |   

ジョルジュ  

おはようございます!
無事に手術も終わったようで何よりです。
お疲れ様でした\(^o^)/

ドラキュラZERO、まさかの救われる展開なんですね!
デビルマンとの比較でよく理解できました。デビルマンはアニソンでしか知らない世代ですが、読みたいと思ってしまいました。デビルマンを読んでから、ドラキュラZEROを見ると楽しめそうですね。

2014/11/28 (Fri) 08:53 | REPLY |   

ShinYA  

背中の手術・・・早く治るといいですねぇ><

この映画まだ観ていないですが

最近のCGは本当にすごいですよね、

300<スリーハンドレッド>を観た時も思いましたが

空想の世界だからこそ、逆にCGが活きるのかもしれませんね^^

2014/11/28 (Fri) 09:54 | REPLY |   

しろくろShow  

決してハッピーエンドではないのですが

>ジョルジュ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

あれから抜糸も終わりまして、ほぼ完治に近づきつつあります。お心遣い感謝いたします。

あんまりハッキリは言えませんが途中まではややバッドエンド気味に舵を取ってなかっただけに、まさに「救われた気分」としか言いようのない終わり方になっていたと思います(^_^;)

機会があれば是非ご覧ください。

2014/11/28 (Fri) 21:46 | REPLY |   

しろくろShow  

実は凄い狭いところで撮っていたのかも

>ShinYA さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

お気遣いいただき感謝いたします。今は糸も取れ傷もふさがりましたが、跡は残っているので何かウソの武勇伝でも考えようかと思っています(^_^;)

CGは確かに便利で凄い物だと思いますが、逆にこういうCG全盛時代の今だからこそ、大がかりなセットや大人数を用いた昔の映画を今一度再見すべきかなという風にも思うようになりました(「ベン・ハー」みたいな)

あ、ちなみに「300」ですが、アレは私も大好きです(CGだらけにも拘わらず(^◇^;))

2014/11/28 (Fri) 22:00 | REPLY |   

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  • 2014.11.26 (Wed) 19:16 | miaのmovie★DIARY