いっそ「手っちゃん」を実写化しては

だいぶ前のことだけど1日のサービスデーに「寄生獣」を見てきた。
 
思っていたよりよく纏まっていたというかあれだけ濃密な原作を旨く剪定しながら(役どころの配分を微妙に変えてみたり、エピソードや登場人物の絞り込みが無理なく行われている)パラサイトが変形するVFXも「マンガのまんま」というのを意識したのか、どちらかというと原作既読派の人を最低限満足させるための作りになっていて、僕は悪くなかったと思っているのである(マンガを未見でこの映画を見た人がどう思ったのか、むしろ今はそっちの方に興味がありますなあ)

映像面では予告でも流れている最初の被害者が出る場面(読んだ人ならすぐにあーあーアソコねと想い出す"バツン"と頭食われるシーン)のようになるべく原作のイメージを損ねない処理になっていたとは思うけれども、やや流血臓物の量は控えめ。しかしながらギリギリの所までゴア描写は頑張っていたという感じではなかっただろうか(このへんはR12の限界ながら苦手な人なら目を背けたくなるシーンも多々あり)

今回は二部構成の前編と言うことでだいたい全一〇巻の内の四巻程度までは消化されていて、この感じなら完結編もそんなに酷くはならないだろうと思うのだが印象としてはとっても無難な作り( ̄。 ̄;) 映画オリジナルの要素としては新一母子の関係をややウェットに描いた部分のみが新たに足し込まれていて、そこは「泣かせ大好き」な山崎貴監督の色として表現されているのかなと(しかもスゴイ生活臭漂う演出になっていたし(ーー;) こういう追加は好き嫌いが別れるだろうなあ)

そして上に↑書いたようになんで自分が原作未読派の人の感想を知りたいと思ったかと言うと、僕が感じた「無難なおもしろさ」というのは既読派ならではの反応であって、たとえば新一の変化の仕方がアレだとわかりにくいのではないかとか、平間刑事が突然新一宅にやってくる経緯が唐突ではないかとか、そうした諸々を初見の人が果たして疑問を持つことなく最後まで見ることが出来たのだろうかと思ったからである。そういう意味ではやはり"一見さん"の方にはあまり配慮をしていない映画なのかなと思った点も少しある。

それからキャスティングは下写真のようになっていて、そんなにミスキャスト感はなかった気はするが(新一の母ちゃんだけはもう少ししゅっとしたキレイな人が良かったけどね(^◇^;)東出と深津絵里は特にハマっていた)ただミギーの声が阿部サダヲだったのはやっぱりちょっとムリあったかもしれない(ーー;) 原作版にしか出てこないジョーという別のパラサイトの声ならピッタリだったと思うのだが、芝居が上手いんでずっと見てれば慣れてくるけど、やや選考の余地はあったんじゃないかなー(じゃ誰が良いというとこれが思いつかなくて困るのだが、役者や声優ではなくナレーター業をメインでやってるような人ならどうだったろうという気はしたかも←故・中江真司さんみたいな(「ウルトラセブン」のメトロン星人の声参照))

そんなわけで映画そのものとして特に秀でた傑作とまでは思わないけど、昨今の漫画アニメ実写映画の中では良い部類に入ると思うし、劇場で見るには一見の価値ありというところでしょうか。
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で、実のところ人気漫画の実写化というのはナニをどう撮っても気に入らないという人は出るモノで、ましてやその原作が漫画にしろアニメにしろ人気のある作品であればあるほど実写(映像)化に対するアレルギー反応というのは大きくなってしまうわけである。

僕はそんなに筋金入りの漫画/アニメファンではないので、ある程度こういうことについては寛容でいるつもりだけど、例えばこれは実写化ではないがもあまりに原作版とイメージの違った「うる星やつら」などのように、アニメ化でも違和感を受けることは間々あるわけで一概に実写化だけがダメとは言い切れない側面もあったりするのね(アニメから入った人はそうでもなかったけど僕は高橋留美子の元絵が好きだったから第一話見たときはちょっとキツイと思ったなあ・・・)

今回の「寄生獣」映像化については既にアニメ版が先行した形で放送され、私は未見ながら評判を聞くと賛否両論あるなかでむしろ肯定派の方が多いような印象。予告を見た限りでは今の時代に合わせた細かい改変(キャラのビジュアル変更であるとかミギーの声が女性のアイドル声優であることとか)があるものの、基本的な部分はこちらも原作を踏襲しているような感じ(本編を見てないのであくまでも印象でしかないが)

原作マンガについては連載当時から読んでおり単行本も全10巻をすべて揃えていたが、もともとは作者の岩明均がその前に「モーニング」で連載していた「風子の店」という作品を凄く好きだったのだ。当時僕は香川県内で外回りの仕事をしていたのだけど丸亀市内にあった今にも潰れそうな食堂で( ̄。 ̄;)安いランチを食べながら「風子」を読むのをホントに楽しみにしていたのである(そこは「モーニング」のバックナンバーが積み上げてあったので足繁く通っていたのだ。結局最後は単行本を自分で買ったなあ)たぶん「寄生獣」はその流れで読んでいたのだと思うが、その食堂には「アフタヌーン」も置いてあったのでそうなったのだろうと(__*)

この人の漫画って僕はこの二つしか知らないのだが、絵はなんだか昭和のエロ本みたいなタッチなのに会話のリズムが独特で不思議な間合いがあるのをとても気に入っていた。さらに「風子」でも「寄生獣」でもそうなのだけど、どんなシリアスな場面でも何故か妙なタイミングで入る淡々としたユーモアがあって(これは文章で説明するのが難しいので「読んでくれ」としか言いようがないな)そこがこの作者ならではの味というか個性として特筆すべきポイントだとも思っているのである(今回の映画版にはそれが一切考慮されていないのがもっとも残念)

ちなみにまったく参考にならない過去の漫画アニメ実写化映画を自分の好みだけで分別すると_

○・・・「SPACEBATTLESHIP YAMATO」「ゲゲゲの鬼太郎」「ヤッターマン」「スピードレーサー」
△・・・「キューティーハニー」「CASSHERN」「二〇世紀少年」「GANTZ」「妖怪人間ベム」
×・・・「デビルマン」「ガッチャマン」「どろろ」「怪物くん」「NIN×NIN 忍者ハットリくん」

_と、こういう並びになるが、「寄生獣」は○グループに入ると思っている。

あ、それでタイトルに触れることを忘れていたがあまり気にしないでいただきたい。最初「寄生獣」を読んだとき真っ先に思い出したのが古谷三敏の「手っちゃん」だったという、ただそれだけの話であります・・・(__;)
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8 Comments

バニーマン  

ミギー・・・

右手なのでミギーというセンスについていけるかが
先ず大きいポイントだと、原作が有名になったころに
そんな紹介があった記憶が・・・。

なかなか期待してよさそうですね。
って、レンタルが始まらないと観ないですけど(^_^;)。

2014/12/11 (Thu) 21:57 | REPLY |   

しろくろShow  

ひょっとしたら

>バニーマン さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

完結編の公開予定が来年の4/25なんですが日本テレビが映画にお金出してるので、たぶん直前に金曜ロードショーで放送するんじゃないかと思います(レンタルはその少し前くらいでしょうかね)

パラサイトのイージーなネーミングセンスについては原作を読むと「なるほど」と思えますので(^_^;)お時間あるときにブックオフかネットカフェでご一読を。

2014/12/11 (Thu) 22:36 | REPLY |   

ポール・ブリッツ  

原作を読んでいるとき、ミギーの声は故・野沢那智さんに脳内変換されてました。

なぜだろう。(^_^;)

まだ映画は見てません。レンタル落ちでいいかな、と思っています。


……「変態仮面」のランクは?

2014/12/11 (Thu) 23:56 | EDIT | REPLY |   

しろくろShow  

あれはマンガをよく知らんのです(ーー;)

>ポール・ブリッツ さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

「変態仮面」はマンガの方をちゃんと読んだことがないのでアレが正しいのかどうかピンと来なかったのですが(ーー;) 鈴木亮平の体が仕上がっているのだけはよくわかりました(^_^;)

それとミギーの声ですが原作通りだと冷静ボイスのイメージがあったので、やはりナレーター系の方がいいかもと思ったわけですが、アニメ版の平野綾もあれはあれでアリですね。

2014/12/12 (Fri) 22:05 | REPLY |   

想馬涼生  

訪問者リストから伺いました。

はじめまして。想馬涼生(そうま りょうせい)と申します。

この寄生獣と言う作品は自分でもベストな部類に入っていて、学生時代に買った漫画や小説、本は売りに出したものは多いのですが、この寄生獣は手放せないんですよね。

残酷シーンもありますが、私は内容が好きで、ずっとはまってました。

現在放送中のアニメも観てます。デザインは若干違いますが、原作の学ランよりもブレザーが好みです。

私のブログを拝見したと思いますが、遊びで小説書いたりしてます。
この寄生獣は脳内でですが、オリジナルの小説を描いたりしてました。

私は寄生獣の中で好きなのは、倉森と言うキャラクターです。最初はぎこちないけど、家族のために、寄生生物に立ち向かう姿がカッコよかったですね。

映画版はまだ観てないですが、ジャーナリストのようですね。ピッタリだと思います。

私は主に洋画が好みですが、あんまり映画の事を記事に書いてないんですよ(笑)。
寄生獣の事は記事にしてます。

ご挨拶が長くなって申し訳ありません。今年に入り、新規の方は向こうからアクション起こさない限り、コメントしないようにしてましたが、ブログを拝見して、色んな作品の記事があったので、コメントさせていただきました。

時々鍵コメにする時もありますが、よろしいでしょうか?

またちょくちょく伺おうと思ってますので、これからもよろしくお願いします。

2014/12/16 (Tue) 23:23 | EDIT | REPLY |   

しろくろShow  

いらっしゃいませ

>想馬涼生 さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>
それからはじめまして(^^)

「寄生獣」原作の倉森は私も好きなキャラでした。たぶん彼が登場人物の中でリアルに人間くさいヤツだったからじゃないかと思っているのですが(自分が今劇中の彼くらいの年齢になって、よりシンパシーを感じる部分が大きくなっているような気がいたします)最後は確かにカッコ良かったですね。

前篇には台詞もなくちらっとしか出てなかったので完結編でどんな扱いになっているのか(^_^;)今から楽しみにしています。

>時々鍵コメにする時もありますが、よろしいでしょうか?

鍵ナシ/鍵アリはまったく問題ありませんのでいつでもお越しください(鍵コメの時のレスは便宜上「鍵コメ様へ」で返させていただいています)

私の方もまたそちらへお邪魔いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします_(._.)_

2014/12/17 (Wed) 19:12 | REPLY |   

想馬涼生  

またこちらの記事にコメントします。

昨夜金曜ロードショーで寄生獣を観ました。
原作、アニメとも違う作りでしたね。
ミギ―が阿部サダオが声を演じると聞いて、ちょっとなって思いましたが、なかなか今までと違うミギ―で良かったです。
ミギ―なんだけど、感情が豊かですね。少しコミカルな面もありました。
新一が今時の若者と言う感じだし、里美も控えめでなくて明るい感じですからね。
完結編もおそらくはテレビ放送で観ると思います。

2015/04/25 (Sat) 15:15 | EDIT | REPLY |   

しろくろshow  

録画し忘れていました・・・

>想馬涼生 さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

自分で予想したとおりのオンエアになったのに録画するのを忘れていました( ̄。 ̄;) 完結編を見に行こうと思っていたのでもう一度復習しときたかったんですが残念です。

このペースだと「完結編」の放送はお盆あたりかもしれませんね(^_^;)

2015/04/26 (Sun) 16:46 | REPLY |   

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