タコ部屋とヘルメットの似合うオトコになりたい

IMG_0641.jpg4/25の土曜日に京都みなみ会館で開催中の"特集上映《超大怪獣大特撮大全集.PART1》"を見てきた。

当日のプログラムは「東京大地震M8.1」「FUHITO」「ガンヘッド」の三本立てである。怪獣らしき物が出てくるのは「FUHITO」だけではあったけれどもこの日は故・川北紘一監督作品特集という括りで作品選定がされていたようだ(川北さんの生前に別企画で上映予定があったのを追悼も兼ねて急遽こちらへ入れ込んだという話)

私は昨年の同企画"大怪獣大特撮大全集"には三月の「地球防衛軍」と一二月の「怪獣映画祭ナイト4」の二度しか来ることが出来ず、ひじょうに悔しい思いをしたのだけれどもこうして第二弾が開催されたのはたいへんありがたいことだと思っている。

そんなわけで各映画の感想と当夜の様子を簡単に追想しておく。

入場方式はいつものように全プログラム鑑賞パス+整理券を持っている人→整理番号付当日券の人という順番で中へ入っていく。この日私は友人と二人で訪れていたが当日券を早めに買っていたおかげで整理番号は九番と一〇番。比較的良い席に座れたし先着二〇名の人に配られたお土産も無事もらうことが出来たのだった(本項最下段写真参照)

みなみ会館・吉田館長と主催会社であるキャスト・藤村氏の挨拶(と、お名前は失念したがみなみ会館の若い女性スタッフの方から石井岳龍(旧名:石井聰亙)監督作のオールナイトがある旨の告知も←「狂い咲きサンダーロード」もやってくれるなら多分行ったなー・・・)を経て18時10分から上映がスタート。

1本目は「FUHITO - 不比等」
 
これは川北さんの会社・ドリーム・プラネット・ジャパンで企画されていた人形特撮劇のパイロットフィルム。本編制作には至らなかったものだが今回は露払い的(?)にというか、僕などは作品供養の意味合いもあったのではないかと思いながら見たのだけれども、なかなかユニークな映像だらけの15分を楽しませてもらった。

ハッキリとはわからなかったけどおそらく「ダーククリスタル」や日本の「Xボンバー」みたいなパペットを使ったような気がしたのだが、人形劇という古い技術と現代のデジタル処理との融合が思ったより効果を上げていて(人形の動きがかなり立体的で大きなアクションを見せるし、背景との合成にも無理はなかった)これなら実際にテレビ作品や劇場映画として完成したものを見てみたいと思ったな。

2本目は「東京大地震マグニチュード8.1」

これは映画ではなくかつてよみうりテレビ(日本テレビ系列)でやっていた「木曜ゴールデンドラマ」の中の一本(放送としては二話目か三話目)なのだが、今じゃ考えられないプライムタイムのテレビドラマ(それも35年も前の)に億単位の予算がかけられていたそうである。それもあってか他の映画等からの流用カットは一切なく、すべての特撮シーンを新撮で処理できたらしい(このドラマを参考にして翌年劇場映画である「地震列島」が作られたり、「84ゴジラ」の特報フィルムに本ドラマの一場面が流用されたりと、漏れ聞こえてくるそうした逸話が本作のクオリティの高さを物語る。また、ビルの倒壊シーンや高速道路での事故による爆発場面なんてのはハッキリ言って73年版「日本沈没」より見応えあった)

話の中身はと言うと千葉真一・竹下景子というキャストを中心にちょっとした群像劇の様相を呈してはいるが、それよりはむしろこの当時(1980年)の防災データ・地震情報に基づいた震災シミュレーション的展開の方が目立っていて人間ドラマの方はやや控えめ。但し主役の千葉ちゃんはもとより岡田英次やら穂積隆信やら柴俊夫やら、異常に芝居の濃い俳優が何人も出てくるためか(ーー;)良い意味での暑苦しさがあり、そこが派手な特撮シーンだけを浮き上がらすこともなく旨くお話に絡んで二時間のドラマを成立させていたのではないかと思うのである(終盤で岡田が千葉に投げた「しょせん君は工事現場でヘルメット被ってるのがお似合いだよ。とっととタコ部屋に戻り給え!」っていう台詞は本気で腹立ったモンなあ( ̄。 ̄;)役者が巧くないと見てる方にはそんな感情まず湧いてこないし)

あと特撮ファンにはお馴染みの俳優さんがたくさん出ていたのも楽しいところで、一部名前を挙げるれば織田あきら(「宇宙からのメッセージ銀河大戦」)江木俊夫(「マグマ大使」)根上淳(「帰ってきたウルトラマン」「電人ザボーガー」)伊豆肇(「人造人間キカイダー」)佐々木孝丸(「仮面ライダースーパー1」)村上冬樹(「54ゴジラ」)等々、何処までも知ってる人が出てくるのはおかしかった(後は「光速エスパー」の細川俊夫とか特撮物以外でも昭和のおばあちゃん俳優として有名な葦原邦子さんとか)

それにしてもこれが未ソフト化というのはなんとも勿体ない。商品化できないのならせめてBSの再放送でやってもらえないかと思うのだけど。

そして「東京大地震_」終了後しばし休憩時間になったのだが、そのとき突然「ナンバー○○の車置いとん誰や-!?」という怒号が館内に響いたのだった。最初はさっきまで見ていた映画に出てきた"怒れるパニック群衆"を再現した余興ではないかと思ったが(ーー;)どうやら該当ナンバーの車がこの人の何かを妨害していたらしく(現場見たワケじゃないんで詳細は不明)名乗り挙げたドライバーの人にそうとう毒づいていたくらいだったから(二人が退場した後も扉の向こうから「考えてクルマ置かんかゴラァ!!」と怒声が聞こえていたし)かなりアタマに来ていたのだろう。無責任だが傍観者としてはこういうハプニングも面白いなと思ってしまったけどね(^◇^;) ←こういうこともあるから今後車でみなみ会館に行こうと思ってる人は気をつけて駐車するようにしましょう。

3本目は「ガンヘッド」

初見じゃないとは思うのだけどいつ見たのかまったく記憶に残ってなかったので、もう殆ど初めて鑑賞するみたいな物(機械が支配する無人島での宝探し(及び脱出劇)の話とは思ってなかったなあ~・・・)登場人物が自動翻訳機を介して言語チャンポンのまま会話が成立するため本編の半分くらいは字幕が登場するという、わざと邦画臭を無くそうとしたかのような措置が取られているが、残念ながら高嶋政宏が何か喋るたびにコレが完全な日本映画であることを思い出させてくれるのである(ーー;)

本作を好きな人には申し訳ないが正直僕はブルックリン(高島)が仲間とはぐれガンヘッドを起動させるまでの数十分、眠くてしょうがなかったのだ。それはそこに至るまでの展開があまりにもわかりにくく、しなければいけない説明や設定等の提示を画面でやらず(「ブレードランナー」風にテロップでさらっと流しただけ)いったい彼らが何をしているのか、この島(基地)ではどういうことになっているのか、と言ったことをもっとくどいくらいにやってもらわないと観客サイドとしてはなかなか気持ちが乗っていかないのだよ。

上↑で「ブレードランナー」風とは書いたけど、要はこの映画ってそうした当時のハリウッドSFの寄せ集めみたいなビジュアルが続く印象をどうしても拭えなくて、他にもたぶん「これは「エイリアン2」だな」とか「ココは「ターミネーター」だよな」みたいな、オマージュと言うよりはまったく映像イメージをコピーしただけのような描写が多く、おそらく89年の公開時も今回もそこ(忌憚なく言ってしまえば表現者としての志の低さというか←これは本編監督の原田眞人を指す)に興ざめしたのではないかと思うのだ。

そういう意味でやはり僕にとってこの映画は「特撮を楽しむ映画」であって、たとえば終盤の密閉された空間で二体の巨大ロボットが戦うシーンなどは近年の「パシフィック・リム」等とは違ったデカイ工業用ロボット同士のバトルという珍しい図式になっており、金属の瓦礫を蹴散らしながら突進/激突していくあたりは今見ても凄い迫力とスピード感があると思うのである。

ロボットのデザインも「マクロス」の河森正治がやっているだけに実にカッコよく、映像表現が困難だった故の結果だったと思うが二足歩行から戦車形態(当初は人型のロボット同士が戦うことを想定していたらしいけど、現場的に難しいと言う話になったそうである)に変形するのも場面状況を考えたらかなりの説得力はあった。

また映画の楽しさを底上げしていたのはなんといっても本多俊之の手による音楽で、これがもう殆どハズレないんじゃないのと思うくらい良い曲が揃っていて、あれほどかったるいと思っていたドラマパートでも終盤はバッチリ決まっているように見えたほど(最初は死ぬほどダサかった高島が人参スティック食ってる場面もラスト近くになるとなんてカッコいいんだと思えたくらい)あのサントラが本編に乗っかてるだけで内容三割増しくらいにはなってましたな(__;)

このように、たった100分の中でたいへん毀誉褒貶ある映画ではあったが見終わってみればダメダメなところと魅力的なところが半々くらいあったし、従来の東宝特撮映画の系譜に属さないような雑多な個性の強さも感じている。なんだかんだ言ってもこの日見た三本の中で人に勧めるなら僕はコレを推すだろう。

ちなみに「ガンヘッド」上映前に売店では"人参スティック"が売られていて、劇中で高島が人参を食べるときにそれを一緒に食べてくださいという企画販売があった(昨年の「マタンゴ」上映時に売られていた"きのこもち"と同じパターン)僕は買わなかったけどあっという間に完売していたのはさすがだ( ̄。 ̄;)

・・・と、いうことで終了したのは22時15分。ロビーでは「ガンヘッド」絡みの物販が売られていたが、例の如く何も買わずに退場した。家に帰ったのは深夜1時を過ぎていたがこの日も楽しい時間を過ごせて大いに満足している。

そして来月の"超大怪獣大特撮大全集.PART1"は5/30(土)5/31(日) 「キングコング対ゴジラ(短縮版)」と「ガメラ対大魔獣ジャイガー」の二本立て。この日私は福岡へ野球観戦に行くため見られないが、遠征可能な怪獣映画ファンの方はぜひ京都まで(チラシの宣伝文句には「大怪獣は南から来る!魔人、魔獣日本大襲撃!」とあり、読めば読むほどなるほど!なキャプション)


※下左写真はこの日もらったお土産の「知性地雷」(「ガンヘッド」に出てくるヤツだがそんな名前とは知らんかったなあ・・・(ーー;)モスゴジの「怪骨」といい妖怪大戦争の「海ぴろりん」といい、毎回ここへ来ると勉強になるわ)右は館内で配られた本企画の新聞。ライターの馬場卓也さんが解説文を書いている。
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6 Comments

ハヌマーン&さとる  

特撮オールナイト

昔はよく特撮オールナイトに行っていました。記事にあるように、盛り上がった勢いでよく喧嘩になっていました。私も、劇場を追い出されたクチです。警察が出て来たこともありましたが、怪獣映画を観ていて興奮したと聞いて笑っていました。楽しかった。

2015/05/03 (Sun) 22:46 | REPLY |   

カリメン2号  

新も旧も含め

こんにちは。
カリメン2号です。

今年は新も旧も含め、SF映画の当たり年かも知れませんね。

2015/05/04 (Mon) 04:04 | REPLY |   

しろくろshow  

若いときより今の方が

>ハヌマーン&さとる さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

ずっと田舎に住んでいる関係でこの手のマニアックなイベント上映会には殆ど経験がなかったので、今40過ぎて年に何度かこういう事に参加できるのが嬉しくてはしかたなかったりします(^◇^;)

まだ何も決まってませんが次回はお盆の「怪奇映画ナイト2」かなと思っています。

2015/05/04 (Mon) 21:27 | REPLY |   

しろくろshow  

大画面で見たら「ガンヘッド」は楽しかったです

>カリメン2号 さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

今年から数年は内外で怪獣映画の大作が続くので、ファンとしては楽しみでしょうがありません(まずは「ジュラシック・ワールド」でしょうか)

そしてその間もこうして古の特撮映画がスクリーンで見られることはありがたい話だとも思っています。

2015/05/04 (Mon) 21:34 | REPLY |   

楽珍劇場  

『ガンヘッド』って

根強い人気があるようですね~。
公開当時、前売りまで買って観に行ったんですが・・・
「観る前(ワクワク) と 鑑賞後(ガッカリ) で気持ちの落差が大き過ぎる映画」という印象のみが強くて、
(翌年の『ZIPANG』も同様)
実は内容をよく覚えていないのです・・・。
レンタルででも観返してみたいですね

2015/05/07 (Thu) 18:01 | EDIT | REPLY |   

しろくろshow  

ちょっとだけ好印象になりました

>楽珍劇場 さん

こんばんは、連投コメントありがとうございますm(__)m

それはそうとみなみ会館の吉田館長、髪型変えててより可愛くなってましたよ(^◇^;)

で、「ガンヘッド」ですが確かに私も初見時の印象が悪くて殆ど記憶に残ってなかったんですが、本記事でも書いたとおり改めて見直すと魅力を感じた部分もけっこうありました。

ただやっぱりお話部分は台詞聞き取りにくいし、なにをやってるのかわからないシーン多くて眠くなりましたけど( ̄。 ̄;)たぶん日本人俳優をゼロにするかいっそ台詞を全部英語にしてしまえば本編ももっと見られた物になっていたような気はしますね。

でもテーマ曲は最高でした。思わずネットでサントラ探してみたりしたくらいで(__;)

2015/05/07 (Thu) 22:14 | REPLY |   

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