鋼よりも強く、絹糸よりもしなやかに

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この週末8/22-8/23は高知まで一泊二日の旅行に出かけてきた(旅の詳細についてはこちらに記載)少し前の記事にも書いた高知県立美術館での企画上映「「永遠の怪獣映画 昭和の怪獣たち」~昭和の怪獣たち~日本が世界に誇る特撮技術」を見てきたのである。

二日にわたり計4本のゴジラ映画を堪能してきたので以下にそれぞれの感想と、このイベントに対する雑感等も綴ってみようかと思う。

8/22(土) 
10:00~11:14 「キングコング対ゴジラ」(短縮版)

このバージョンは俗に言う「チャンピオン祭り版」と呼ばれる類のものだと思うのだけれども、おそらく京都みなみ会館で5月に上映されたプリントと同じ物だったはずである。オリジナル完全版(これは現在DVD/ブルーレイで見ることができる)が97分なのに対し短縮番は74分と実に20分以上がカットされた代物となっているのだ。

オリジナル至上主義の人であればカットするなどけしからんと言う話になるだろうが、今日的感性を以てしてこの映画の完全版を見直すと、有島一郎絡みのギャグがけっこうサムいことに途方に暮れてしまうのだった( ̄。 ̄;)これはもう時代が古いんだから仕方のないこととは言え、2015年の今に延々と1960年代の爆笑コントを展開されても少々困ってしまうのところがあるのである。

それからするとこうして「笑えないところ」をバッサリ切った短縮版はテンポも良く間延びする箇所が一切無いので、あっという間に富士山麓での日米怪獣王座決定戦場面に辿り着いてしまうスピード感があるのだ。ほどよく短くなった本編のおかげで元々ベースにある喜劇の要素もイヤミ無く受け入れられることが出来るし(「キングコング対ゴジラ」が同じ東宝の「社長シリーズ」や「駅前シリーズ」のノリで作られているというのは良く聞く意見だがそれは私も同感。パシフィック製薬の社長が森繁だったらもっと良かったと思うし(^◇^;))その流れでコングとゴジラの動きがユーモラスなのもまったく気にならず、結果的には映画を見易くする効果を上げいてたような気がするのだ。

そしてこの日はかなり大きな画面で見ていたせいもあるけれども、今まで気がつかなかった事としては書き割りが(背景を絵で処理して実景と合成する特撮。マットペインティングとも呼ばれる)かなり効果的に使われていて、セット撮影の狭さ・安さをまったく感じさせなかったこと(特にファロ島のシーンで有効)また、2匹の怪獣が対峙する際にはよく「怪獣プロレス」などという言葉が使われるが、本作に於いてはそれが一部総合の試合のような趣を感じさせる要素もあってなかなかに面白かった(コングが高速タックルでゴジラをテイクダウンさせマウント状態からタコ殴りしたり、スライディングでの足払いがあるかと思えば大木を口に突っ込む荒技(これはプロレス的反則技だけど)を見せたりと言った)

なにせスクリーンが大きいのでそのあたりの動きがモノスゴク迫力があり( ̄。 ̄;)過去テレビやビデオで何十回も見ている映画だけどそういったところには今まであまり目が届いてなかったんだなというのがよくわかる。そういう意味では「怪獣映画」というジャンルはやはり劇場で見なければ特撮シーン本来の演出意図が客に伝わらないようになっているのかもしれない。とにかくこの「キングコング対ゴジラ」は悲壮感ゼロの最初から最後までひたすら「陽」のムードで突っ走る楽しい映画だったとあらためて感じた次第である。 

11:30~12:59 「モスラ対ゴジラ」

全体の感想としては一昨年のオールナイトで見たときとさほど変化はなかったのだけど、こうして4本並ぶとこの映画の完成度の高さがよくわかるのである。正直一部雑な箇所も目に付いた他の3本に比べ本作にはそうしたものが本編・特撮共に殆ど無く、古い映画にありがちな失笑してスルーしなければいけないような場面もほぼ皆無だったような気がするのだ。

冒頭の干拓地を台風が襲い、翌日ポンプで排水を行う場面のリアリティなんて相当な物だったし、のちに出現するゴジラを捉えるショットが常に奥、そしてサイドからフレームインしてくる「そいつがそこに本当にいる感」の驚くべき高さ。それはゴジラが岩島に向かう直前山陰からぬうっと出現した場面(警官が振り返った瞬間顔を出す、あのタイミングが素晴らしい)でピークを迎えるのだけど、もし「怪獣の見せ方」というテキストがあるのならそれはこの映画のことだと言えるほど、どのシークエンスも計算され尽くした絵作りになっているのはさすがだった(合成の使い方がいちいち心憎いのである←カット内の構図が奥行きを感じさせる配置になっているのが旨いのだ)

これで昨年の「空の大怪獣ラドン」に続き「君ィ見直したよ!」と言いたくなった「モスラ対ゴジラ」が我が輩脳内ランキングでゴジラシリーズのベスト3以内に浮上(「54ゴジラ」「ヘドラ」に並んで)

直近に見たときの感想

と、いうことで初日だけで話が長くなってしまったのでここでいったん終了。続きは明日の記事で。

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2 Comments

カリメン2号  

怪獣映画の良いところ

こんにちは。
カリメン2号です。

怪獣映画って、元々は社会風刺の意味合いの強いものが多いので、ストーリーは以外にも陰鬱なものになり易いんですよね。
それでも、楽しく観れる怪獣映画は、良い作品だと思います。

2015/08/26 (Wed) 00:58 | REPLY |   

しろくろshow  

いちばん頭に残ったのは「怪骨」だったわけですが

>カリメン2号 さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

今回上映のあった4本はどれもこれもご陽気なエンタメに徹した怪獣映画ばかりだったと思います。こういうライトな作風の方が一度に沢山見る場合は体調にも合っているような気がいたしました(^◇^;)

それで実はもっとも心に残ったのは「モスラ対ゴジラ」の中に出てくる"怪骨"でして、同行した友人も「あの骨生きてたの?」と聞いてきくたくらいインパクトがあったようですね。

関西では数年前(京都でのオールナイトが契機になっているようでした)から密かなブームになっているそうで「怪骨Tシャツ」というのも売られているのを見ましたが、ちょっと真剣に一着買ってみようかと思っているところです。

2015/08/26 (Wed) 22:08 | REPLY |   

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