山陰、それは妖怪と怪獣の住み処

IMG_0831.jpg少し前の記事で書いたとおり10/24から一泊二日の予定で映画マニアの友人たちと旅行に出かけてきた。

目的地は24日の午前中が境港の水木しげるロード、午後から翌25日にかけては米子市で開催中の「米子映画事変」を見て回ることになっていたのである。

我が輩にとって鳥取は生誕の地でもあるため(ちゅーても生後四年までしか居なかったのでそれほどの思い出があるわけではない)勝手に第二の故郷だとも思っているのだけど現地入りしたのは実に丸8年ぶり。境港へはそのときも訪れていた。

左の写真にあるように境港駅前へこんな巨大な絵が掲示されていたのも今回初めて目にしたが、以前来たときより妖怪のブロンズ像の本数も増えてたし近隣のショップ等もずいぶん充実してきており、リピーターを生み出しながら優良観光地として成り立っていることになんだか嬉しいやら感心するやらで(海外から来た団体さんも沢山歩いていたなあ)これぞまさに妖怪、いや水木しげる先生様々といったところであろうか(水木さんは境港で使われる自分が書いたキャラのロイヤリティを殆ど取ってないそうで、こうなるとふるさと納税以上の貢献をされているのではと思ってしまう)

現地にいたのは10時~13時くらいだったと思うけど最後は水木しげる記念館(こちらも二年ほど前にリニューアルされており新鮮度はかなりのもの)を見学して境港を後にした。

img006.jpgその後米子へ移動して「米子映画事変」を見に行ったが、宿のチェックインと食事時間が映画事変の各イベントと微妙に被っていたため参加できたのはガイナックスシアターで開催されていた「ウルトラマンX」の第一話/第三話の上映会のみ(ガイナックス創業者で本映画祭の発案者・赤井孝美、特撮の田口清隆監督と三話のゲスト女優・佐伯日菜子(テレスドンを操る地底女として登場)によるトークショーは中座して見ることが出来ず)あとは翌日のイベント会場の下見をしたりして終了。

翌25日は朝から満を持してふたたび現地に戻り「第4回全国自主怪獣映画選手権"帰ってきた米子大会"」を見てきたのだった。会場はガイナックスシアターから徒歩で7~8分のところにある久米屋と言う場所。

おそらく以前何かの商売をやっていて今は空きテナントになっているような風情だったけど、この米子映画事変はそうしたシャッター商店街的なエリアを利用したある種の町おこしにもなっているようなイベントでもあった。

各会場はガイナックスシアターを皮切りに歩いて30分程度の時間で廻れる圏内に点在しており、久米屋の場所さえわかればあとは数軒間隔で次の会場が見えるような配置になっている。

我々は11時よりスタートする上映に合わせて20分前には到着していたのだが中に入ると既に先客もおり、なかなかの人気の高さが伺えた。さほど大きな会場ではないが50以上のパイプ椅子を敷き詰めた席はあっという間に埋まり気がつけば立ち見客が出るほどの大盛況。

そんな中で始まった今回の選手権は以下のラインナップとなっていたのであった。簡単な感想と共に上映作品を紹介しておく(司会進行は田口清隆監督と途中参加になった田中安全プロレス(社会人のインディーズプロレス団体)の代表・田中まもるさん(試合用コスチュームで登場したので最初は驚いたが(__*))

1.「プロメテウスの火・特報(別バージョン)」・・・高松で開催された第三回大会でも上映されたものだが、出来がよいのはわかったので早く本編を見せろと言いたくなってしまった( ̄。 ̄;)いつまでも予告だけで引っ張るなよと。

2.「STILL NOT DEAD」・・・シリアスなホームドラマの間合いで作られた独特な空気の侵略SFモノ。木訥で淡々としたリズムのドラマ部が面白く"やや外し"狙いの特撮パート(おもちゃ然とした巨大ロボや腹の出た巨大ヒーローと言った)もこの映画には合っていたようだ。ちなみに最後の投票でぼくはこの映画を一位に推している。

3.「大怪獣グラガイン」・・・第三回高松大会でも上映のあった作品だが田口監督から特に説明はなかったので(^_^;)単に忘れられていたのか、数あわせだったのかは不明。但し本作は前回私が一位に推挙した映画でもあったので二度目の鑑賞ではあったが十分楽しませてもらえたように思う。

4.「ゴジラ2015」・・・当日ゲストの田中まもるさんが作ったゴジラ愛溢れる紙芝居風のショートショートムービー。84ゴジラの名場面をいかに家庭用の道具で、さらにローテクを駆使してどこまで再現できるかという実験映画みたいな映像(ミサイルの噴射をティッシュペーパー素早く引っ張って表現するのは初めて見たぞ!(;゜ロ゜))もう扱いとしては完全に箸休め的余興の一環ではあったけど、この日最大の爆笑を以て歓迎された一篇でもあった。

5.「宇宙大怪獣ヌマギラス」・・・東京工芸大学の学生さんが撮ったプロっぽい作りの短編。CGをふんだんに使った映像のクオリティは高いが、どのカットも何処かで見た物ばかりのような既視感が強く、これといった特徴がないのが残念。なんというか監督の「これを見てくれ!」という拘りが薄いような気もしたのだが(ちなみに「ヌマギラス」というのは監督の名前が細沼くんなのでそうなったとか)

6.「爆進戦艦」・・・こちらと次の「ザラウドン」は東京造形大学の学生さんの手によるモノ。失礼ながら映画スキルはあまり高くないものの(大学生の作品だけどどちらかというと高校生の映画でよく見るパターンの演出がやたら目について親近感めっちゃ感じたなあ(ーー;))本編/特撮どのセットも殆ど段ボールで組んであるのは気合いの入った「できるかな」を見ているようでそこは感心した。あと意外と特撮シーンより銃撃戦場面の方にセンスある絵心を感じたので、この監督はそういうジャンルの方が向いている人なのかもしれない。

7.「大怪獣ザラウドン」・・・先の「爆進」に出演していた人が八割くらいそのまま出てきて、これも高校生映画あるある(他でも役者の演技経験なしなのが丸わかりとかカットが繋がらないとかアフレコがずれまくってるとか等々←やったことある人ならわかるが一度はみんなコレをやる(__;))だなあと思いながら見ていたが映画としての勢いは「爆進」のほうがあって、こちらは少しインパクトが弱い。怪獣デザインはわりと王道的で良かったのでそこは気に入っている。

8.「カブVSダイコン」「カブVSダイコン2015」「機光超人ガイア」・・・この3本はなんと中学生の子が弟たちと一緒に作り上げたという作品。彼ら三兄弟はたまたま前日の「ウルトラマンX」上映会のトークコーナーで田口監督と再会した子達らしく(三年前の米子映画事変にも来ていたそうで、このときの彼らはまだ全員小学生。なんでもその際に田口さんから「G」のDVDをプレゼントされていたとか)そのときの話で「"G"に触発されて実はその後怪獣映画撮りました」ということが判明したそうである。なら明日の選手権にエントリーしよう!というハプニングのようなノリでこの日の上映が急遽決まったとか(なんて自由な話だろう)

上映された三本のウチ最初が着ぐるみ怪獣同士のバトル(やや「ウルトラファイト」風)で次が人形劇と一作ごとに違う手法を取り入れ、少しずつ撮り方が上達しているのも子供の成長を見ている様でなんかほっこりしたな~・・・( ̄。 ̄;) それと田口監督の撒いた種がこういう形で少しずつ花開いていくのを見ているとこうした企画は特撮界にとって大いに意義があることだと思わずには居られないのだった。

正直まだまだ評価の対象に出来るほどの内容ではないけど、こんな子供達がデジタル特撮ではなく旧来のアナログな特撮に魅力を感じてくれて、さらには自分でも作ってみたというその事実に僕はひたすら感動してしまったのである(ノД`) しかも衣装の制作には彼らのお母さんも協力していたそうで、もうほとんど家内制映画製作の見本みたいな話だなと(規模は違うがロバート・ロドリゲスだって似たようなもの)

このままどんどん作品を作り続けてあと一〇年もすれば(それでも二〇代前半)プロの映像作家としてすごい特撮監督になっているかもしれないし、少なくともそれを見届けなければオレも死ねないなと(^_^;)今まじめにそう思ってしまうほど彼らの今後には期待せずにおれないのだった(田口監督も最初に怪獣映画を撮ったのは一五歳だったそうだし)

そしてあっという間に時間は過ぎ、スケジュールが押しになってきたため最後は挙手による優勝作品の選定(最初はアンケート用紙に採点を記入して集計後発表するはずだったのに、これも第三回高松大会の時と全く同じ流れ(ーー;))となったわけだが、なんとなんとこれが意外なことに「息抜き用コンテンツ」のはずだった「ゴジラ2015」が最高得票を獲得してしまい(;゜ロ゜)見事第4回の優勝を勝ち取ることになってしまったのだった。

この瞬間監督の田中さんも「良いんですかホントにコレで!?」と狼狽しておられたし、田口監督に至っては「最後はこんなオチかよ!」アタマ抱えて叫んでいたくらい( ̄。 ̄;) まあこのゆるさと適当さが自主映画上映会の良いところでもあるわけで、今回はこの日最大の爆笑をとったコノ映画で結果的には良かったんじゃないかという風には思ったけれどもね(^_^;)

そんなわけで楽しかった山陰の旅はこれにて終了。次回第5回が何処で開催されるかは不明だが、少なくとも西日本エリアならまた駆けつけなければと思っているところである。

※各会場前の通りを宣伝のため歩いていたご当地ヒーローのネギマンと敵役であるお城ロボのマツエ・ジョー。
negi.jpg

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10 Comments

びょうせい  

ネギマン

どうも、ご無沙汰です。

ネギマン、知らなかった。イイですね。
あの腕、手の周囲の造形は、キャプテンウルトラに出てきたバンデル星人の腕を細くしたように感じ、そして昔のアイドル「あいざき進也」や「城みちる」の衣装を思い出させてくれ、思わずグッときました。
「植物質で細マッチョ」。この強いのか弱いのかよくわからないモワッとしたイメージがたまらないです。

2015/10/27 (Tue) 09:42 | REPLY |   

バニーマン  

こんばんは。

そうなんですか、生まれたところとは・・・。
しかし山陰というか鳥取と島根は遠い!

中国地方も兵庫、岡山、広島、山口は行きました。
岡山(倉敷)は少しだけど住んでいた。
兵庫の日本海側(城崎)にも行きました。

でも鳥取&島根はいつになったら行けるのかな・・・?
砂丘見たい!

2015/10/27 (Tue) 21:23 | REPLY |   

しろくろshow  

けっこう頑張ってるんですよね

>びょうせい さん

こんばんは、コメントありがとうございました_(._.)_
こちらこそずいぶんご無沙汰しております。

この主題歌動画見ただけで特撮はそうとう本格的なのがよくわかりますよね( ̄。 ̄;) ぱっと見はウルトラ系のパチモンみたいな佇まいが何とも言えず良いのですが、ネギだからでしょうけどこの緑のカラーリングが無意味に爽やかなのも気に入っています。

2015/10/27 (Tue) 22:38 | REPLY |   

しろくろshow  

広島まで来たならもう一踏ん張り(^_^;)

>バニーマン さん

こんばんは、コメントありがとうございます(・_・)(._.)

うーん(ーー;)バニーマンさんは確か岐阜でしたよね~。なるほどあそこからだと山陰は遠いように思います。

私は両親の離婚で鳥取を離れることになったのですが(父が鳥取県人で母の里が徳島なのです。四歳の時母に引き取られて四国に流れていきました)子供の頃は夏休みになると毎年鳥取へ行って遊んでいました。砂丘も楽しいところですし機会があれば行ってみてください。

今回私は皆生温泉に泊まりましたが、鳥取は良い温泉宿も一杯ありますので。

あとこの「自主怪獣映画選手権」は米子→高松→岡山→米子と開催されてきましたので、いずれお近くでも上映の機会があるかもしれません。そのときは是非ご覧になっていただきたいなと思います(^^)

2015/10/27 (Tue) 22:47 | REPLY |   

晴雨堂ミカエル  

私の郷里も鳥取の域に達したい。

 高知は鳥取や島根に負けないくらい過疎県、アンパンマンや海洋堂や漫画同人誌業界では有名な印刷屋西村謄写堂が頑張っていますが、残念ながら坂本龍馬に頼り切っている状態からは抜け出ていません。

 特に私の出身地はやなせたかし先生の出身地でもあるのに、寂れた村に忽然と記念館がある状態、商店街はもはや元商店街です。
 なんとかできないものかと思案中です。いずれ体制が整ったら郷里に帰るつもりです。

2015/10/29 (Thu) 06:30 | REPLY |   

しろくろshow  

やや酔ってますがご容赦を

>晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

少し前ホークスの日本一を確認して自宅痛飲中のためやや酔っ払っておりますが(@_+ *) お許しを(ヘンなこと書いてたら明日以降謝ります( ̄。 ̄;))

米子映画事変や徳島のマチアソビ等を見ているとやはり中央で頑張っている個人or企業経営者が地元で某かを還元しようというところから始まってるみたいですし、高知出身でそういうことをやってくれそうな方に自治体からアプローチをかけてみるのが手っ取り早いような気はしますね。

あと高知だと県立美術館の「やる気」が端から見ているととても感じるので、きっと中にはそうしたカルチャー面で意欲を持った人がいらっしゃるんじゃないかとも思いますし、そんな人たちと連携を取ってみるのも面白いのでは。

2015/10/29 (Thu) 22:48 | REPLY |   

晴雨堂ミカエル  

ホークス優勝おめでとう。

 パリーグとセリーグの実力差は歴然としていますね。素晴らしい勝ち方です。
 投打の隙がないチーム力もさることながら、運営会社との関係も東京のどこぞの球団と違ってゴタゴタしていない。
 さらに孫正義オーナーと王貞治球団会長との関係も良好、不安材料が見当たらないチームは珍しい。
 ホークスはかつて難波の大阪球場をホームグランドにしていた南海ホークス、私にとってはモロに地元球団でした。阪神ファンですが阪神よりもホークスに親近感があります。


 高知の場合、やなせたかし先生のアンパンマン・ミュージアムをはじめ、近年では有川浩氏原作の映画「県庁おもてなし課」が典型例です。
 また四万十に海洋堂の施設が観光名所になっているのはフィギュア好きには有名ですが、海洋堂の創業者宮脇修氏も高知出身です。
 高知出身者は郷土への帰属意識が強い。


 今のところ連携とまではいきませんが、下準備として高知の有志と誼を通じる作業は行っています。
 私は著名人でも資産家でもないので、進捗は緩慢にならざるを得ませんが。
 そんな時、ふと思うのです。やはり坂本龍馬は凄い、と。なんであんなに動けるんだ?と。

2015/10/31 (Sat) 08:06 | REPLY |   

しろくろshow  

私も南海時代からのファンなので

>晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>
私は大阪で生活したことはないのですが、水島新司マンガの影響で「あぶさん」を10歳の時に読んだのが運の尽き(?)でして、以降ずっとパ・リーグはホークスを応援し続けています。

弱い時代も長かったけに今の姿を見ていると感慨深い物がありますねー・・・

それから高知でもこういう映画祭に乗っかかった町おこしイベントが出来るようになったら少々遠いですけど(ーー;)私も駆けつけようと思っています。

2015/10/31 (Sat) 19:57 | REPLY |   

中島元気  

特撮自主映画 STILL NOT DEADの監督 中島元気と申します。非常にありがたい感想をありがとうございます。映画祭に出席できなかったので、他の作品の感想等もとても参考になりました。

主題歌『Still Not Dead』のPVも制作させて頂いております。こちらも特撮を用いてますのでお時間あります際に視聴して頂きましたら幸いです。
https://youtu.be/InKgZFL8o9U

田口監督は専門学校の先輩で、『G』等の自主映画にも参加させて頂きました。

2016/06/18 (Sat) 23:20 | EDIT | REPLY |   

しろくろshow  

とても楽しい映画でした

>中島元気 さん

こんばんは、はじめまして。
ならびにコメントありがとうございましたm(._.)m

中島さんの作品を見たのはもう八ヶ月も前になりますが、今でもインパクトは強烈に残っています。次回作も楽しみにしてますので新作が完成したらまた告知をかねて遊びに来てください。

これを機に今度もよろしくお願いいたします<(_ _)>

※PV拝見しました。こちらも歌のかっこよさと例のヒーローのアンマッチぶりが実に楽しかったです(^_^;)

2016/06/19 (Sun) 21:39 | REPLY |   

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