扉の向こうに私を待ってる女(ひと)がいる

今年一発目に劇場で見た映画は「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」だったのだが、その前に意外なところで鑑賞することになった僕にとっては数年越しの作品のことを先に書いておくとする。それはお仲間の一人、こじかさんのブログで記事を読んで以来ずーーっっと見てみたいと思っていた「ROOM237」のことなのである。

これがいったいどういう映画であるかというのはそれぞれのリンク先や予告動画を見て推し量っていただきたいのだが、要は故・スタンリー・キューブリック監督が80年に撮った「シャイニング」(我が輩のマイ・フェイバリット・ホラー映画でもある)という映画について同作のマニア/フリーク/研究者それぞれの皆さんがあーでもないこーでもないといろんなことを二時間近く言い続ける居酒屋トークのようなドキュメンタリー作品のこと(タイトルの「ROOM237」とは「シャイニング」劇中でキーポイントになるホテルの部屋番号。スティーヴン・キングの原作小説では217号室になっているが、この映画の中ではそのことにも言及されている)

IMG_0947.jpgこうしたマニアックな映画は自分の環境下だと鑑賞する機会はなかなかやってこないのだけれども、年末に契約したNetflixのラインナップに上がっていたのをたまたま見つけて今回は「おーっ」となったわけである。充実しているドラマ群に比べて映画の方は無難な並びが多かったのだが、たま~に目を牽くようなヤツが紛れ込んでいるので今後もよく確認しておかなければいけない(そういえば「武器人間」なんかも入ってたなあ・・・)

これがまあビックリしたのは本当にいろんな人がいろんなことを熱心に語り続けていて、たとえば劇中に登場するオーバールックホテル(あれは本物では無くカリフォルニアに実在するアウェニー・ホテルというところを参考にした超広大なセットだそうだ)の本編映像を徹底的に調べ、間取りの矛盾点を指摘したりセットの位置関係を割り出して具体的に図面化する人がいたり、そのセット内に用意された家具やポスターといった小道具に「キューブリックのメッセージが隠されている」と熱弁する陰謀論史の研究家みたいな人が出てきたりと話の振り幅はとてつもなく大きい(しまいにゃアポロ捏造説まで引っ張り出してきたので(;゜ロ゜)さすがに一瞬笑ったけど、ずっと聞いてると語りに説得力があるので「或いはそうなのか・・・??」と思わせる箇所もあったりで)そうした熱い熱い好事家トークの数々は我が輩のような「シャイニング」好きにとって実にたまらない、全編がちょっとオレもその会に混ぜてくれよと言いたくなるような作りになっているのである。

で、徹底しているのは事実の検証はとにかく置いておき(^◇^;)語り手各自が自説を如何に聞いてもらうかというポイントにすべてが注がれた構成になっており、先に書いた「スキモノたちの居酒屋トーク」というのはそこから醸し出されていると思うのだけれども、ファンムービーの形としてこういうやり方はありだなと思えたし、また「シャイニング」という映画自体そうした"トンデモ理論"でまじめに語ることのできるフリーキーな作品でもあるのは間違いないわけで、それからすると本作は見る人を選ぶ映画でもあると言えるだろう(たぶん「シャイニング」を未見でキューブリックにも興味が無い人がコレ見たら五分で寝るな( ̄。 ̄;))

その反面少しでも「シャイニング」を見たことがあるとか、多少なりとも興味があるという人であれば「そんなアホな」と思いながらも同作好きにとっては随所で琴線に触れ、場面によっては思わず手のひらをポンッと叩きたくなるような箇所もたくさんある映画でもあった。さらにその熱いトークのバックには「シャイニング」の検証用映像やキューブリックの他作品(全然無関係の映画も少し混ざっていた)の映像も多数引用されており、これらを旨く使いながら周到に鑑賞者を丸め込む準備(?)もされているのである(そういう意味で言うと編集がよくできていると思わずにはいられない)

そんなわけで見る機会とチャンスのある方にはぜひ鑑賞していただきたいと映画だと思っているが、ある程度の覚悟(?)は必要かも(おそらく「シャイニング」を未見の人はスルーした方が無難(__;) しつこいけどここは要注意。そして「シャイニング」鑑賞済みの人はあくまでも"騙されたと思って"見るのを忘れないように( ̄。 ̄;))

・本ブログ「シャイニング」関連記事1
・本ブログ「シャイニング」関連記事2 
関連記事

12 Comments

しとり  

「Room237」、予告編の動画を見せて頂いただけですが、個人的に凄くツボそうな映画です。
結構シリアスなトレーラーなのに、途中でナチスとかヒトラーの映像が入ってきたところで何故か吹いてしまいました(笑)
話広げ過ぎでしょう!(笑)でも、こういうノリは割と好きだったりw

映画そのものよりも、その映画について喋っている人の話を聞く方が面白いってことが時たまありますが、これもそういう感じの作品なんでしょうか。

私事ですが、僕も今年一発目の映画館鑑賞は「スター・ウォーズ」でした。
色々と感想もありますが、まずは白黒さんの記事を楽しみにしています。

2016/01/17 (Sun) 23:43 | REPLY |   

つかりこ  

おー、この映画は存在自体知らなかったです。
『シャイニング』は何度も観ているし、大好きな1本ですが、
そんなにいろいろ飛躍して語れるものなのか、
すごく観てみたくなりました。
ちょっと探してみますね。

『スター・ウォーズ7』、まだ観てません。(汗)

2016/01/18 (Mon) 14:32 | REPLY |   

しろくろshow  

とにかく語っている人たちがアツいので

>しとり さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

いや、ホンマに話の振り幅は異常に広いですよ(__;) それで私本文の中では"「シャイニング」未見の人は寝る"って書いてますけど、確かに講話というか講演聞くつもりでこの映画を見たら案外楽しめるかもしれないと思い直しているところです。

「どうだ!こんなことに気がついたオレの見識眼に驚け!」みたいなのもいっぱいあって笑えるところもありますし(^◇^;)

機会あればぜひご覧くださいませ。

2016/01/18 (Mon) 20:08 | REPLY |   

しろくろshow  

見てる人にとっては

>つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

「シャイニング」をご覧になっているのであれば、この映画の一部「ヲィヲィ(°°;)」と思えるパートについてもある程度は受け入れられるように思いますし、実際話聞いてるとマジメに納得できる要素もたくさんありました(数字のマジックについての話は特に)

私はこの映画見た後で思わず「シャイニング」の本編を見返してしまいましたね~・・・( ̄。 ̄;)

あんまりレンタル屋さんには置いてないかもしれないですけど、もし手に取ることがあったら一度見てみてください。

2016/01/18 (Mon) 20:17 | REPLY |   

バニーマン  

こんばんは。

おー、こんな作品があったんですね。
シャイニングは公開当時に劇場で観たっきりですが、
なかなか興味深いですね。

でもなによりビックリは、あのホテルって、セットだったんですね!
そう言えばそんな話も聞いたような・・・
そんなシャイニング素人でした(笑)

2016/01/18 (Mon) 20:50 | REPLY |   

しろくろshow  

ひょっとしたらレンタルのDVDに

>バニーマン さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

ホテルの全景が映るカットがありますけど、あそこは本物のホテルを撮影したもので、中は全部セットで作ったらしいです(なんてすごい話( ̄。 ̄;))

それでわたし「シャイニング」はもう何年も前に買った廉価版SD-DVD(画面サイズは4:3)ソフトとBSオンエア分をHD録画した物(こちらは16:9)とを持っているのですが、DVDにはメイキング映像が収録されており、そのセットの様子も若干ですがわかるようになっていました。たぶんレンタル屋さんに置いてあるヤツと同じ仕様じゃないかな~と思うので、もし覚えていたらまたご覧になってみてください。

2016/01/18 (Mon) 21:27 | REPLY |   

楽珍劇場  

オコンバンワ。

好きな作品を深く掘り下げて考察するのって楽しいですよね。
ちょっと視点は違いますが『ホドロフスキーのDUNE』も面白いですよ~

本題の『シャイニング』。
観てから十数年経っていてよく覚えていない部分なんですが、
ホテルの部屋にいた、犬男だか熊男だかわからない怪人はなんだったんですかね。
実はアレが一番怖かったです。

2016/01/18 (Mon) 22:16 | EDIT | REPLY |   

しろくろshow  

好きな映画のメイキングとかバックステージ紹介というのは

>楽珍劇場 さん

こんばんはー、コメントありがとうございますm(__)m

そーなんですよ、好きな作品語りというのはその元の映画が好きであればあるほど聞いてみたいものですよね。

この手のヤツだと私は「メイキング・オブ・猿の惑星」が好きでした(ロディ・マクドウォールがホストとして出てきます)

それから楽珍さんの仰っている「犬男」についてですが、こちらの記事が詳しいと思うのでご紹介しておきます。

http://kubrick.blog.jp/archives/52043023.html

ちなみにあれを「犬男」と呼ぶのはキューブリックフリークのこじかさんブログで初めて知りました( ̄。 ̄;)

できれば「DUNE」もNetflixかHuluで配信してもらいたいです(^_^;)

2016/01/18 (Mon) 22:52 | REPLY |   

Taka  

シャイニングは名作ですよね!

あのキューブリック独特の演出とおどろおどろしいBGM、ジャック・ニコルソンの演技が非常に印象的です! 冬に観たくなる映画の一本ですね。「ROOM237」は「シャイニング」に関連した作品として気になっていた作品なので、とても興味あります!

2016/01/23 (Sat) 19:54 | REPLY |   

しろくろShow  

はずかしながら

>Taka さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

実は「シャイニング」はわたくし中二の頃劇場へ見に行きまして、途中で「もう帰りたい~(>_<)」と思いながら恐怖に耐えていた映画なのです(ああ、まだホラーに耐性が無かった10代の頃・・・)

この「ROOM237」はその"恐怖"の部分にはあまりスポットを当てず、映画の中に何が隠れているのかというのをあぶり出すような作業をしていて、それが面白かったというのはありますねー(^◇^;)

鑑賞の機会がありましたらこちらもぜひ見ていただきたいと思います。

2016/01/27 (Wed) 09:01 | REPLY |   

K@zumi  

シャイニング!

こんばんわー!

キューブリックの『シャイニング』はキングは気に入らんかったと聞きますが、
(小説は未読なのでなんとも云えないというかよく判らないのだけど)
映画『シャイニング』はものすごく怖くて、わたしはけっきょく最後まで観れていません(>_<)
あの平衡感覚がおかしくなるような、耽美でシュールな音のない恐怖の世界

ああ、怖ひ

女優さんの顔芸もなにげにトラウマ、、、(´Д⊂グスン

2016/01/29 (Fri) 20:25 | EDIT | REPLY |   

しろくろshow  

あれは別物でしたね

>K@zumi さん

こんばんは、コメントありがとうございます_(._.)_

わたしキングも大好きなのでほとんどの作品は読んでおりますが、映画化がそれほどうまくいったとは言えない作家の筆頭みたいな人でして(良かったのは「ショーシャンク」「ミスト」「キャリー」「デッドゾーン」くらい)この「シャイニング」もけっして失敗というわけでは無いんですけど、二つを比べてみると全然違う物という感じになっていたように思います(原作版はどちらかというとわかりやすいサイキッマエンタメホラーでした)

私のように原作も映画版も好きな物にとってはキングとキューブリックの確執が少し悲しかったりもしたんですけど(両親の喧嘩を見ている子供の気分?)この「ROOM237」の中ではその事についてもネタとして取り上げられていました。

そうそう、「シャイニング」公開当時誰か作家の人が(高千穂遙じゃなかったかなー・・・)「顔だけで良い役悪い役を決めるならアノ奥さんは絶対悪役だ!」と言っていたのを思い出してしまいました( ̄。 ̄;)(あれは確かに怖かった(>_<))

2016/01/29 (Fri) 22:06 | REPLY |   

Leave a comment