You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

Category: ◆映画は液晶前の指定席で=TVやDVD等で見た映画の話  

思い出は美しすぎて

一月もあるじゃないかと悠長に構えていたU-NEXTの有効期限があっという間にやってきてしまい( ̄。 ̄;)大慌てでお気に入り登録していた映画を深夜に二本鑑賞した。一本目は「ブルーバレンタイン」

検索中タイトルに聞き覚えがあるなと思ったら映画評論家・町山智浩さんの著書「トラウマ恋愛映画入門」で取り上げられていた一本だったのを思い出したのだった。映画の内容は一組みのカップルの出会いから結婚、離婚までの時間軸を行ったり来たりしながら綴っていく、なんともせつないお話(古くは「ゴッドファーザーPARTⅡ」、最近だと「LOST」のような「現在」と「数年前」が交互に描かれていく方式)

私はオトコなのでどうしても男性目線でしかこの映画を見ることが出来なかったのだが、夫であるディーン(ライアン・ゴズリング)が後に妻となるシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)と知り合った頃のシーンを見ていると彼は学や教養は無いがホントに良いやつでビジュアルも完全なるイケメン。そのうえ情にもろく仕事で知り合っただけの老人に必要以上の親切を施したり、付き合いだしたばかりのシンディが元彼の子供を妊娠したのを知った上で「一緒になろう」と告げるようなアツいオトコなのである(しかも元彼に殴られて大けがまで負わされたりもしたのに、堕胎を思いとどまらせてそのまま本当に彼女と結婚してしまった)ここだけを見たらどうしてこの結婚生活が破綻してしまうのか、これはもう妻側に問題があるとしか最初は思えて仕方がなかったのだった。

そして別れを描く結婚から6年後のパートになるとイケメンだったディーンは髪の毛が後退し( ̄。 ̄;)「なるべく家族と一緒にいたいから」という自分なりの理屈で半日だけ塗装工の仕事をしてそれ以外は家で過ごすという生活になっていた。特に説明はないが妻は看護師の仕事をしており寝る間もないほど忙しい日々を過ごしてはいるが生活に困窮しているわけではない。時間があれば忙しい妻に成り代わり娘の遊び相手を一生懸命してやる優しいパパであり、稼ぎはあまりないものの家族を第一に考える良き夫というのは6年前と何ら変わっていなかった。にもかかわらず妻の心は完全に夫から離れその生活から早く抜け出そうと考えて・・・

てな感じでドラマは動いていくのだけども、改めてオトコサイドでこの顛末を見ているとやはり妻の行動に対して納得はいかなかった。そもそも自分の子ではない娘を自分の子として愛し育てるために実の子以上に一緒にいる時間を作ろうとしていた彼の考えは尊いもので、それが間違っていたとは思えないのである。収入に不満があるなら妻から「こうしてほしい」と時間をかけて話し合えば良いし、そのうえシンディを妊娠させたあげくディーンを半死半生の目に遭わせたオトコと街のスーパーで再会したことを楽しそうに語る彼女の言動はなんて無神経な女だと思われても仕方がないんじゃないかとも思えたのだった。これどう見てもディーン悪くないじゃんって。

で、映画の中では当然シンディの過去も描かれていくのだが、彼女は極端に不仲な両親の元で育ち、特に父が母のことを召し使い以下の扱いしかしていないことに辟易としており家族、および男性という物に対してまったく希望を抱いてはいなかった。なので男性との交友も刹那的なセックスしかしてこなかったし妊娠したことで絶望により拍車がかかっていたのだが、その頃付き合いだしたディーンの優しさに触れて心が氷解し「この人なら・・・」と信じて結婚を決めたはずなのである。

しかし6年経ってみれば夫はなんの成長も無くただただトシ取って頭も禿げ上がり、毎日5歳の娘と同レベルで遊んでいる。自分は着実にスキルアップして上司にも認められステップアップしようとしているのにどうして夫は進歩しないのかというジレンマが彼を「優しくて素敵なディーン」ではなく「成長のないガキおやじ」としてしか見られなくなってきたのだろうと思うのだ(だから昔を思い出させようとディーンが一生懸命ムード作りをしても彼とのセックスには嫌悪しか感じない。この時点で既に彼女にとってディーンは「終わった男」になっていたのだろう)

しかも仕事で上司に認められたと思っていたのに実は彼女に気があったからと言う、遠巻きに不倫の誘いをされていた事がわかると生来彼女が持っていたオトコへの絶望感が吹き出すのを止めることは出来ず、心情的にもはやディーンとの結婚生活を続けるのは不可能となっていたわけで、ここまで見るとまーこの結果もしょうが無いのかな?と少しだけ納得も出来たのだった。

でもでも、やっぱりオトコとしてはこの結婚生活のきっかけってディーンの自己犠牲と心から彼女とお腹の中の子供を愛そうという想いから始まってるわけで、それって清水の舞台から飛び降りるくらい勇気のある尊い行動だったと思うんですわ。だから多少の貧乏が何だよ、オッサンになってどうしたよ、妻と娘をこんなに大事に思って何がアカンの??って我が輩はすごく言いたくなってしまったのね。

この映画見終わって感じたのはけっきょくオトコは後ろ向きで美化した過去ばかり見ているけど、オンナは立ち止まらないでずっと先を見ているんだなっていうことなんだろうなあ。それで今思い出したんだけど女性の逞しさ、オトコの女々しさという事で自分の話を書けば、若い頃お付き合いをしていた女性とひょんなことから別れ話になって、最後は彼女に大泣きされて関係が終わったことがあったのだけど、その後も何度か電話がかかってきて相談事もされたりしたので「ん?この子まだオレに未練があるのか??より戻した方がいいのかなー??」と完全に思い上がっていた数ヶ月後街でばったり彼女と出くわしたら思いっきり若い男と腕組んで歩いていたのだよ(;゜ロ゜) 

彼女は我が輩の顔(鳩が豆鉄砲で撃たれたような顔だったはず(゜Д゜;))を見るなり満面の笑みで「ひさしぶりー、新しい彼女できた~??(^^)」と私の肩をばんばん叩いて爽やかに去って行ったのだが、やはり女の人にとって「終わった男」は通過点以外の何物でも無いと言うことなんだろう。きっとオトコはそれをループしちゃうからダメなんだろうねー(>_<)

ともかく映画の中でこんな生々しくも侘しい気分を感じるとはホントに思ってなかったけど、オトコにとっては心底切ない映画だと我が輩は強く思いました。奥さん、彼女のいる人はなるべく一人で見ることを推奨いたします。あー、それにしてもディーンがかわいそう・・・(;ω;)

と、書き殴ってみたら長くなったので二本目は次の記事で(「ホルテンさんのはじめての冒険」他になる予定)

 
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Comments
Edit誠に同感。
 夫が家庭の守備にまわってくれたからこそ、彼女は後顧の憂いなく仕事ができる訳なので、バチあたりな嫁以外の何者でもありません。
 仮に夫が仕事優先でバリバリ偉くなったらなったで、子供を顧みない冷たい夫、所詮は父親と同じ生き物と批難するに決まっとる。
 こんな女は天誅を喰らわさねばならん。

 「こんな女は」と言ったが、性別は関係ないですよ。
 たわけ者は男女関わりなく相当数おるだけの話です。
Editそこまで「このアマ!」とは憎めませんでした(^_^;)
>晴雨堂ミカエル さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

私はシンディに対して冒頭部分では「なんでそうなるの?キミおかしいやん」と感じていましたが、映画中盤以降になるとコイツ最低だなとか酷い女だ、みたいなところまでは思えなかったですね~(彼女の境遇を知ってしまうとある程度考えが別離にシフトしていくのも多少はワカランでも無いなという気はしましたけど)

ただ、それでもオトコ(夫)サイドとしてはこういう対応されたらたまったもんじゃないなと言いたくもなりましたし、ホントこの映画って隅から隅まで侘しい物語だなとも思いました。
Editおばんです!
あー!男って切ない生き物ですね〜!
私も「しろくろ」殿の「満面の笑みで・・・」ってな経験をした事があるので全く持って女にとって終わった男は過去の通過点以外の何物でもないってのに同感です(苦笑)
Editわかっていただけますか( ̄。 ̄;)
>軍曹亭! さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

ホントに女性の逞しさやメンタルの強さ、そして立ち直りの早さには羨ましいと思ってしまうところが多々あります。

あの切り替えの早さが自分にも欲しいですねー。

Edit♂と♀
DVDレンタルされた当時、観ようかと思ったけれども、タイミングを逃して見てない作品ですが、
しろくろさんの文章を読み、コメさせていただきます。

「オトコの女々しさ」ですが、
これ女にも言えますよ。だって女々しいって女って漢字だし。
私はサバサバした年上女性に言われたことがあるんです。
「女なんだから女々しくて当たり前よ!」

まぁ、違いは表に出ちゃうか隠すかじゃないでしょうかねぇ。

しかし、興味深い文章でGood!

男のこう言った素直な文章好きです。
私は完璧な女でもないし、大人でもない、
男っぽい部分もあるし、子供の部分もたくさんあるので。
Edit実は女性的要素は男性の中にこそあるのではと
>hi-lite さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(._.)m

この映画でもそうでしたが人生を取捨選択していく割り切りというか一番大事なところを理論的に突き詰めてスパっといく女性の思い切った姿勢というのは、なかなかオトコにはマネの出来ない物だと思ってます( ̄。 ̄;)(基本グズグズしちゃって即決できないのが男性脳じゃないでしょうかねー)

※これは結構前から考えてたことなんですけど、私は人間の完成形というのは女性であって、オトコというのは所謂「なり損ない」ではないかと思ってるんですね(^_^;)(ニンゲンになれなかったナリソコナイニンゲン~ってなんだか「妖怪人間ベム」のOPみたいなこと言ってますけど)

Edit〈拍手コメントのお礼〉
>P 様

拍手コメントありがとうございました_(._.)_

おそらくですけど男同士で一緒に見たら静かに酒飲みながらしみじみして、女同士だとお菓子食べながらみょーに盛り上がる( ̄。 ̄;)そんな映画のような気もしました。

機会があったらご覧くださいませ。


Edit
こんにちは

この映画の話、とても興味深くて、何度も読ませて頂いています。
映画を見ていないのでなんとも言えないのですが、
諸事情は抜きにして、何となくこのヒロインの気持ちがわからないでもないような気がして。
こんな繊細な心の動きを映画にするって、すごいですよね。

でも、説明できないんですよね。
身ごもった自分を引き受けてもらった負い目が彼女にはずっと付きまとっていて、そこから解放されたっかったのでは、と推察するのみ、なのですが。

女(私と言った方が良いのでしょうが)は身勝手なのですが、その裏にはそれなりの事情を抱えていて、なのにそれは理屈では通らないものだったりするので・・・。
Edit他のレビュー等を読んでみても
>mikaidou さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(._.)m

この映画を見てからレビューサイト等で他の人の意見を読んでみたのですが、捉え方はけっこうバラバラでした。ただやはり男/女/独身/既婚という立場4グループにそれぞれ別れていたような気がしましたね(いっさい共感できない、と言っていた人は若い方が多かったように思います)

既婚の高齢オトコである私がこの映画を改めて見てみますと、主役の彼と同じでどうしてもきっかけの時点へ戻ってしまうんですよ。おそらくそこが美しかった故に「初心に戻ればなんとかなる」という甘い思い込みをもっていたんだろうと思いましたね~。

でも、妻の方からすればそれはもう終わった話であって、彼女が考えているのは「今」なんだということなのかなと俯瞰で見たら「なんとなく」わかるんですが、それをオトコはきっと認めたくないんだろうなーとも思いました。

と、いろいろ考えることが出来て珍しい映画でしたので(ひょっとしたら我々くらいの年代がいちばん「う~ん」と感じるかもしれませんね)機会があったら見てみてください( ̄▽ ̄;)
Edit切なかったですね~
こんにちは。
何年か前に見て、ライアン・ゴズリングのハゲにショックを受けた記憶があります(笑)

いやー、女の私から言わせてもらっても夫側に肩入れしちゃいますね。可哀想すぎます。
センスのないラブホテルの件なんか、もう見ていられなかったですよ(*_*)
自分が当事者だったとしたらイライラしたりするんでしょうけど、それでも夫の愛は変わらず家族へ向いてるワケで・・。

男の心を木っ端みじんにする、恐ろしいほどのクラッシュムービーでした。
Edit信じていた物がさっぱり武器にならない
>エファ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(._.)m

愛さえあれば、愛がすべてさ、愛こそ我が命、なんて男の大好きな「きれい事」のフレーズが一切通じない状況の辛さとでも言うんでしょうか( ̄。 ̄;) 剃り込みの入ったゴズリングが妻に少しずつ(一気にじゃないのが余計にキツいなと)拒絶されるたび絶望感を感じていくのが悲しかったです。

妻と娘の顔を見ながら去って行く、こんな寂しいラストシーンのある映画もなかなかないなって思いましたねー・・・
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