You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

見た映画・テレビの話をだらだら且つのんべんだらりと綴るブログ

Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

おれがあいつであいつがおれで

今年初めて映画館で見た映画は妻の希望もあって「君の名は」になった。

 
徳島では昨年の夏からシネマサンシャインで公開がされていたのだが、全国的なヒットの余波がこのド田舎にも届いており、年が明けた今現在も未だ上映中。私が行ったのは正月休み1月2日の昼だったけど、ほぼ満席と言って良い状態だった。

今まで何度か本ブログでも言及してきたが我が輩は現代アニメーションにほんとに疎くて(85年以降のアニメ作品は映画テレビ問わず数えるほどしか見ていない)新海誠監督の作品も当然のように過去一本として見たことが無かったのである。そのため数日前から自宅で旧作を何本か見て(「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「彼女と彼女の猫」)それから本作の鑑賞に臨んだわけだけど"慣らし"が効いたのか(ーー;)思っていたより50オトコの琴線にもすとんと落ちてくる好編だったと思っている。

そもそも「男女入れ替わり」というキーワード以外なんの情報も持っていなかった自分にとっていったいどんな映画なのか、内容面でやや不安もあったわけだけどこういう大がかりな話とは思ってなかったので、まずそこで気持ちよく裏をかかれた(?)気分になってしまった(二人が直ぐにコンタクトを取れない理由が"ああいうこと"だったのは素直に感心したし)

いちばんこうなったらヤだなあと思っていたのは劇中で起こる事象のエクスキューズが西洋的な魔術の影響であるとか、ゲーム世界が現実に侵食して云々みたいな事になることで、そういうのは心底カンベンして欲しかったのだ。それが土着的日本風土漂う巫女の力(そのことが全てではないにしろ、どうして三葉なのかという点での説得力は薄いながらもアリ。但し瀧の方に「何故彼なのか」という前提が不明なのは不満だが)を持ってきたのが私は面白いと感じた。

そしてこの映画はタイトル通りかつて岸惠子主演で大ヒットした同名映画(偶然にもその年(昭和29年)の観客動員では「君の名は」が「ゴジラ」を上回っており、62年経って同じ現象が起きたことになる)を下敷きにした、携帯電話以前の時代にしか成立しなかった所謂"すれちがい物"のラブストーリーに「転校生」「レディホーク」「イルマーレ」(これらは私が個人的に想起しただけで実際のところどうだったかのかは不明)と言った旧来からある様々な名作を旨く再構成した巧みなパッチワーク映画だという事を物凄く感じたのだった(未見の方はこの説明でなんとなく作風をイメージしてもらえたら良いのだけれども)

で、ちょっと話は脱線するけど新海監督の作品を続けて見てなんとなく思ったことなのだが、どれもこれもラブストーリーの体裁を保っているのにすべてのカップルが突き詰めた恋愛を放棄しているように見えたのである。両想いというのが前提にありながら男女双方が己の思い込みだけをどんどん肥大化させ「きっとこうだ」「きっとこうなのよ」的な流れをひたすら辿り、最終的にはどんどん内向きな思考に偏っていく展開がひじょうに多い気がしたのだ。

これは私の穿った見方にしか過ぎないけど、この人は何処かで恋愛に対する一歩引いた目線というか、気持ちをぶつけて受け止めてもらえないことに対する恐怖みたいなものをずっと持っている人なのかなと、そんな想像もしてしまったのだよ(と、同時に遠距離恋愛に対するあこがれと不安みたいなのもすごくあったのではないか)それが彼の実体験から来ているのかどうかは知らないが、たぶん好きな人に振り向いてもらえないときは立ち直れないほどのダメージを受けてしまうガラスのハートの持ち主なのかも。

たとえば「秒速5センチメートル」の中ではただ"会う"だけの行為にとてつもないハードルを用意して、まるでそのこと自体が最大の目的であるかのような見せ方に繋がっており(忌憚なく言ってしまうと会った後のことはオマケ扱いのような)おそらくストレートに恋が成就することよりも、そうした自我との戦いのプロセスこそが美しいと思っている人なのかなとも考えてしまった。

私が何本か見た中では相手の真意などお構いなしに自分の中だけで美化された思い出に酔うように満足している(それを心の拠り所にしているというのかな)登場人物ばかりで、少しイラッとくるところもあったのだが「君の名は」に於いてはそこがキレイに昇華される終わり方になってくれたのがよかったと思っているのである。

IMG_1714.jpg旧作同様に感情の一方通行現象は多々あるものの、設定が上手く機能してそこはかなり見やすくなっていたし、なにより私が感心したのは音楽面と映像とのシンクロ比率のすばらしさで、極端に言ってしまうとこれはもう全編が劇伴担当したRADWINPSのアニメPVと言っても良いくらいの出来の良さだったと思っているのだ。

音楽が良かったのは新海監督の過去作でも顕著だったが、そこには良く言われる実写のような美しい背景と同様、新海作品の魅力の一端を担っているように感じるのである←ストーリー的にはフラストレーションのたまった「秒速5センチメートル」なんて山崎まさよしのアニメPVと思って見返すとめっちゃ納得してしまう)

まあ、なんだかんだでそれなりにこの映画を私は気に入ってしまい(^_^;)(さすがに泣いたりはせんかったけど( ̄▽ ̄;))サントラ原作小説も買って、色々と脳内補填しながら今でも余韻を楽しんでいるところである(もし自分が一五歳の時にこれ見ていたら間違いなくアニオタになっていたでしょうなあ・・・)

あと蛇足ながらその原作の方では映画で明言しなかった思春期男子が抱く性的妄想(インスパイアされたであろう映画の一つ「転校生」が持っていた大事な要素)がサラリと軽く書かれていてみょーに可笑しかった(-∀-)
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Comments
Edit質問ですが・・・
しろくろShowさん、こんにちは。
今回の記事にアマゾンのリンクがありましたが、これはどのように設定すればよいのでしょうか?アフィリエイトなのでしょうか?でも、FC2のアフィリエイト設定を見るとアダルトコンテンツばかりなので・・・
ご教示頂けますと幸いです。
Editたぶんこれでわかると思います
>tera045 さん

こんばんは、コメントありがとうございました<(_ _)>

アマゾンのアフィリなんですがこれは「Amazonアソシエイト」と言うヤツでして、次のURLで詳しく紹介されています。 

https://affiliate.amazon.co.jp/gp/associates/join/getstarted?ie=UTF8&pf_rd_i=assoc_join_menu&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_p=&pf_rd_r=&pf_rd_s=right-1&pf_rd_t=501&ref_=amb_link_70670009_1&rw_useCurrentProtocol=1

ここで自分のAmazonアカウントとブログアドレスを登録すればだいたい15分後くらいにはすぐ始められると思います。私の場合これで小遣い稼ぎしようというわけではなくて、記事に書いた作品の参照と余所様のレビュー紹介を兼ねて貼り付けているのが殆どでして、売り上げ自体は全く以てはたいしたことはありません(;ω;)(サントラだと試聴も出来ますし)

tera045さんのようにマメに更新して居られる方の方がアフィリは向いているかもしれませんね。
Edit素晴らしい観察眼!
おはようございます(*^-^*)

最初から最後まで頷きっぱなしで読ませて頂きました。
映画、というより新海さんファンの同僚(20代後半)がまんまそんな感じだからです。
「突き詰めた恋愛の放棄」ほんと、そんな感じです。
リアルよりもふわふわと恋の周りを漂っていたい、みたいな。
息子は以前からRADWINPSの大ファンだったので主様のおっしゃる通り、アニメPVとしては最高に良かったらしいんです。
一昨年だったか、一緒にRADWINPSをカラオケで歌っていて、過呼吸起こしそうになりましたよ(;^ω^)息継ぎが難しい!
私も15歳で観たかった映画ですし、歌いたかった歌です。
EditTo しろくろshowさん
しろくろshow さん
ご返信ありがとうございます!
「Amazonアソシエイト」確認してみます。
Edit私はティーンエイジャーの姪に教えてもらいました
>mikaidou さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(._.)m
お褒めの言葉いただきましてたいへん恐縮しております(^◇^;)

「秒速_」の中にあったシーンで好きな子に出しもしないメールをひたすら打ち続けている、なんて描写があって私にはピンと来なかったんですけど、或いは恋愛をファンタジーと捉えている感じなのかな?とも思いました。新海さんの作品がここまで当たっているのはmikaidou さんの同僚の方のような若者が増えているからなのかもしれませんね。

それとRADWINPSですが私は三年前くらいでしたかね~、姪の誕生日プレゼントかなんかでCDを買わされまして、そのときに初めて存在を知りました。いざ聞いてみたら私のようなオッサンでも聞ける気持ちの良いメロディラインとボーカルの声質を気に入ったんですけど、この「君の名は」の中で使用された4曲はすべて良かったです(今度カラオケに行ったら私もチャレンジしてみるつもりですが( ̄▽ ̄;))
Edit審査もあるそうですが
>tera045 さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

Amazonアソシエイトは簡単な審査もありますが私が通ったくらいなので( ̄▽ ̄;)tera045さんも大丈夫だと思います。やり出すと案外ブログ画面が賑やかになって面白いのでお試しくださいませ。

※参考

http://hisato-net.com/amazon-sinsa-772
Edit
こんにちわ。
私も現代アニメーションにはほとんど疎く、年に1本も観ないですが、
「君の名は。」に関してはいつかは見ようと思っていました。
そこはミーハー心で、観ないと何も語れないという性のようなものでしたが、
しろくろshow様に取り上げていただいて、重い腰を上げて観る決心がつきました(笑)
RADWINPSのCDはいつも車で聞いているのですが、映画を観ていないでもその世界観が伝わってきていました。
先入観なしで観る必要ありですね(>_<)
Editフラットに鑑賞されることをお奨めいたします(^_^;)
>節約ドットコム さん

こんばんは、コメントありがとうございます<(_ _)>

私は少々構えすぎて余計な事前学習(?)をやりすぎたきらいがあったのですが、おそらく予備知識なしで観に行っても十分楽しめるのではないかと思います。

是非ご覧になってみてください(鑑賞後はたぶんサントラを買いたくなるのではないでしようか・・・( ̄▽ ̄;))
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