考えてみりゃこれも「対決映画」ではないですか
えー、それで過去何本かあったキングコング映画は私のような国産怪獣映画のファンからすると殆ど「怪物映画」(対決する相手が普通の恐竜だったり大蛇だったりで、極端なことを言えばキングコング含め既知の生物が大きくなっただけというイメージ)のカテゴリに含まれていたような気がしているのだが、今回はもう何処をどう見ても立派な「怪獣映画」であるとの確信を得たのだった(作品テイストとしてはほぼ「怪獣島の決戦・ゴジラの息子」や「南海の大決闘」なんかに近い)
とにかく理屈抜きに楽しかった(^ω^) 後でも書くけど何処かのアミューズメント施設で「髑髏島探検」みたいなライドに乗ってる気分に浸っていたとでも言えばわかってもらえるだろうか。それにこういうのはやっぱり120分切るくらいの時間で中だるみ無くそれいけドンドンと一気に流してくれた方が良いのだ(正直ピーター・ジャクソン監督の「キングコング(2005)」は尺が長すぎて疲れてしまったので)
このあとゴジラとも絡めなければならない様々な事情があるにせよ、 今までキングコング映画のお約束として存在していた「美女とのかかわり」「島から連れ帰ったら街で暴れてさあたいへん」という事項を全てカットして、アタマから最後まで"島の獣王"としてのコングの姿を描ききったのは大英断であったと思っているのである。
そのことによって登場する人間達は我々観客目線の代理人に過ぎない存在と化しており、何と言うか見ようによっては彼らがこうしたテーマパークのライドに乗っている体験乗車のお客さんのようでもあり、良いように言うと怪獣同士の戦いの中で邪魔にもならず必要最低限の狂言廻しとして徹底してくれたようにも見えたのだった。
あくまでも映画の中心は怪獣達の大バトルであり、その引き立て役としての「わきまえた感」というのがどの出演者からも感じられたし、敢えて人物描写をぺらっぺらにしている(ように見えた)のも効果覿面に思えたのである(そのうえで各自がそれなりのキャラクター性を立たせていたのはたいしたもの。特にジョン・C・ライリーとサミュエル・L・ジャクソンはさすが。逆に主役のハズのトム・ヒドルストンはやや影が薄かったかも。それと途中「ジャクソン対コング」になっていくかと思わせておいて「ああなる」のは笑ってしまった(^◇^;) ジャクソンの決め台詞をあんな処理の仕方するとは・・・)
その目玉の怪獣バトルだが、私は後半のスカル・クローラーとの対決よりコングが全身を初めて見せた場面での大ダコとの戦い(いや、アレは腹ごしらえ(?)だったのかな??)の方がお気に入り。確認したわけでは無いけどあそこはやはり東宝版「キングコング対ゴジラ」のオマージュをやりながら、ここから新しいレジェンダリー版の"GODZILLA VS KONG"をやるよ!と煽りの意味合いもあったのではないだろうかねー(^_^;) (ちなみに他の怪獣だと我が輩は昆虫タイプの二匹が気に入っている(巨大蜘蛛のバンブー・スパイダー←リアルクモンガみたいなもん と巨大ナナフシのスポア・マンティス←こっちはカマキラス扱いかな?)足を切られて体液どぼどぼ垂らすあたりは虫っぽくてなかなか気色悪いのだよ( ̄。 ̄;))
また、クロスオーバーが前提になっているので当然と言えば当然だが、事前に「GODZILLA」(2014年)を見ておくとより楽しい気分が味わえるのは確実。この映画の中の時代(1973年)まだ「成長期」で三〇メートルしかなかったコングが2020年にはGODZILLAに匹敵するサイズに大きくなって戦うと言うことらしいので、そのときはぜひ舞台を市街地に移した超・大怪獣バトルになっていることを願いたい(可能なら東京を経由してオリンピックもぶっ壊したら面白いのに)
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