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Category: ◆意外と近所の怪獣魔境=特撮/サブカル関係の話  

アイディアで勝負したらこうなりました

そんなわけでもはや土佐版平成チャンピオン祭りの様相を呈してきた高知県立美術館・夏の定期上映会「昭和ゴジラシリーズ・新時代」についてちまちまと感想を書いておく。

上映会は8/26・8/27と二日間開催されていたのだけれども、今回は初日の26日に参戦。徳島からは高速を走って三時間程度の距離ではあるが、不思議と関西怪獣映画の聖地・京都みなみ会館へ行くときほどの遠征感はあまり感じない(実はこの二カ所、徳島からの距離がほとんどいっしょ)やはり同じ四国であるというポイントが何処かで安心感を醸し出しているのかも(京都は都会なので毎回どーしても田舎モン特有の身構え反応が出て緊張してしまうのだよ)

自宅を早めに出たのが功を奏して現地に到着したのは9時過ぎと余裕を持って劇場入りすることが出来た。但し過去三回は二日に分けて土曜2本、日曜2本と見てきたモノを(昨年は4本見ずに2本だけを見て帰ったけど)今回は一気に4本鑑賞することになっていたので(ーー;)どの程度疲れが来るのかちょっと読めないところはあったのだが、みなみ会館でのオールナイト体験のことを思えばアレほどのしんどさはあるまいと、どこまでも楽観的に臨んできたのであった。

それにしても「4本立て」ですよ( ̄。 ̄;)あらたまって考えてみたらホンマにすごいプログラムだよね(またそれを2000円で見られるんだからありがたい話)

ということで順を追っての感想。まずは一本目「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」

少し前にも書いたと思うけど、この映画をわたしは本家東宝チャンピオン祭りのリバイバルで見ており、劇場で鑑賞するのはそのとき以来となる。

近年はビデオやDVDで何度も見ていたけれども、やはりスクリーンで見るのは特別な感覚があるのだ。しかしながら残念だったのはプリントの状態が芳しくなく、画面全体も赤みがかった状態がずっと続いてそうとうに見づらくなってしまっていたこと。さらにコマ飛び・音飛び共に酷く、とてもじゃないけどお話を追いかけるのは難しい事態に陥っていたのであった( ̄▽ ̄;)

あれだと初見の人はまずどういうストーリーだったのか把握するのが難しかったことだろう(よりによって肝心な導入部である耐久ダンス大会にやってくるくだりがばっさり切られていた。ああなると主役グループの成り立ちが何もわからず突然ヤーレン号で太平洋に繰り出すように見えてしまう)

この映画の面白さって実はそうしたドラマの方にあると私は思っているので、そこを見て貰うことが出来なかったのはひじょうに残念な気がする。もう物語展開としたらすごい流れなので、いちおう簡単に紹介しておくと_

<Wikiより抜粋>

青年・良太は、南洋でマグロ漁船ごと行方不明になった兄の漁師、彌太が生きているとの恐山のイタコの託宣を信じ、マスコミを頼ってひとり上京してきた。ヨットの賞品が懸かった「耐久ラリーダンス大会」を知り、会場を訪れた良太は、途中ギブアップした出場者の大学生・仁田、市野と知り合う。

その晩、葉山海岸に向かった一同は、港にあった太平洋横断用のヨット「ヤーレン号」に無断で泊まり込むが、そこに訳あり風の男、吉村がオーナー顔でいた。翌朝目が覚めた一同は、良太の手でヤーレン号が港を離れはるか海上にあることを知り、さらに吉村の金庫破りを報じるラジオニュースを聞いて驚く。こうして良太の兄探しに同行する羽目となった吉村らだが、突如ヨットを襲った暴風雨の中で巨大なハサミに襲われて遭難、南海の孤島レッチ島に流れ着く・・・

<抜粋終了>

兄の消息を恐山のイタコから聞くという出だしが既にクレイジー( ̄。 ̄;))しかも結果的にヤーレン号は四人で「盗んだ」事になったというのに良太の口からは至極爽やかな口調で「これは神の思し召しだ」(__*)みたいな台詞が出てくるのもスゴかった。正直ここまで(エビラが出現するまで)怪獣映画の臭いはまったく感じないのだけど、ゴジラ映画でこんなに序盤目が離せない作品は他に無かったのではないだろうか。

もう速いテンポでどんどん事が起こっていくので、上に書いてあるレッチ島に辿り着いた後でも一気呵成に話が動いていくためか九〇分があっという間に過ぎていくのだ(関沢新一さんの脚本がとにかく軽妙/軽快で台詞の一言一言もそうだし伏線の張り方や回収の仕方が無駄なく(そしてかなり強引に(ーー;))処理されているのが旨い)

特撮の方ではよく言われる経費削減の煽りで都市破壊がゼロ(要するに南海の孤島に舞台を限定したことによって建物のミニチュアが不必要になるという)になっている見せ場の少なさというのは有りながら、そこは限られた中でいろいろと知恵を絞った後が伺えて楽しかった。例えばエビラが最初に出現する嵐の大海原シーンでは巨大なハサミが海上から浮上しヤーレン号を沈めにかかるのだけど、古典的なトリック撮影であるスクリーンプロセスによる映像が実に迫力満点。画面が雨風で荒れているシーンと言うこともあったが、ヨットが高波に襲われる場面のリアル感は相当なもの(それとこの日に限ってはフィルム傷が大量にあるのも良い方に出た)

IMG_2152.jpgゴジラとエビラの戦いに於いても放射能火炎が海上に当たった瞬間水蒸気が大量に立ち上るのを見せたり、海に飛び込んだゴジラを本当に水中で撮影してみたりとかなり工夫を凝らした作り方をしているのに驚いた。

そんなスーツアクターとしては難しい水中での演技を嬉々としてこなしていたのは先日お亡くなりになったばかりのミスター・ゴジラこと中島春雄さん(左写真参照。これは中島さんの半生を綴った本「怪獣人生/元祖ゴジラ俳優・中島春雄」の表紙で、ちょうど「南海の大決闘」撮影時の物)中島さんが自著の中で「この頃のゴジラは本当に感情豊かにやってるよね」と仰っていたくらいなのでこの辺はまさに円熟期の怪獣芝居面目躍如といったところか。それくらいこの映画の中のゴジラは良く動いていたように思う(壊すモノがないから動きやすいというのもあっただろうけど( ̄。 ̄;))

そして新怪獣のエビラが所謂ノーマルな着ぐるみではない点(足が無いので人が入った状態で陸に上げることが出来ない)を逆手に取り海にいることによってゴジラと対等に戦える状況を作っていたのはナットク(今まではしょせんでっかいザリガニやないかい(ゴジラ相手には役不足というか)というツッコミをされがちなヤツでもあったけど、こうして見たらけっこう強い怪獣に見えたし)

あと昭和ゴジラ対決シリーズの定番でもあった「怪獣同士による岩石のぶつけ合い」を本作ではアニメーションで処理しており、不思議な空気感を表現していたのも新鮮で楽しかった。そうした「細かい芸」というのかな?派手な特撮シーンは殆ど無いけど(ボクシングで喩えるならローブローの手数がやたら多くて後で効いてくる戦法にも近い(^_^;))現場の頑張りが良く伝わる仕事ぶりであったなと思うのである(合成カットの入れ方もけっこう大胆な構図を放り込んできてたし)

それとこれはホントかどうかわからないのだが、もともとこの映画はゴジラシリーズでは無く当時RKOから使用許諾を得ていたキングコング映画の1本(「キングコング対ゴジラ」の次という位置づけで)として構想されていたそうである(「コング対エビラ」だったかな?)紆余曲折の末それは「キングコングの逆襲」へと繋がったそうで、ゴジラはその穴埋めとして(?)企画だけ残ったエビラの相手にキャスティングされたのではないかという話であった。言われてみれば本作の"南海の孤島+美女+ご陽気なムード"なんてのはキングコング映画のお約束でもあるし、あり得る話ではある。

全体を見れば昭和ゴジラ映画の中でもかなり変わったカラーだったというか「奇天烈な面白さ」という指数を前面に出すのであればこれは相当な数値を弾き出した映画であるとも言えただろう。本多・円谷・伊福部トリオの王道ゴジラ映画とはまた違った「B面の楽しさ」とでも言ったら良いのか、コレはコレで全然有りだなと思えた九〇分でもあったなと。

・・・と、書いているウチに長くなったのでいったん終了。次の項では最近フィギュアスケートの鈴木明子にも似ていると噂の怪獣王ご子息の物語について書く予定。


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Comments
Edit傷んだフィルムもまた、いとをかし
もう20年ぐらい前ですが、
大阪にあった南街会館に観に行った東宝特撮オールナイトでも、
かなり状態の悪いフィルムでの上映でした。

その時の『モスラ(フランキー堺の方)』では、退色なんかは当たり前、
幼虫モスラが東京に進撃している最中に、
突然場面がブッツリと切り替わって「アレっ?」と思った次の瞬間、
スクリーンではもう別人となった成虫モスラが飛び回っているという…
一番盛り上がる羽化シーンがマルっと無くなっていて泣きそうになりました。
Editよりによってココ切るかという感じでしたね
>楽珍劇場 さん

こんばんは、連投コメント感謝いたします(^^)

>>スクリーンではもう別人となった成虫モスラが

いや、それもスゴイ話ですね( ̄。 ̄;)原子熱戦砲の出番全くなかったことにされてるのもアレですし、そこが一番の見せ場でもあるのにって感じです。

今回の「南海の大決闘」も傷み具合はかなりのものでしたが平田昭彦さんの「革命か!」と田崎潤さんの「革命的怪獣現る!」と言った名珍台詞は見ることが出来たのでまだ良かったかなと( ̄▽ ̄;)

今後あんまりプリントの状態が良くない物についてはBlu-rayのデジタル上映に切り替えて欲しいですよね(その場合権利者に支払う金額が高くなるのかもしれないけど・・・)
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