10個選んだと言うより10個わいてきたと言うべきか
先日のベストテン投票についてだが、簡単に自分なりの基準を書いてみると今回はとにかく「今すぐぱっとその映画をDVD再生したとき果たして飛ばし見することなく最後まで見ることが出来るか?」「何処かで感情を揺さぶられる場面がまだ存在するか?」というこの二点に絞った抽出方法が取られていたのであった。
だいたいベスト10に上げようかという映画だからどれもこれも何度となく見ている作品ばかりなわけで、その中でも上に書いたような脳反応を"今この瞬間"できてしまう映画はなんだろうと考えたら、私の場合はこれらの一〇本になってしまったのである。
そんなわけで以下簡単にそれぞれの選定理由を記す。
端から端までナニをヤルか何を言うか全てわかりきってる映画でこれほど自分を食いつかせてしまう作品など現状(2017年11月時点)ではおそらくコレしか無い(このベストテンがあと一月か二月遅かったらたぶん一位は無かっただろうなあ・・・)国産怪獣映画のファンとしては長い長い年月を経て結実した「ようやく見たかったゴジラが見られたのだ」という感動が未だに続いているのではないかと、そんな気もしているが(それこそ「メカゴジラの逆襲」(75年)以降ずっとそんな期待をし続けていたわけで、残念ながら「84ゴジラ」から後の平成作品で自分が心の底から満足できたゴジラ映画ってじつはなかったんじゃないのかと、認めたくはないが心の何処かでそう感じていた部分はあるのだよ)
2.「タクシードライバー」・・・・・したがって今回シンゴジのオンエアが無ければこちらが一位になったであろうと思われる(ついでに言うとその場合は「シャイニング」が10位にランクインしたはず)
自分とこの映画の関わりについての話は以前こちらに書いたのでここでは省略するが、敢えて追記するとすれば我が輩は本作の会話シーンすべてがいちいち魅力的だと思っていて、どの場面を見てもコレが未だにツボなのである(特に「シークレットサービスだろ?」のくだりはついつい真似したくなってしまう個人的名場面←自主映画やってた頃にこのまんまを阿波弁で撮ってみたいと思ったことがある)
役作りのためにデ・ニーロが本当にニューヨークでタクシードライバーをやったという裏話も好きだし、これも今DVD出してきたらノーサーチで正座して見られる自信あり(ラックのどこかに眠っている「タクシー」の名場面をすべて大阪弁に変えた「タクシードライバー88」という井筒和幸監督の短編を探しているが、まだ出土されないのが悔しい)
3.「ゴッドファーザー」・・・・・イタリアンマフィアの話なんて自分には縁遠いと思って長年敬遠していたのだが、たまたまテレビで(82年の「水曜ロードショー」)やってるのを見てみたら、これはただの海外ヤクザ映画ではなく”家族の事情”で人生を翻弄されていくオトコ達の、言ってみればどこの家庭にもよくある物語だったことに気がついてものすごく感動したのであった。
特にボスの三男坊だったマイケル(アル・パチーノ)がマフィアの家業を嫌いカタギとして生きてきたのに、”家族の事情”で自分がその世界の中心へ行かねばならない葛藤が伝わってくるところがすっごく良くて(また父の病室をひとりガードしていた場面で自分にその素養があることを自覚した瞬間の芝居とかも良いのだ←いつヒットマンが来るかわからない状況下でタバコを持つ手がちっとも震えてないのを「?」と見ながら、自分が恐怖感を覚えていないことを不思議そうにしていたシーン)その意味で私はこの映画をマーロン・ブランドではなくあくまでもパチーノの物語だと今でも思っているのである。ちなみにこれは昨年CSで放送のあった地上波吹き替え版に限ってのはなし。このバージョンなら年に2度は完走鑑賞可能。
4.「ミッドナイトクロス」・・・・・これもテレビで見たクチ(83年の「月曜ロードショー」)トラボルタの声が国広富之だったのは酷いなと思ったが(なんと「エレファントマン」のジョン・メリック(ジョン・ハート)も彼がアテており、こっちはもっとヒドかった(__;))そんなハンディもものともせず終盤の花火シーンにかかるピノ・ドナッジオのテーマ曲に涙がじわりとくる好編。
それだけで終わったら普通の良質なサスペンス映画だが、最後の最後にトラボルタが「ああいうこと」をして幕を閉じるのがスゴいなと二度感動してしまうのである。
そしてナンシー・アレンがやはり美しい、これは今見ても確実にそう思う。
5.「大魔神」・・・・・おおまかな感想は以前書いたとおりだが、この映画は魔神に対しての畏れであるとか大舘左馬之助(五味龍太郎)に体する怒りであるとか、小笹(高田美和)の純情可憐さ等々、そうした各キャラが見せる様々なパッションをストレートに感じることができる作品だとわたしは思っているし、迫力満点の特撮と併せてそこに最大の魅力を感じているのである。
何度見返してもこうした感情反応が毎回発生しているのは自分でも驚くほど(なんとなく時代劇特撮という日本ならではの娯楽スタイルをもっと見てみたいと思っているところもあるのでしょうなあ) ※今年10月に大魔神のスーツアクター(と、言うよりは事実上の「主役」)だった橋本力さんがお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りいたします、合掌(-人-)
6.「竜二」・・・・・これも含めてここまでの六本中五本がテレビでの初見(「竜二」は「ゴールデン洋画劇場」だったはず)この刷り込みの強力さはなかなかのもの。やはり10代の時に見た映画はいつまでもアタマに残ってしまうものなのか(ある種童貞喪失の思い出に匹敵する感覚)
そしてこの映画も「タクシードライバー」同様に故・金子正次の発するセリフすべてが今すぐ真似したくなるほど良いのだ(「枝葉は良いんだよ!」「シャブ食べてるからよ」「刺せば監獄刺されば地獄」等々)カタギになったヤクザがまた極道の世界に戻っていく悲しい話なのに何度も見たくなる不思議な映画でもある(「仁義なき戦い」なんかとはまた違った"ヤクザのリアル"がおもしろい)
7.「ロッキー」・・・・・今年に入ってイマジカBS(現・シネフィルWOWOW)がシリーズ全作を何度も放送をしていて、そのたんびにチャンネルを合わせては見直してしまった。特にこの一本目はロッキーだけではなくポーリーもミッキーもエイドリアンも、すべての登場人物がロッキーと一緒に夢を掴もうという(或いは現状を打破しようとする)構成になっているため、結果的に1人の脱落者もいない超ポジティブシンキングの映画となっているのである。
で、ベタとは言われるだろうがやっぱり最後はエイドリアンの名前をリングの上から絶叫するロッキーの姿に泣けるのであった(ノД`)(そうだよ、今月も泣いたよ!←もう何回目やねん・・・( ̄。 ̄;))
8.「下妻物語」・・・・疾走するスクーター(映像だけ見たらいっしゅん150キロくらい出てるんじゃと錯覚を起こしそうになるが)をバックにかかるオープニングテーマ♪Roller coaster ride→♪(Tommy heavenly6)がとにかく格好良く、最初の数分で一気に心を鷲掴みにされた気分に浸れる。
さらにこの映画は主役のふたり/深田恭子・土屋アンナ含めて女優さんの個性がめちゃめちゃ際立って前面に出ているまさに文字通りのレディース(族)ムービーでもあり、男目線だとそこも楽しかったりするのだ(ゴジラの放射能火炎ばりのゲロを出す篠原涼子とかほとんど柳生十兵衛みたいな樹木希林とか、なにげに目立つまちゃまちゃとか)
9.「キックアス」・・・・・まったくロリコン趣味の無い我が輩だが、それでも素直にこのガキ最高!と思ったクロエ・グレース・モレッツ(当時は12歳)のワンマンショー映画。
なかでもツインテールヘアーに制服でニーハイというロリコン三種の神器を身に纏い、しかも泣きながら道に迷った少女を演じつつ登場したときは、あの悪党じゃなくとも「だいじょうぶ?」と声をかけてあげたくなるかわいさだった(その直後声をかけてくれたヤツの口にサイレンサーをぶち込む、その切り返しが痛快すぎてたまらないのだ)
※ないとは思うけど私はもう一本くらい続編あっても許せる(__*)
10.「グエムル-漢江の怪物-」・・・・・「シュリ」も「冬ソナ」も一切見たことが無かった我が輩はそれまで韓国映画に対してかなり偏見を持っていたのだけど、その見方を思いっきり変えてくれた作品でもある(じっさいこれ以降わりと見るようになったし)
怪獣映画としても秀逸だが何よりこれは「家族映画」としての側面が大きかった。そのうえ我が輩この家族構成(片親で兄弟たくさんいて思春期の姪がいる)なんてのはとても他人事とは思えず( ̄。 ̄;)自分にも投影しやすい映画でもあったのだ。
それと何回見てもわたしはペ・ドゥナが主役だと思っているのだけどね(^_^;)
・・・と、いうことでこうして10本並べてみたが、たぶん来年も同じテーマだったら半分は違う映画になっていることでしょう(__;) ともかくこのたびのベスト10は己の「今」にこだわって選定した次第であります。
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