You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて

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Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

知る覚悟はないけど見てきたよ

なかなか行くことが出来なかった「ブレードランナー2049」をやっとこさ見てきた。

徳島ではイオン/シネマサンシャインの二館が上映をしていたのだけど、まずイオンが早々に公開を終了しシネサンも最終日を12/8までと告知していた。我が輩平日のレイトで行こうと思っていたのに、気がつけばシネサンでも上映時間が17時の回のみになってしまい、仕方なく2日の土曜日に駆けつけることになってしまったのだった。

これって余所はどうか知らないけど要するにお客さんが入らなかったと言うことか??私が行った日も客入りは芳しくなく、たぶん10人居たかどうかと言う程度だったし・・・と、最初からネガティブな事をつらつらと書いてしまったが映画の方はこれがどうしてなかなかの良作で、パート2ものという観点で考えてもかなり上の部類に入る作品だったとわたしは思うのである(なんでもっとお客さんが来なかったのか不思議なくらい)

びっくりするのは前作とのインターバルが35年もありながら、その世界観がさほど変わっていないというか、おそらく「ブレードランナー82」を見た直後にこの「2049」を見た人が一番面白く感じられるのではないかというくらい”地続き感”が濃厚。

わたしは監督を本家本元のリドリー・スコットではなく前作の大ファンだと公言するドゥニ・ヴィルヌーヴにしたのは大成功だったと思っているのだが、なにせ彼は「「2049」は前作へのラブレターだ」と言っていたくらいの人なので、おそらく旧作に対する思い入れはリドリー・スコット以上の物があったはずなのである(ブレランが好きでこの映画を見た人ならたぶん皆そう感じるだろうし、ある意味ドゥニ監督に対して「お仲間ですやん」と親しみすらわくのではないだろうか)

いちいちうまいなと想ったのは前作の回収を少しずつやりながらぼやかして良い所はぼやかしたままにしておき、そのうえで新主人公K(ライアン・ゴズリング)の物語をじっくりと見せていくその手法。それは昨今の落ち着きの無い映画群と違い、腰を据えて画面に集中することができるものだったと思うのである。

それでわたしがこの映画で一番うーむと唸ったのは、レプリカントであるK(この名前が原作者のフィリップ・K・ディックからとったというのは人に言われるまで気がつかず(;゜ロ゜)どんだけ鈍いねんと言われそうだな・・・)の異常なまでの孤立感がSF映画なのにとてつもなくリアルに生々しく伝わってきたところにあった。

それは最初から廻りも本人も彼が「人間では無いことがわかっている」というのを前提としたことによってプライベートでは明らかな差別を受け(「人間もどき!」とか平気で言われてしまうわけですわ)職務としても己の感情を殺した状態で毎回テストをパスしなければならず(そもそも人造人間として必要の無いはずの感情を持っている事が彼にとっては理不尽なはなし)自分の存在意義が「便利に使われること」以外の何物でもないとわかった上で生きていかねばならない絶望混じりの達観というのはとんでもない虚しさがあったと思うのである。

まんまではないにせよ例えばこの状況は客先常駐で仕事をしている私もそうだし(現場に同胞は誰もおらず「言われたことだけをやらなければならない」また、「たとえプラスになろうと言われてもないことをしてはならない」という状況はやや酷似しているかも)、コレはほかにも海外から来て働いている人なんかもそうかもしれないが、そういった「外から持ってきた歯車」的なポジションに居る者からすると"K"の日常はまったく人ごととは思えない気がするのだよ。

そこいらの描写を冒頭でしつこいくらい見せてもらえたせいで彼がひょんなことから「自分は特別な存在かもしれない」と中二病を発症してしまうのも心情的にモノスゴクわかる部分だったし、観客目線で捉えてもKの夢物語を一緒に探しに行ってやりたいと思わせるに十分な餌巻きだったようにも感じられたのだった。

なので巷で聞こえていた三時間近いランニングタイムに対する「長い」「眠い」と言った大多数の簡易レビューはKに同化して映画を見ることさえできれば一切気にならないものだったと思うのである(あれならあと1時間あっても大丈夫なくらいだった)

それともうひとつ書いておかなければいけないのはKの恋人でもあるAI(彼女はプログラムなので実体は無い)、ジョイ(アナ・デ・アルマス)の存在で、我が輩新作映画見に来てこんなに女性キャラに心が動いたのはホントに久しぶり。とにかくこのお人形さんのようなビジュアルは言うに及ばず、劇中で見せるその健気ぶりというか尽くしっぷりというか、調べたわけじゃないけど何処か旧来の大和撫子的な設定が用意されていたのではと思わずには居られなかった(売春婦に自分の映像を同期させて形だけでも愛されようという行動が切なくもいじらしい(ノД`))

※プロフィールを調べると現在29歳でバツイチ子供ありのシングルマザーとか。巨大な全裸ホログラフとなって登場するシーンを見たら「よっ、ナイスバディ!」と大向こうから声をかけたくなるほどの美しさでしたな(__*)もう我が輩すっかりこのコの大ファンになってますわ。

で、おそらくこの映画は「人間ではない」Kやジョイが「それでも人間になりたい」と願うピノキオストーリー(この定番テーマじつは我が輩好きなのだよ)にもなっていると思うのだけど、それにプラスしてビジュアルSF映画(および特撮映画)としても素晴らしい映像を次々に見せてくれたし(市街地は昔ながらのミニチュアも使っていたそうだが2049年のロスやラスベガスが実景にしか見えないのもすごかったし、なによりスピナーの動きが自然すぎるのも驚いた)そのへん含めて個人的にはすごく満足できる内容だったと思っているのだ。

ストーリー面では未回収の部分も多々あるけれども、これは上でも書いたようにKの夢を追う物語(まさに「アンドロイドは○○の夢を見るか」状態←この場合○○の部分には木馬とかが入るのかな??)なので、そこだけ見ればちゃんと完結していると言えるし、ほったらかしにされた気分にはならないはず。

繰り返しになるけど前作が好きな人なら見ておいてソンはない映画だと言い切っておきましょう。

あと、コレはどうでも良いことだが(°°;)私はガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)が再登場したのが一番嬉しかったりする

それと「ブレードランナー2049」には前日譚となる三つの短編が存在するので、これを全部見てから本編を見た方がより楽しめると思われます(参考動画は「ブラックアウト2022」→「2036:ネクサス・ドーン」→「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」の順番で)なんとなくDVDにも収録されるような気はするけど。

 

 
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Comments
Editこんばんわはー
やはり、前作を観ないと楽しみにくいですよね。
さらには、前作を観た人でも前置きの3本を
観たほうがいいことがはっきりわかりますよね。
リドリー・スコットの息子さんが撮った「2048」が、
前作のトーンをしっかり継承していて好きです。

> "K"の日常はまったく人ごととは思えない気がするのである。
↑ レプリカントの悲哀って、ヒトの悲哀なんでしょうね。
ブレードランナーって、ヒトになりたがるレプリカントと、
ヒトでありたいヒトの物語では?
結局、ヒトってなんだろう?って考えさせられます。
Editドゥニ監督の映画をもっと見たいなと思いました
>つかりこ さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(._.)m

私ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画ってこれと「複製された男」しか見たことなかったんですけど、俄然ほかのものも見てみたくなりました(「メッセージ」は徳島じゃやってくんなかったんですよね・・・( ̄。 ̄;))

それで「2049」のレプリカントですが、なんとなくマイノリティ側から見た異人種や異文化同士の軋轢であるとか、もっと言えば立場(主従関係等)の違い的なものを比較的ベタなメタファーとして描いていたのかなとも思いました(旧作に比べると映画構造が分かり易かったのはそのせいもあったのかなと)

そろそろDVDも出るみたいなんでもう一回じっくり見返してみたいですね。
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