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Category: ◆超銀幕無法地帯・激動編=劇場で見た映画の話  

目指せ!スーパーセンテナリアン

少し前のことだが夫婦で「四万十~いのちの仕舞い」という映画をイオンシネマで見てきた。

中身は高知県・四万十で奮闘するひとりのお医者さんを追いかけた地方のドキュメンタリー映画で、こういうのを徳島で上映するのはきわめて珍しいことなのだけど、おそらく四国つながりでイオンシネマ徳島が作品選定したのではないかと思うのである(シネマサンシャインだとまずこの手はやらない)

この映画に関して私自身は特に見ようと思っていたわけではなく、家内からの要望で劇場に行ってみることになったのだった。なんでも朝日新聞のコラムを本作の出演者である内科医の小笠原望さんが書いているらしく(タイトルは「診療所の窓辺から」)家内はそれを毎回楽しみに読んでおり、その人が出ている映画ならぜひ見てみたいと心が動いたそうである。

我が輩はいい年して新聞を熱心に読まない人なので(ニュースソースとしての役目は既に終わっていると思っているし(ーー;))家内に言われて初めてそんな映画があるのを知ったのだけど、いままであまりこのブログでは書いてなかったが、もともとドキュメンタリーというジャンルは好きだったので(BS系のドキュメント番組は割とマメに見ているのだよ)今回の鑑賞要請もけっしてやぶさかでは無かった。



映画の方は先に書いた小笠原先生の診療の模様を淡々と見せていくもので、患者さんひとりひとりとのやりとりをあまりを頻繁にカットを変えることもなく、それこそ一緒にその場で診察を見ている家族の気分になれるような作り方になっている(ドキュメンタリーだからというのもあるが、BGM等の効果は殆ど付けられていない)

※小笠原先生は1951年高知県生まれの現在67歳。四万十市内の内科クリニックにお勤めで今は主に在宅介護をされているお年寄りの訪問診療を行っている(老人ホームへの訪問も多いようだ)理想論ばかりではなく現場のリアルも十分に承知したそのスタイルは実に柔軟かつ自然体。また本人のキャラが木訥さの中に飄々としたところもあってか人を惹き付ける魅力をとても有した方で、それだけでこの映画は最後まで見られる力を持っていたと思うのである。

訪問先のお年寄りは田舎と言うこともあるのかスゴい高齢の方が多く、中には104歳(ーー;)というおばあちゃんが居られたりするのだが、基本小笠原さんのスタンスが「無理な延命措置はせず苦しむ事無く自然に寿命を全うし、最後は自宅で家族に看取られたほうが良いのではないか」というもの(むろん延命措置の判断は家族に確認を取ってからではあるが本人、廻りの家族含めて少しでも穏やかな最後を迎えて欲しいといった考えた方が根底にあるように思えた)

そのためか訪問先では治療、診療がメインと言うよりは寧ろお年寄りの顔を見て長時間話を聞いてあげ、如何にリラックス(または発散)してもらうかという事を親身になって行っており(ある種のカウンセリングになっているのだろうなあ)その人柄が伝わっているのだろうと思うのだがどこのお年寄りも「先生に見て欲しい」という人がほとんど。

老人ホームにいた認知症のおばあちゃんなどでも初回診療の際は睨むように小笠原さんを見ていたのが何度目かからは完全に心を許した雰囲気になってきて、たとえボケていてもそういた好意・熱意はなんとなく届くようになっているんだなと感心させられてしまった。

それでなるほどなと思ったのは小笠原さんは診療時にマスクを着用せず顔をすべて出した状態で患者さんに対峙していて、これは昨今の感染症に対するケアとして医療関係者がそれをしていないのはどうなのかという声もあるとは思うのだけど、わたしは敢えて小笠原さんは自分の表情が常にわかるような状態を作って文字通りフェイストゥフェイスで接しているのではないかと言う気がしたのである(劇中でそう言及されていたわけではないが)

特に超・高齢の方であればあの薄いマスク一枚が壁のように感じられて心を開いてくれないのではという事もあるだろうし、言ってしまえば余生が短いであろう人たちに対して廻りが神経質になりすぎるのも良くないのかなと、先生の態度を見ているとそういうことも感じてしまうのであった。

本編の中では訪問診療をしていた方が何人か亡くなられて、中にはその臨終の間際にカメラが出くわすこともあったりするのだがそこに悲しみはあまりなく、むしろ「よく頑張ったね」という労いの空気があふれていたように私には思えたのである(遺族の方と小笠原さんとの会話もそこには収められていたが皆が皆穏やかな表情を見せて故人を偲んでいたのが何をか況んやだったのではないか)

この映画を見たら薬漬けになって病院に何年も入院し、寝たきりで喋れない動けない、でも生きている、みたいな老後は送りたくないなとすっごい思ってしまった。天命が何歳かは関係なく、己の寿命が近づいて来たときは私も小笠原先生みたいな人の世話になって家族に看取られながら最後を迎えたい物だなと(そのためには独居老人にならないようにせんとね(__;))

で、内容的にはすごく良いドキュメンタリーだったなと感じたのだけど、冒頭にもっと先生のプロフィール紹介を詳しくやってもらわないとここまでの経緯がなんとなくしかわからないので、そこはDVD化するときに追加してもらった方が良いのではないかと思ったですなあ。

それとこの映画は広いシネコンより地方の公民館とか学校現場とか、そういう所でやったほうが似合っている作品じゃないかという気がしたし、もっと言うと劇場じゃなくテレビでいろんな人に見てもらいたい内容でもあったなと、我が輩そんな風にも感じました。

最後にわりとどうでも良い感想を付け加えておくと、小笠原さんが訪問診療に使っているマイカーがHONDAの"life"(人生)だったのがなんかよく出来た話だなーと・・・( ̄。 ̄;)
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Comments
Edit新聞の一説を読んでもらった気持ちです。
命に向き合って生きることは?って、
思わされる話ですね。
元気でいる時、普段の生活の中では、なにも思わず考えずにいる今、

想い、命をつなげていく、、、、こと

人生って、生きていくって、「仕舞い」のための
「仕度中」なんですね。
Editんな先の話じゃないのかも、なんて(^_^;)
>ダリルジョン さん

こんばんは、コメントありがとうございますm(__)m

小笠原先生は趣味として俳句を嗜んでおられるのですが、地元ではその俳人ぶりもなかなかの評判となっているそうです。そのことを書かれたご本人のエッセイにこんな一説があるのですが_

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「老いるのは切ない川は蛇行する」これは、わたしの句です。四万十川は蛇行を繰り返しています。人が生まれても、死んでもそれは変わりません。ましてひとりの人の老いなど、大河には関係はないように蛇行を繰り返しています。
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これを読んだらなるほどなと思わずには居られませんでしたし、自分がこの世を去るときはそうした自然の流れに身を任せるように逝きたいなと、そんなことも考えてしまいましたね。
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