PFF観客初体験

朝方自宅で微睡んでいると実家の母から携帯へ着信。電話に出ると2歳の姪二号が「おっちゃん、なにしよん??」と聞いてきた。すかさず「休みなのでゆっくりしているのだよ」と幼児に説明しても仕方のない話をたらたらと。と、なんのことはなく、コイツから電話があるときは間違いなくばーさん(私の母)が「買って欲しい物のリクエスト」をさせているのである。クリスマスも近いしねえ(結局またまたアンパンマンのグッズを買うことになりそう)

午後からは妻と共に”サンポート高松”というところへ行くために出かける。今日はこの会場で「ぴあフィルムフェスティバル」のイベントが執り行われているので、それを見に行くつもりだった。

pff

「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」というのは知っている人は知っている国内最大級の自主制作映画の登竜門となっている大会なのである。ここからプロになった人たちは数知れず、というより今やプロデビューのステータスとして、一種の権威にまでなっている大会とも言えるのではないだろうか(野球で言えばドラフト指名対象選手のようなもの)



今回はサンポートで3日間いろいろな上映が行われるのだが、僕が見たかったのは今年のグランプリと準グランプリの作品2本。これが18時からの上映予定となっていた。

時間的な余裕もあったので、道中「まんぷく堂」なるうどん屋さんで昼食をとり、牟礼町のSさん宅にお邪魔する。当初は夫婦で一緒にサンポートへ行くはずだったのだが、Sさんが最近購入した木村拓哉のDVDの魅力に妻は負け(__;)そちらの鑑賞を優先。結果ぼく一人で会場に行くことに変更。

せっかくなので移動は琴電を使い、駅前まで行ってみようと当初から考えていた。Sさん宅から駅は歩いてすぐの所にあるので、16時30分頃に出発。妻とSさんのお見送りを受けてプチ一人旅の開始である。またタイミング良く(?)雨も本降りになっていた。

実は香川には18から23の間に、期間はバラバラだがトータルで3年半住んでいたことがある。そのころは住んでいたアパートから自転車で琴電栗林駅に行き、高松築港へ。そのまま歩いてJR高松駅から高徳線で帰徳というのが移動のパターンだった。

したがって琴電乗車はそれ以来、ほぼ20年ぶり。さあどのくらい郷愁感が募るかと楽しみにしていたのだが、香川県はいろんな所が変わってしまっていた。途中瓦町で乗り換えがあるのだが、今やここはぼくの知っていた小便臭いうらぶれた駅ではなく「動く歩道」などを備えた近代的な建物に変貌していたのだ(既に高架済みで天満屋と合体という大技も)

あらーと思いながら築港行きに乗り、二駅で到着すると外へ出て驚いた。中はさほど変化を感じなかったのに、すごく綺麗な「琴電高松築港駅」と書かれた看板が光り輝いているではないか。で、周りを見渡せばそこはもはや別世界。花時計が目印だった質素な駅は姿を消し、なにやらよくわからぬ高層ビル群が建ち並びそこら中がネオンと照明でライトアップされている。ぼくの知る高松は何処へ行ってしまったのやら・・・(昔と変わらぬ宇高国道フェリーの看板を目にしてようやく位置関係を把握。あ、コレが中央通りだったか・・・(__;))

雨の中地図を見ながらサンポートホールを目指して歩いたが、そのエリアに入ってしまうとますます自分のいる場所がワケワカラン。思わず「何処やねんココは!?」と声に出さずにはおれない。

そして徒歩5分ほどで到着したサンポートホール。いやー、なんちゅう凄い建物か・・・会場である4階「小」ホールで当日券を買い(この時点で17時30分)次の開場をロビーで待つ。約15分後に受付の人から「入場できます」と声がかかり中にはいると、えー、これで「小」なの?と驚いてしまった。客席は350席で座席はゆったり座れる上、傾斜もきつめに作られているし、スクリーンもそんなに小さくはない。照明設備の多さからしてたぶん普段は芝居とかコンサートに使われているのだろうが、十分映画上映にも耐えられる仕様だ。

設備にひたすら感心しつつ一番後ろの席に座ったのだが、上映が近づいても入ってくるお客さんはまばら。やっぱり自主映画に1200円払ってくる人はあんましおらんのか(それとも時間と天候のせいだったのか)最終的に20~30人くらいだったように見えた。最初にぴあの方から挨拶があり、上映は始まった。

「隼」

赤貧生活にあえぐ若い夫婦の日常を、救いがないムードで見せつつもなぜか暗くなりきらない空気で描いた長編。テーマ的にはありがちな「おまえ(あなた)でなきゃダメなんだ」という夫婦愛の話だと思うのだけど、全編の枕詞たる”貧乏”の描写がぬるい。本当の赤貧生活とはああいうのは言わんよ(古いとはいえ一軒家に住み電気もガスも水道も供給されているのに)

あれがホントに悲惨なものとして映像化できていれば最後の結びがもっとドラマチックになったのではないかとも思ったが、しかしそうなると最初に書いた「暗くなりきらない」(コレはこの映画の良い部分の一つだった)状態にはならなかったかもしれない。

だが僕が気になったのはその貧乏描写だけで、それ以外はかなり良くできた映画だったように感じた。ハッキリ言って映画としてのレベルは相当高いと言える(もう15分くらい短かったら絶対グランプリだったと思うなあ)

とにかくまず役者がよい。夫婦役の二人含めてすべての出演者が味があって生々しい演技を表現していたし、エンドロールで流れていたオリジナル主題歌が(聞きようによっては歌詞で言いたいことを説明しているようにも聞こえたけど(^_^;))これまた暑苦しくて押しつけがましくもホロッとさせてよろしい。僕はこの映画気に入ったよ。

「はっこう」

自分の子供がなかなか喋らないことを発端に、だんだんおかしくなっていく主婦の日常を描いた不思議な映画。こちらも役者が良いのだ(主役の子が鈴木紗理奈のようなイントネーションで淡々と呟くモノローグが面白い)

正直オチは見えていたけど、そこに来るまでのプロセスが実に心地よく引き込まれてしまうと言うかプロレスの良い試合を見たときのような高揚感が残った(想定内だったけど満足できるというアレ。試合で言えば75年の猪木-ロビンソン戦のような←プロレスファンにしかわからぬ例えでスマヌ)

あと笑ったのは、蝿叩きをダンスで表現するところ。あんなん初めて見たわ(^◇^;)

この短い尺でこの濃い内容。なるほどコレがグランプリになったというのは反論の余地がない。ブラックに終わりながら、こちらも妙な余韻が残るという奇妙かつ異色な映画。

この2本が1200円なら決して高いとは思わなかった。むしろ商業映画で「カネ、返せ」と思う事の方が多い昨今、もっといろんな人に見てもらいたいと思ったなあ。自主映画ってやっぱり面白いのだよ。

劇場を出たらまだ雨が降っていた。妻に電話を入れ今から戻ると告げる。既にSさん宅では妻と二人して晩ご飯の支度をしてくれているとか。いや、なんともありがたいことで・・(__;)

帰りも同じルートで琴電に乗り、瓦町で乗り換え。志度線に行く人はこの時間僕だけのようだ。後ろを振り返ってダレもいなかったときはちょっとだけ「狼男アメリカン
の駅のホームシーンを思い出して怖かった(^_^;)

21時にSさん宅に戻りると、しばらくしてご主人も帰宅。いや、考えてみれば軽く2年は会ってなかったので久しぶりのご対面である。4人でテーブルを囲み美味しい食事(写真を撮っておけばよかった。それくらい美味しいご飯じゃった(>_<))と楽しい歓談。気がつけば時刻もとっくに23時をすぎ、外はもう真夜中。

満腹の我々夫婦はさすがに帰ることに(おみやげのパンまでもらいってしまった・・)Sさんご夫婦、今宵の歓待まことにありがとうであります(ロ_ロ)ゞ たぶん近いうちまた来ます(゜;)\(--;)オイオイナニイッテンダヨ

と、帰りは時間も時間なので、予想通り妻は県境手前でぐー(-_-)゜zzz… あんなにいっぱい珈琲を飲んだのに(原材料の豆から生成した特製珈琲まで飲んだというのに)さほど効果はなかったようだ。ま、予想内ではある。自宅到着10分前に起きた妻は体感移動時間がきっと20分くらいだったハズだ。

部屋に戻りシャワーを浴びて横になると、眠くなるのは早かった。久しぶりの濃くて楽しい土曜日。充実の疲れというヤツでありましょうか・・・



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4 Comments

ぱぴーさん2006  

Re:PFF観客初体験(11/18)

昨日はいい情報をありがとうございました。



2年くらい前に瓦町の近くで観たいプラネタリウムの上映があって、そのついでに天満屋さん付近を散策しました。

昔と雰囲気が変わっていたんですねえ。

2006/11/21 (Tue) 00:09 | EDIT | REPLY |   

しろくろショウ  

Re[1]:PFF観客初体験(11/18)

こんばんは(^^)



瓦町もそうですが、いやもう高松駅にはちょっと

ビックリしました・・・



今香川は映画祭がラッシュのようで、「さぬき映

画祭」「宇多津映画祭」なんかもこの時期やって

いたそうです。



マイカルに行かれたらきっと上映前の「ご注意

アニメ」を見ると思いますが、私あれけっこう

好きだったんです(^_^;)

2006/11/21 (Tue) 19:48 | EDIT | REPLY |   

ぱぴーさん2006  

Re[2]:PFF観客初体験(11/18)

しろくろショウさん

こんばんは(^^)

香川県は映画撮影が多く行われたそうですね。

近県で映画祭りが盛んに行われるのはうれしくなります。

マイカルの上映前の「ご注意アニメ」がすっごく気になります~。

2006/11/21 (Tue) 22:50 | EDIT | REPLY |   

しろくろショウ  

Re[3]:PFF観客初体験(11/18)

「ご注意アニメ」にプラス昔は地元のレンタルビデオ「ロッキー」のコマーシャルがバンバンかかっていたものです(あーナツカシイ・・)もう何年か前にゲオに身売りしたので今はやってないと思いますが、ああいうその地方のローカルCMって映画館の個性が出て面白いですよね。



確かその昔OSグラウンドでもよく見ました(「パチンコ・オデオン」とか「夢見るビビちゃん」とか・・)

2006/11/22 (Wed) 21:18 | EDIT | REPLY |   

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